【徹底比較】豆乳vs牛乳!豆乳は太る?牛乳よりヘルシーってウソ?
豆乳は牛乳よりもヘルシーだと思ってたのに、飲むと太るって聞いたんだけど…
豆乳を太らないように飲む方法はないのかなあ?

豆乳は牛乳よりもヘルシーで低カロリーというイメージがあるかもしれませんね。

しかし、その反面、豆乳でも太るという話を聞くこともあります。実際のところはどうなのでしょうか?また、豆乳と牛乳ではどちらが太りやすいのでしょうか?

この記事では、豆乳が牛乳よりも太りやすいのかを検証するとともに、どのようにしたら太る可能性があるのか、太らないように効果的に飲む方法はあるのかなどについて解説します。

どっちが太る?豆乳と牛乳のカロリー比べてみよう!

どっちが太る?豆乳と牛乳のカロリー比べてみよう!

太る原因としていちばん最初に思い浮かべる要素といえば、やはりカロリーですよね。牛乳はカロリーが高く、豆乳はカロリーが低いというイメージを持つ人も多いようですが、実際のところはどうなのでしょうか?

食品成分表で見る豆乳と牛乳のカロリー

食品成分表は正式名称を「日本食品標準成分表」といい、文部科学省が調査・公表している食品の栄養成分のデータで、栄養士などが行う栄養計算は、すべてこのデータが基準になっています。

食品成分表で200ml(コップ約1杯分)の豆乳と牛乳のカロリーを比較すると、次のようになります。

商品名エネルギー
(kcal)
たんぱく質
(g)
脂質(g)炭水化物
(g)
豆乳(無調整豆乳)887.24.06.2
調製豆乳1266.47.29.6
牛乳(普通牛乳)1226.67.69.6

無調整豆乳とは大豆固形分が8%以上の成分を調整していない豆乳です。一方、調製豆乳とは無調整豆乳に糖分や油脂などを加えて飲みやすく調製した加工品で、大豆固形分は6%以上という決まりがあります。

食品成分表のデータで見ると、調製豆乳のカロリーは牛乳と同程度で、無調整豆乳のカロリーはやや低めであることがわかりますね。

また、エネルギー源となる栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物の量も、調製豆乳と牛乳は同じくらいで、無調整豆乳はやや低めとなっています。

市販の豆乳と牛乳のカロリーは?

食品成分表のデータは平均的な数値が記載されています。では、実際にスーパーなどに売っている豆乳のカロリーはどのくらいなのでしょうか?市販の主力商品の200ml(コップ約1杯分)のカロリーを比較してみました。

商品名エネルギー
(kcal)
たんぱく質
(g)
脂質(g)炭水化物
(g)
キッコーマン おいしい無調整豆乳1138.37.33.7
マルサン 毎日おいしい 無調整豆乳1028.46.03.8
スジャータ 豆腐もできます有機豆乳11010.05.84.4
キッコーマン 調製豆乳1167.07.74.8
マルサン 調製豆乳1086.64.99.4
明治 おいしい牛乳1376.87.99.9

上記の数値は、各社の実際の製品を測定器によって分析した数値です。スーパーなどで買える主力商品の豆乳も牛乳も、食品成分表のカロリーよりも少し高めですね。

市販の豆乳のカロリーは牛乳のカロリーの8割程度で、無調整豆乳と調製豆乳のカロリーの差はあまりないことがわかります。

低脂肪牛乳と低カロリー豆乳のカロリーは?

低脂肪牛乳とは生乳を遠心分離して乳脂肪分の一部を取り除いた牛乳で、低脂肪乳とは生乳を脱脂粉乳を混ぜて脂肪分を減らした加工乳のこと。どちらも、低カロリーの牛乳として飲まれています。

調製豆乳にも同じように、砂糖や油を加えずに甘味料などで飲みやすく加工した低カロリー豆乳が販売されています。

商品名エネルギー
(kcal)
たんぱく質
(g)
脂質(g)炭水化物
(g)
マルサン 調製豆乳 カロリー45%オフ 705.64.03.0
スジャータ
有機大豆使用 糖質65%オフ 調製豆乳
665.82.47.4
森永のおいしい低脂肪牛乳877.02.010.2
明治 おいしい低脂肪乳1077.43.810.8

上の表を見ると、低カロリー豆乳は一般的な豆乳のカロリーの5割~6割程度で、かなり低いことがわかりますね。低脂肪牛乳や低脂肪乳に比べてもカロリーはかなり低めです。

カロリーだけ見ると豆乳は牛乳よりも太りにくい

カロリーだけで考慮すると、食品成分表の数値も市販の主力商品の数値も、豆乳は牛乳よりもやや低め。ですから、牛乳と同じように摂るのであれば、豆乳が牛乳よりも太る要素があるとは言えませんよね。

また、調製豆乳は砂糖などを入れて飲みやすくしているから、無調整豆乳よりも太りやすいという話も聞きます。

しかし、市販の商品の栄養成分を比較すると、調製豆乳と無調整豆乳のカロリーもそれほど大きな差はなことがわかります。

豆乳を水やお茶の代わりに飲めばカロリーの摂りすぎで太るかもしれませんが、牛乳と同じ感覚で摂るならば、豆乳は太る原因にはなりにくいと言えるでしょう。

「豆乳 vs 牛乳」栄養面で太る度合いに違いはある?

「豆乳 vs 牛乳」栄養面で太る度合いに違いはある?

カロリーで比較すると、豆乳も牛乳も大きな差はありませんが、どちらの方が太るかはカロリーの数値だけではなく、それぞれの栄養素が持つ特徴によっても変わってきます

そこで、豆乳と牛乳では、身体のエネルギー源となるたんぱく質、脂質、糖質にどのような違いがあるのかについて比較してみましょう。

豆乳と牛乳のたんぱく質は性質が異なる!

調製豆乳には牛乳と同程度の、無調整豆乳には牛乳よりもやや多くたんぱく質が含まれています。たんぱく質の量にそれほど大差はありませんが、豆乳と牛乳とでは含まれるたんぱく質の種類が異なります

牛乳に含まれるたんぱく質:

カゼイン(約80%)+ホエイたんぱく(約20%)

大豆に含まれるたんぱく質:

大豆たんぱく

豆乳と牛乳のたんぱく質は、どちらもアミノ酸スコア(たんぱく質の量と体内では合成できない必須アミノ酸のバランスを表す数値)が100の良質のたんぱく質ですが、たんぱく質の種類によって体内での吸収速度や利用率が変わってきます。

体内での吸収速度の違い

たんぱく質は体内で分解されてアミノ酸となり、その後血液中に入って身体の各組織に運ばれエネルギー源として利用されます。

豆乳のたんぱく質と牛乳のたんぱく質では、吸収される速度や血中のアミノ酸の持続時間が異なります。

ホエイたんぱく:1時間ほどで急激に吸収されて、2時間程度で使い切る

カゼイン:7~8時間かけて少しずつゆっくりと吸収される

大豆たんぱく:5~6時間かけてゆっくりと吸収される

ホエイたんぱくは吸収スピードが速いので即効性があるエネルギーとなり、逆にカゼインはゆっくりと吸収されて体内に留まる時間も長いことが特徴です。

つまり、牛乳には即効性のあるエネルギーと長時間持続するエネルギーが両方存在するということになります。

大豆たんぱくもカゼインと同じように、ゆっくりと体内に吸収されます。体内に留まっている時間が長いので、その分満腹感も持続しやすいと言えますよね。

体内での利用率の違い

豆乳の大豆たんぱくも、牛乳のカゼインやホエイたんぱくも吸収率は非常に高いたんぱく質ですが、吸収されたたんぱく質は100%利用されるわけではありません。

以下のようにたんぱく質の種類によって利用率が変わってきます。

豆乳と牛乳の正味たんぱく質利用率

カゼイン:約82%

ホエイたんぱく:約91%

大豆たんぱく:約61%

「正味たんぱく質利用率」とは、たんぱく質を摂取した時に尿などといっしょに排泄されずに、どれだけ身体の中で利用されているかを示した数値のことです。

この数値を見ると、大豆たんぱくは摂取した分の6割程度しか利用されませんが、牛乳に含まれるたんぱく質は8~9割が排泄されずに利用されていることがわかりますね。

つまり、牛乳のたんぱく質の方が効率よく利用されるということになります。

豆乳と牛乳の脂質はどちらも一長一短

油脂の成分である脂肪酸は、構造によって「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」という2種類に大きく分けられます。

一部例外もありますが、一般的には動物性油脂には飽和脂肪酸が、植物油脂には不飽和脂肪酸が多く含まれています。

飽和脂肪酸は摂りすぎると、LDL(悪玉)コレステロールが増えて肥満や動脈硬化を引き起こしやすいため注意が必要です。

豆乳の不飽和脂肪酸はありがたくない?!

豆乳の原料となる大豆には、不飽和脂肪酸が約8割、飽和脂肪酸が約2割含まれています。

大豆の主な脂肪酸

不飽和脂肪酸:リノール酸(約50%)、α−リノレン酸(約5.6%)

飽和脂肪酸:パルミチン酸(約9.4%)

大豆の脂肪酸はそのほとんどが不飽和脂肪酸で、なかでもオメガ6系のリノール酸がとても豊富です。

リノール酸は体内で合成できないため、必ず摂る必要のある必須脂肪酸のひとつですが、残念ながら私たち日本人はリノール酸を摂りすぎている傾向があります。

逆に、α−リノレン酸は積極的に摂ることを推奨されているオメガ3系の不飽和脂肪酸で、中性脂肪や血圧を下げる効果があるとされています。

不飽和脂肪酸はバランスが大切なので、豆乳にリノール酸が多い点はやや残念な部分ですね。

牛乳の飽和脂肪酸には良い効果も!

牛乳の脂質のうち約7割が飽和脂肪酸で、主な飽和脂肪酸には、パルミチン酸(約30%)、ステアリン酸(約12%)、ミリスチン酸(約11%)などがあります。

一般的に、飽和脂肪酸は血中のLDLコレステロールを増やし肥満を招くリスクがあります。

しかし、最近では、パルミチン酸やステアリン酸に動脈硬化や肥満を抑えるHDL(善玉)コレステロールを増やす働きがあることがわかってきたそうです。

2020年には、世界的な医学誌である「ブリティッシュメディカルジャーナル」で、牛乳や乳製品は肥満や生活習慣病のリスクを低下させるという論文も発表されました。

牛乳の飽和脂肪酸が身体に良くないと一概には言えなさそうですね。

豆乳や牛乳の糖質で便秘が解消できる?!

糖質の摂りすぎは太る原因になることは、誰もが知っている事実ですよね。豆乳や牛乳に含まれている糖質は決して少なくはありませんが、太るどころか痩せる効果が期待できる糖質も含まれているのです。

身体に良い豆乳の糖質は「オリゴ糖」

大豆には100g中に約3gの糖質が含まれています。砂糖に換算すると3gは小さじ1杯。200mlの豆乳には小さじ2杯分の糖質が含まれているので、意外に多めですよね。

豆乳の主な糖分はショ糖(44%)と「大豆オリゴ糖(30%)」です。

このうち大豆オリゴ糖は難消化性であるため胃でほとんど消化されずに腸まで届き、ビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌を増やすことがわかっています。

大豆オリゴ糖を1日1g、3週間続けて摂取すると、便通が増えたという研究結果もあります。豆乳200mlには0.8~0.9g程度の大豆オリゴ糖が含まれているので、豆乳を毎日摂り続けることで便秘改善の効果が期待できます。

牛乳の「乳糖」は善玉菌のエサになる!

牛乳の糖質は100g中で約5gで、豆乳の1.5倍ほどの量が含まれています。

牛乳の糖質は「乳糖(ラクトース)」で、オリゴ糖と同じように腸内で善玉菌を増やす働きがあるため、豆乳と同じように腸内環境を良くして便通を良くする効果が期待できます。

便秘になると、血行や消化吸収が悪くなり脂肪の蓄積しやすくなったり、基礎代謝が低下したりするなどして、太る原因になってしまいます。つまり、便秘の解消はダイエットへの第一歩と言えますよね。

太る不安を徹底解消!豆乳で太らないための注意点!

太る不安を徹底解消!豆乳で太らないための注意点!

市販の豆乳のカロリーは牛乳よりもやや低めなので、摂りすぎない限り、太ることをそれほど心配しなくてもよさそうですよね。

豆乳は牛乳と同じように栄養価が優れていて、なかには牛乳にはない効果もあるため、積極的に摂りたい飲み物でもあります。

では、太らないように豆乳を摂るには、どのようなことに気を付けるとよいのでしょうか?

1日にどのくらいの量までなら摂っていい?

豆乳の1日の摂取量に制限はありませんが、摂りすぎるとカロリーオーバーになってしまうこともあります。

豆乳メーカーや「日本豆乳協会」では、1日に200~600ml程度なら問題ないのでは、という見解を示しているようです。

カロリーや栄養素の摂取量は1日あたりでどのくらいかということが基準になります。他の食事内容と考え合わせて、カロリーオーバーや栄養の偏りができないようにすることが大切です。

牛乳は1日に200~400ml程度が推奨されているので、豆乳の場合もそれくらいを目安にするとよいですね。

飲むタイミングは?食前と食間とどっちがいい?

食事は夜遅く食べたり間が空きすぎたりと、摂るタイミングによっては太る原因になりますよね。豆乳で太るのを避けるには、飲むタイミングも大きなポイントになります。

よく言われていることは、食事の前に摂るということ。食事の前に豆乳を飲むことでおなかを膨らませて食事量を減らそうという考えです。確かに一理ありますし、カロリー制限が必要な場合は有効かもしれませんよね。

しかし、もっとおすすめしたいタイミングが、食事と食事の間、つまりおやつのタイミングですね。豆乳の大豆たんぱくは腹持ちがよいので、余計な間食を抑えるにはもってこいです。

豆乳を寝る前に飲むと太る?

睡眠中に分泌される成長ホルモンは、子どもの成長だけでなく大人になってからも、代謝や身体の各組織の修復や維持などさまざまな働きをします。

そのなかのひとつに、体内のアミノ酸からたんぱく質を合成して筋肉を修復する機能があります。

大豆たんぱくは体内に入ると5~6時間かけてゆっくり分解・吸収されます。

ですから、成長ホルモンがたくさん分泌されるタイミングに合わせて就寝前に豆乳を飲むと、睡眠中にたんぱく質を合成するために必要なアミノ酸を供給できることになりますね。

筋肉が増えると、基礎代謝が上がって太りにくく痩せやすい身体になります。寝る前に豆乳を飲むと太るどころか、結果的には痩せやすい身体を作ることが期待できます。

オートミールやグラノーラに豆乳をかけると太る?

オートミールやグラノーラなどのシリアルは、手軽に取れる上に、食物繊維、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養も豊富なため、朝食や間食に利用している人も多いのではないでしょうか。

特に、シリアルに牛乳やヨーグルトをかけるとシリアルが水分を吸って膨らみ、満腹感が得られやすいのでダイエットにも人気があります。

オートミールやグラノーラなどに豆乳をかけたとしても、カロリーは牛乳と同程度なので太る心配はあまりありません

ただし、糖質の多い果物やハチミツなどの糖分を入れる際は、カロリーオーバーにならないように注意しましょう。

コーヒー味やフルーツミックス味の豆乳は太る?

スーパーの豆乳売り場に行くと、コーヒー味やフルーツミックス味などさまざまフレーバーの豆乳が並んでいますよね。それらは豆乳に果汁やコーヒーなどで味付けをした「豆乳飲料」という分類の飲料です。

豆乳飲料はおいしく飲みやすいので人気がありますが、どのくらいのカロリーがあるのでしょうか?キッコーマンの豆乳飲料のうち、人気商品のカロリーを下の表に示します。

種類カロリー(kcal)
フルーツミックス107
いちご106
ココア122
紅茶132
麦芽コーヒー132
アーモンド134
バナナ134
抹茶140

フルーツミックス味やいちご味のように、無調整豆乳や調製豆乳よりもカロリーが低めのものもありますが、多くの豆乳飲料はカロリーが高めなので、少し注意が必要ですね。

また、無調整豆乳を飲みやすくするために、ハチミツやジュースなどを混ぜて飲んだり、豆乳と果物で自家製ジュースやスムージーを作ったりする場合も、混ぜるものによっては高カロリーになるので注意しましょう。

まとめ:豆乳は毎日飲んでも太る要素は少ない!

豆乳は、良質のたんぱく質が豊富なだけでなく、たんぱく質などの代謝に必要なビタミンB群、腸内環境を良くすることが期待できる大豆オリゴ糖など、痩せるために必要な栄養素がバランスよく含まれているとても良い食品です。

カロリーも牛乳よりもやや低く、毎日大量に飲んだり、糖分をたくさん入れて飲んだりしない限りは特に太る心配もありません。

また、豆乳には豆乳の良い点が、牛乳には牛乳の良い点がたくさんあります。豆乳は牛乳の代わりにはならないので、どちらも食生活のなかに取り入れていくとよいですね。

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