ピリリとした辛みが魅力のわさび菜を、自宅で栽培できないかな?そんな疑問にお答えします。わさび菜をお家で手軽に栽培できる方法や注意点をまとめました。
わさび菜はプランター栽培や水耕栽培もできるので、マンション住まいなど畑を作るスペースの確保が難しい方でも簡単に栽培できるんですよ。
【わさび菜の栽培】プランター栽培の基本
わさび菜をプランターで栽培する時の基本をまとめました。わさび菜を栽培するのは難しくないので、気軽にチャレンジできますよ。
わさび菜の栽培で準備するもの
- わさび菜の種
- 野菜用培養土
- プランター
畑に地植えをするなら、種まきの2週間ほど前から土づくりを始めなければなりません。畑に苦土石灰を混ぜpH値を調整した後、腐葉土や堆肥を加えるなど、手間も時間もかかりますね。
プランター栽培なら、土はホームセンターなどで野菜用培養土を購入するだけなので、思い立ったその日に種まきができますよ。
プランターの選び方
プランターには初心者でも扱いやすい『素焼きタイプ』、軽いが耐久性がなく水やり後に根腐れしやすい『プラスチック』、通気性・排水性ともに高い『木製』、見た目重視の『陶器』などがあります。自分に合った材質を選ぶとよいでしょう。
サイズは横幅60cm~65cmで、土が12リットル~20リットルくらい入るものがおすすめです。
プランター栽培での種まきの時期は?
わさび菜の生育温度は15℃~25℃。
時期としては11月頃~3月頃がよいとされていますが、日当たり・風通しなどがよければ1年中栽培できます。ただし、耐暑性はないため真夏は避けた方がよいでしょう。
地植えなら種まきは春と秋に行うことが多いようですが、プランター栽培は栽培環境の調整が容易なので、時期にこだわり過ぎず種まきができるでしょう。
2月頃に収穫するわさび菜は辛みが強いようです。辛みが強いわさび菜が好みなら晩秋~冬にかけての種まきがよいかもしれませんね。
発芽日数はどれくらい?
プランターにまいた種が発芽する目安は、5日~1週間程度。発芽したら、日当たりと風通しには特に気を付けてくださいね。水やりは、表面の土が乾いたら、たっぷりと。
発芽後、様子を見て間引きをします。芽が混み合っている部分を間引き、間隔を空けてください。
野菜用培養土を使用しているなら基本的に追肥は必要ありませんが、場合によっては葉が10cmくらいになったところで化成肥料を追加するとよいでしょう。
収穫に適した状態は?
わさび菜の収穫のタイミングは発芽から1ヶ月半~2ヶ月、草丈が20cm前後。このタイミングで株元から切り取るように収穫しましょう。
気を付けなくてはいけないのは花。花芽ができ、花茎が成長することを『とう立ち』といいます。とう立ちしてしまうとわさび菜の味に大きく影響してしまいます。
とう立ちする原因は様々ありますが、とう立ちさせないための工夫の一つが『とう立ち前に収穫すること』です。
絶対ではないですが、草丈が20cm前後はわさび菜が食べ頃に成長した目安で、かつとう立ちもしていない頃なので、収穫に最適なんですね。
わさび菜のプランター栽培で注意する害虫
わさび菜は辛み成分があるから、害虫は好まないのでは?というのは間違い。わさび菜を好む害虫もいます。
わさび菜はキャベツなどと同じアブラナ科です。キャベツなどにつく害虫は、わさび菜も好むと思ってよいでしょう。それはプランター栽培でも変わりません。
アオムシ・コナガ・カブラハバチの幼虫など
アオムシ・コナガ・カブラハバチは、わさび菜が発芽するとすぐ卵を産み付けに来ます。幼虫になったら大変!
わさび菜の葉は、驚くほど短時間でまるごと食べられてしまいます。せっかく育ってきたのに、気づけば茎だけ…なんてことも。
卵が産みつけられていないか、幼虫がいないかなどこまめにチェックしておきましょう。
アブラムシ
アブラムシは体長1.5mm~3mmほどの小さな虫ですが、大量に発生して見た目にも気持ち悪いですね。ですが植物を育てると一度は遭遇してしまうのがアブラムシです。
わさび菜に寄生すると、アブラムシの排せつ物によりカビが発生し葉の裏面が黒く変色、光合成を邪魔するので、絶対に避けたい害虫です。
害虫が発生したらどうする?
気を付けていても発生するのが害虫です。万が一発生してしまったら、ピンセットなどでつまんで除去しましょう。
数が多くて小さいアブラムシなどは、セロハンテープでくっつけて除去する方法もあります。
アブラムシの場合は、牛乳と水を1:1で割ったものを散布するのもおすすめ。乾燥する時にアブラムシを窒息死させます。
あまりにも数が多く、対応が難しい場合は薬剤を使うのも一つの手段ですが、無農薬で育てたい場合は大量発生する前にこまめにチェックするとよいですね。
害虫を防ぐにはどうしたらいい?
そもそも害虫を発生させたくないのが当たり前ですよね。害虫被害を防ぐのに有効な手段の一つが『ネットをかぶせる』です。
ネットの目は1mm以下にしましょう。これより粗いと、害虫の侵入を許してしまいます。また、ネットは葉に触れないようにかぶせましょう。葉に触れた部分から卵を産み付けられる可能性があります。
また、害虫が嫌う木酢液を散布しておくこともおすすめ。独特の匂いはありますが、わさび菜の成長に影響せず、害虫を予防できます。
わさび菜は連作障害が起きやすい
同じ場所で同じ作物の栽培を続けると、生育具合がよくない、枯れてしまうなどの障害が起きることがあります。これを連作障害といいます。
わさび菜はこの連作障害が起きやすい作物のため、プランターで栽培している場合も収穫後に続けてわさび菜を栽培しない方がよいでしょう。
続けてわさび菜を栽培したい場合は、プランター内の土を全部入れ替えてから、栽培してください。
【わさび菜の栽培】水耕栽培の基本
水耕栽培のやり方は様々です。ここでは、初心者でもやりやすい方法をご紹介します。
わさび菜の水耕栽培で準備するもの
- わさび菜の種
- 液体肥料
- 豆苗プランター
- スポンジ
- 液体肥料
豆苗プランターは、DAISOなど100均で買える水耕栽培用のプランターで、手軽に水耕栽培を始められます。初めての水耕栽培にはピッタリです。スポンジはランターのサイズに合ったものを用意しましょう。
初めての方におすすめの液体肥料は?
『微粉ハイポネックス』は粉状のため水に溶かす手間はありますが、わさび菜を強く育てるカリウムが豊富です。また、害虫や気温の変化にも強く育ちますよ。
容器と液体肥料の下準備と種まき
まず、スポンジにカッターで切り目を入れるか穴を空けましょう。水耕栽培用のプランターにスポンジをセットしたら、水を十分に含ませてください。
次に種をまきます。等間隔にまく方がよいですが、小さい種なのでピンセットなどがあると便利です。お水は適宜追加してくださいね。
水耕栽培での発芽日数
水耕栽培での発芽日数は、約1週間です。気温などによって2週間程度かかることもあります。
発芽を確認したら、液体肥料にします。ざるの部分を持ち上げて、水を液体肥料に替えるだけなので手軽ですね。
この時、根の生育を阻まないように、ざるの下にペットボトルの蓋などを置き底上げしてください。成長の様子を見ながら、株と株の間隔が狭いようなら間引きしてくださいね。
収穫に適した状態は?
栽培したわさび菜の収穫は発芽から1ヶ月~2ヶ月ほど。草丈が15cm~20cmになった頃が適しています。
水耕栽培の場合、どうしても倒れやすいので、早めの収穫がおすすめ。収穫する時は、わさび菜を根ごと切り離してください。
「あともう少し大きくなったら」と思っているうちにとう立ちしてしまうことがあるので、よく見ておくとよいでしょう。
わさび菜の水耕栽培で注意する害虫
水耕栽培の場合、基本的に室内で栽培するためアオムシ等の害虫被害は少ないでしょう。ですが、アブラムシやコバエ・コナジラミなどの害虫に狙われることがあります。
風通しや日当たりに注意して、日頃から手入れするのが害虫を防ぐコツですが、万が一発生してしまったらセロハンテープなどで除去してくださいね。
わさび菜を栽培して美味しく食べよう!
わさび菜はチリチリとしたフリル状の葉が、サラダなどの見た目を華やかにし、ピリリとした辛みは味のアクセントになる、頼りになる食材です。
食卓に少しだけ欲しい・新鮮なわさび菜が食べたいという時こそ、家庭でのプランター栽培・水耕栽培を始めるタイミングではないでしょうか。
この機会に、是非わさび菜の栽培にチャレンジしてみてくださいね。