寒い冬に必須の生姜。実は自宅のプランターで育てられるってご存知でしたか?
おうち時間が増えるこの時期、家庭菜園を始める方が増えています。この機会に、家庭菜園のレパートリーを増やしてみてはいかがでしょうか。
といった疑問を持たれる方もいるはず。この記事では、そんな疑問を解消いたします!
目次
生姜の基本的な栽培方法は5ステップ!
4月下旬頃に種ショウガを植え付け、7月〜11月にかけて時期により、「葉生姜」「新生姜」「ひね生姜」といったように様々な生姜を楽しむことができます。さっそく、詳しい栽培方法を見ていきましょう。
ステップ1.種生姜の準備
種生姜は4月になると、ホームセンターなどで販売されます。水分を含んでみずみずしく、色ツヤが良く、しっかりした芽が付いているものを選びましょう。
なお、スーパーで売られている食用の生姜は、芽が削られていたり、冷蔵保存によって弱っていたりするため、栽培には適していません。
食用の生姜でも育てられたという方もいますが、確実に育てたい場合はホームセンター等で手に入る種生姜をおすすめします。
また、品種によって辛みが異なるので、お好みのものを見つけてみてください。代表的な品種2つと特徴は以下のとおりです。
【近江】株が大きく、辛みと香りが強い。
【谷中・金時】株は小さく、ほのかな甘みのある辛さ。
購入してすぐに植え付けない場合は、13〜20℃以上の場所で保管しましょう。
ステップ2.土づくり
生姜は保湿性に優れ、弱酸性〜中性の土を好みます。家庭菜園として楽しむ場合は、市販の野菜用の培養土を使用すると良いでしょう。
市販の用土の酸度はほとんど弱酸性~中性です。 袋の説明書を確認し、元肥(植え付け前に施す肥料)が含まれていない場合は、元肥を加えてください。
「マイガーデンベジフル」のような配合肥料が手軽にできてオススメですよ。
ステップ3.植え付け
生姜の植え付けは気温が高くなる4月中旬〜5月上旬が最適です。地温が15度以上になってから行いましょう。種生姜は1片50gほどに切り分けておきます。切り分けたものは日光に2日ほど当てて、発芽しやすくします。
深さ30cm、横幅60cmのプランターに3株が植え付けの目安です。種生姜の上に土5〜10cm程を盛り、手のひらでしっかり押さえて鎮圧し、たっぷりと水をやります。
生姜は乾燥にとても弱いので、鉢やプランターで栽培するときは1日2回、朝と夕方に水やりをします。 地植えの場合は、2~3日に1回を目安にします。
ステップ4.メンテナンス
生姜は低温だと生育しにくく、地温が低い場合は発芽が6月までかかることもあります。ようやく芽が出たら、追肥や土寄せを定期的に行います。また、夏はマルチングで乾燥を防ぎましょう。
【追肥】
作物が育っていくと、根から養分が吸い取られるため、元肥が少なくなっていきます。少なくなった養分を補うことを「追肥」と呼びます。
草丈の目安は、1回目は草丈約15cm、2回目は草丈約30cm、3回目はその1か月後です。夏までに合計3回、株元に行いましょう。プランターの場合は1株につき約5g、地植えの場合は約30g、追肥します。
【土寄せ】
追肥と併せて、株元に土を寄せ集めて「土寄せ」を行います。追肥後、肥料の上から土をかけ、土を株元に寄せて肥料が流れ出るのを防ぎます。
【マルチング・遮光】
生姜は乾燥に弱いため、梅雨明けから稲ワラや刈草で株元を覆い、乾燥を防ぎます。また、適度な日陰を作るため、真夏の日差しが強い日は遮光ネットをかけてあげましょう。
【防風】
生姜は草丈が高くなるため、強風で折れやすくなります。そこから菌が入り込み、生育が止まってしまうことも。マンションのベランダなど、強風に晒されやすい環境で育てる場合は防風ネットを張ると良いでしょう。
ステップ5.収穫
生姜は収穫時期により、「葉生姜」「新生姜」「ひね生姜」の3種類を楽しむことができます。1番早い時期に取れる葉生姜から順に見ていきましょう。
なお、種類別の特徴や味の違いについては、こちらの記事で詳しく解説をしていますので、本記事と併せて参考にしてみてください。
7月〜8月ごろが最適な収穫時期です。葉が5~6枚ついて根が肥大し始めた頃に収穫します。
9月〜10月が収穫時期です。ちなみに、新生姜といえば初夏に出回るイメージがありますが、これはハウス栽培によるもの。露地栽培だと秋口に収穫となります。
10月〜11月が収穫時期となり、霜が降りる前に収穫する必要があります。
葉が黄色くなり始めた頃を目安に、十分に根が肥大してから収穫します。株元から20㎝ほど離れた位置にスコップを入れ根の下から株ごと持ちあげて収穫しましょう。
収穫したものを2〜3ヶ月貯蔵することで、スーパーでよく見かける黄色い生姜となります。
生姜の栽培方法で注意すべきことは?
生姜の収穫時期を過ぎないこと
生姜は寒さに弱く、10℃以下になり霜が降りると根茎が腐ってしまいます。冬が来る前に必ず収穫しましょう。
この時期をさらに逃すと、なんと花を咲かせるのだとか。通常、寒くなる前に収穫するため、花を見たことがあるという農家さんは少ないそうです。
ちなみに、「ジンジャー」という名前の花がありますが、こちらとは別物です。せっかく育てた生姜ですから、適切な時期に収穫して保存しておきたいものですね。
生姜の保存方法については、以下の記事で詳しく解説をしています!
連作を避けること
生姜は連作障害を避けるために、同じ場所(プランターであれば同じ土)での栽培間隔を1〜2年あけるようにしましょう。
連作障害とは、同じ場所で同じ作物を毎年栽培することで、野菜に害を及ぼす病原菌や有害線虫が増えたり、土壌の養分が不足したりして収穫量が落ちる事を言います。
生姜に起こる連作障害は主に次の2つが挙げられます。
・生姜が地中で腐ってしまう
・葉に白い斑点が付き、葉からの養分が行き届きにくくなる
生姜以外にも、ミョウガやウコンなどショウガ科の作物は全て避けるのが無難です。また、じゃがいもとの相性が悪いため、連作を避けるだけでなく、近くで栽培するのも控えましょう。
病気への対策をすること
どんな作物でも病気はつきものですが、できれば避けておきたいものです。生姜に発生する主な病気と、その対策方法をご紹介します。
【モザイク病】
生姜の葉にモザイク模様ができる病気で、初夏や秋口に発生します。アブラムシによってウイルスが運び込まれることが原因で、放っておくと株にまで影響が出てしまいます。
残念ながら治療薬がないため、かかってしまう前に対策が必要になります。防風ネットやマルチシートをかぶせ、アブラムシや菌の飛来を防ぎましょう。また、アブラムシを見つけた場合は早急に駆除しましょう。
【根茎腐敗病】
生姜の株元に水染みが出来て枯れ始める病気です。4月〜8月に発生します。原因はカビで、進行すると葉が黄色くなります。
同じ病気を持つ種生姜から発病するため、種生姜選びの段階で注意が必要です。購入の際は「種生姜の準備」にて記載したポイントをよく確認しましょう。
まとめ:生姜の栽培方法と収穫時期
いかがでしたか?
生姜はご家庭で栽培すれば、好きな時期に収穫して楽しむことができます。少し手間はかかりますが、その分愛着が湧くことでしょう。
この春は種生姜を手に入れ、初夏から秋にかけて様々な生姜を楽しみましょう!