ある時七味を開けたら中に虫がいた!!
なんて恐ろしい話を聞いたり、実際に体験したことがあるという方はいらっしゃいますか?唐辛子の成分はお米の防虫剤としても利用されていますし、七味唐辛子に虫が湧くことはないと思っている方も多いかも知れません。
しかし食品に湧く虫は、残念ながら七味にも例外なく湧きます…。
この記事では、七味に湧く虫の種類や湧いてしまった場合の対処法、食べてしまったらどうなるのか?そして虫から七味を守る保管方法についてご紹介します。
目次
七味に湧く虫の正体
七味に湧く虫というのは一体どんな虫なのでしょうか?可能性の高い3種類の虫について調べてみました。
ノシメマダラメイガ
七味に湧く虫としてまずあげられるのがノシメマダラメイガです。七味に限らずですが、食品に虫が湧いた場合はたいていこの虫!と言って良いほど代表的な食品害虫で蛾(が)の一種です。
特徴としては幼虫の頃は乳白色の細長いイモムシのような姿をしています。体長は小さなもので2~3mm、大きくなると13mmほどになり、成虫になると羽が生えてキッチンを中心に部屋の中を飛びまわります。
七味や小麦粉、粉末スープ、ホットケーキミックスなどの粉ものや、食べかけのお菓子、米、ドライフルーツなど幅広い食品に湧き、容器の中や周辺に卵を産みつけ幼虫となると、しっかり蓋を締めたはずの容器であってもわずかな隙間からも入り込み、包装してあるものについても食い破って侵入できるほど強いあごを持っています。
食品を食べるのは幼虫の間だけで、その間はくもの巣のような白い糸を吐いて巣を作ろうとするので、食品に糸の膜ができていることもあります。また、オレンジっぽい顆粒のものが多く見られたらそれはノシメマダラメイガの卵であり、赤褐色の粒があればそれは幼虫の糞です。
上記のような特徴が見られた場合は、まずノシメマダラメイガだと見て良いです。
発生時期は春~秋、温暖な地域であれば一年中活動できます。幼虫期が約20日~45日程なので、その間に駆除できないと成虫となってしまいます…。
シバンムシ(タバコシバンムシ)
次に七味に湧く虫として考えられるのがシバンムシです。漢字で書くと死番虫という恐ろしい名前ですが、命を脅かすような危険な虫ではありませんのでそこはご安心ください…!
とはいえ繁殖力が高く何でも食べてしまう虫であることと、シバンムシの幼虫に寄生するシバンムシアリガタバチというアリの姿をしたハチが人間を毒針で刺す危険があるため、やはりシバンムシを見つけたら駆除する必要があります。
見た目の特徴としては、幼虫の頃はノシメマダラメイガ同様乳白色のイモムシのような姿で、成虫すると茶褐色のような色の小さな甲虫になります。ただノシメマダラメイガと違って成虫しても飛ばないため食品に居座ったままです。
乾燥した食品を好み、七味などの香辛料はもちろんのこと、米、小麦粉、ホットケーキミックス、パスタやそうめん、お菓子類、ペットフードなどもよく狙われます。
タバコの葉やドライフラワーなどの植物、畳などにも湧くそうなので、もはや食品以外でも安心できませんね…。成虫は色が茶色いのでココアなどに発生すると一見見つけにくいため注意してください。
また、シバンムシの場合は甲虫のため、気づかずに食べてしまうとつぶつぶした感じやジャリッとした食感があります。
発生時期はノシメマダラメイガと同様春~秋が中心で、特に9月~10月にピークとなります。
ダニ
七味に湧く虫として考えられる3つ目は皆さんもご存知のダニです。
ダニというと布団やカーペットなどに湧くイメージですが、実は人間の食品も狙います。他の虫と同様、一番危ないのが七味、米、ホットケーキミックス、お好み焼き粉などの粉もの。
ですが他の2つの虫とは違い、ダニの場合は湧いてしまった食品を気づかずに食べてしまった場合にアレルギーを引き起こすことがあり、酷い場合は呼吸困難や全身の蕁麻疹、痙攣、血圧低下などのアナフィラキシーショックを起こし最悪命を落とす危険があるため充分な注意が必要です。
ダニはなかなか目視で見つけることも難しいですが、大量発生した場合は七味の色がいつもと違って見えたり七味が動いているように見えます。虫が湧いてしまっているかも知れない?と少しでも不安になる保管をしてしまった場合は、七味を使う前に目を凝らして確かめることをおすすめします。
七味に虫が湧く原因は?
それでは七味に湧いた虫は、一体どこから入ってきたのでしょうか?考えられる侵入経路や原因についてご紹介します。
高温多湿な場所や密封されていない状態で保管されている
七味に虫が湧く原因の一つ目は、高温多湿な場所に置かれていたり、開封後にしっかり密封されていない状態で保管している場合です。
キッチンで保管している方が多いかと思いますが、キッチンは水や火を使用する場所なので高温多湿になりやすく、食品屑などが落ちていると虫が集まってきやすい場所です。
七味だけではなく、このような環境に食品を保管することは傷みやすくなりますし、虫にエサを与えてあげているようなものです。
容器の隙間から入ってくる
七味に虫が湧く原因の二つ目は、しっかり閉めたと思っていた保存容器にわずかに隙間が開いていたり、使用する時に蓋を開いたその隙に虫が入りこんでしまうことがあるのです。入り込んだ虫に気づかずにまた蓋をしめてしまえば、そのまま産卵し虫が湧きます。
そもそも小さな虫たちなので、私たちが気づかないくらいの隙間であっても侵入は可能だということを忘れないようにしましょう。
ちなみにノシメマダライガの成虫は飛べるため、玄関や窓の外から室内へ入ってきます。シバンムシであればベランダや窓の隙間、洗濯物に付着して室内へ。ダニは人の洋服やかばん、靴、ペットの毛、外で触れた家具、電車の座席などを介して家から家へと運ばれて侵入します。
袋を食い破って入ってくる
七味に虫が湧く原因の三つ目は、ノシメマダラメイガの幼虫が袋を食い破って入ってくることです。
外から室内への侵入に成功したノシメマダラメイガの成虫が産卵し孵化したあと、噛む力がとても強い幼虫はたとえ未開封の七味の袋であっても匂いを嗅ぎつけて食い破って入り込みます。
未開封だから大丈夫だと思って高温多湿な場所や虫が入ってこられる場所に置いたままにするのは危険です。いざ使おうと開封した時に目にする光景を想像するだけで恐ろしいですよね…。
虫が湧いた七味はどうすれば?食べてしまったらどうなるの?
残念ながら七味に既にこれらの虫が湧いてしまった場合や、気づかずに食べてしまった場合はどのようにしたら良いのでしょうか?
虫が湧いた七味の対処法
七味に虫が湧いてしまった場合、残念ですが潔く廃棄することをおすすめします。
目に見える虫を駆除したとしても、目に見えない小さな卵たちが残っている可能性があるからです。まだたくさん七味が残っていたり、食べるのを楽しみにしていた未開封の七味であっても、一匹でも虫がいたらそのうちまだまだ孵化してくる可能性は高いですし、これ以上虫を増やさないためにも処分してしまいましょう。
虫が湧いた七味を食べてしまったら
虫が湧いた七味を気づかずに食べてしまった…。考えたくはないけれど、虫も食べてしまったかも知れない…。
気持ち的にはとても気の毒ですが、まずは安心してください。虫が湧いた七味、そして虫を食べてしまっても基本的に人体に害はありません。
ただし、ダニの項目でも書きましたがアレルギー反応が起こることがあります。念の為食べてしまったあと数時間は様子を見ていただき、腹痛や蕁麻疹、呼吸が苦しいなど何かしら体に異変を感じた場合は病院を受診することをおすすめします。
七味を虫から守る保管方法
それでは七味に虫を湧かせないためのおすすめの保管方法をご紹介していきます。
しっかり密封!
七味や食品に湧く虫は、ご紹介してきた通りほんのわずかな隙間でも入り込んできます。そのため、密閉性の高い容器で保管をしましょう。未開封の袋入り七味などはパッキン付きの密閉容器に入れて保存するのをおすすめします。
また、七味は高温や光にさらされていると成分が弱まり風味が落ちてしまうことがあります。常温で保存する場合は、虫の予防はもちろん、風味を守るためにも日の当たらない低温で通気性のある場所で保管しましょう。
七味は冷蔵庫に保管しよう!
七味を虫から守るためにもっとも最適な保管場所は冷蔵庫です。
七味に湧く虫の弱点は低温と乾燥。冷蔵庫であれば密閉されているので侵入も防ぐことができ、低温であることから虫の繁殖も抑えられ、湿気からも守られることで七味の風味も長持ちします。
また、普段使わない七味やストックしてある未開封の七味は冷凍庫で保管することも可能です。
梅雨や夏の時期はどんなに日の当たらない場所であっても湿気がひどくなり、虫が好む環境となってしまいます。虫やカビ、七味の風味を守るためにも、一年を通して冷蔵庫に保管することが一番安心できます。
まとめ:虫から七味を守るためには、正しい方法で保管しよう!
いかがでしたでしょうか?
防虫や殺菌効果の高い七味唐辛子であっても、その辺に置いておくと虫は好んで寄ってきてしまいます。そして一度湧いてしまうと駆除することは難しく、丸ごと廃棄する必要があります。
食べてしまっても害はあまりありませんがアレルギー反応が起きた場合は深刻な状況になることもあるので、とにかく七味を購入したら開封後はもちろん未開封であっても冷蔵庫に保管することをおすすめします。
保管方法をしっかり守って、七味を安心して美味しくいただきましょうね。