にんにくでおならも臭くなる?臭いの原因と対策法を詳しく解説!

餃子やキムチ、パスタなどおいしい料理には欠かせないにんにく。無性に食べたくなることがありますよね。

そんなにんにくの気になる点といえばあの強烈なにおい。歯みがきやブレスケアで口臭対策を気にしている人は多いと思いますが、実はおならにも影響を与えるとか与えないとか…?

ここではにんにくがおならに与える影響やおならの臭いの対処法を詳しく解説します。

にんにくがおならに与える影響は?

にんにくがおならに与える影響は?

おならは臭くなる?

にんにくの香り成分「アリシン」が原因でおならが臭くなります。

アリシンとは、にんにく由来の化合物です。疲労回復や生活習慣病の予防などに効果がありますが、にんにくの臭いの元になる物質でもあります。

にんにくは生の皮に覆われた状態では臭いがあまりありません。切ったり、すり下ろしたりすることで、アリシンが作られあの独特な臭いが発生します。

おならは口や鼻から飲み込んだ空気が7割ほどで、残りの3割は腸内で食べ物が分解されて発生したガスで出来ています。

発生するガスは食べ物の成分によって違うので、おならの臭いは食べたものによって変わってきます。たとえば炭水化物や野菜などを食べて発生するガスは水素、窒素、メタンガスで基本的に無臭です。

アリシンはイオウ化合物で、イオウ分が多いにんにくを食べると、腸の中で硫化水素やインドール、スカトールといった悪臭を放つガスが発生してしまいます。だから、にんにくを食べるとおならが臭くなってしまうのです。

おならが止まらなくなる

にんにくを食べ過ぎるとおならがたくさん出て止まらなくなることがあります。アリシンの殺菌作用が、腸内の消化を助ける働きがある善玉菌まで殺してしまうからです。

腸内には善玉菌と日和見菌、悪玉菌という3種類の腸内細菌が存在します。

善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割のバランスが理想的です。善玉菌が多いと健康的な腸内環境だといえます。

にんにくを食べ過ぎてしまうと、善玉菌を殺してしまい腸内細菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増えてしまいます。悪玉菌は腸の中を腐らせて、有害物質や大量のガスを発生させます。

また悪玉菌が増えることで便を排出するぜん動運動が悪くなり、便秘になりやすくなります。便秘で腸内に食べ物が残り続けると、さらに不要なガスが発生し、おならがたくさん出てしまいます。

にんにくをたくさん食べた後は善玉菌を増やすためにチーズやぬか漬けなどの発酵食品、善玉菌のエサとなる野菜や果物を積極的に摂るようにして、腸内環境を整えましょう

にんにくはどれくらいの量なら食べてもいい?

1日の目安は加熱したものであれば20g程度(3~4片)、生のものだと10g(2片)が良いとされています。

にんにくの健康効果を得るためには、適切な量を食べることが大切です。にんにくを大量に食べてしまうと、血圧の低下、貧血、めまい、嘔吐などの症状が現れることがあります。

にんにくのホイル焼きのように丸ごと調理したものは、あまり臭いを感じず、つい食べ過ぎてしまうことが多いので注意してください。

胃腸への刺激が強いので体調が悪いときにはあまり食べない方がいいでしょう。生のにんにくは特に殺菌作用が強く胃腸への影響が大きいので、食べる量には十分に注意が必要です。

小さいお子さんは、まだ胃腸が弱いので特に注意が必要です。ほんの少量から食べさせてあげて、食後の体調や便の様子をよく見ておきましょう。

にんにくを食べるときのおならの臭い対策

にんにくを食べるときのおならの臭い対策

にんにくの臭いは何時間つづく?

にんにくの臭いは食べた直後に臭うものと、体内に吸収された後に臭うものの2種類があり、消えるまでの時間がそれぞれ違います。食べた直後のものは口の中で臭いが発生し、3時間程度で消えます。

体内に吸収された後の臭いは16時間も持続してしまうことがわかっています。したがってにんにくのおならの臭いを防ぐには、にんにくの成分の吸収をやわらげることが重要になります。

空腹時ににんにくを食べない

胃腸の働きを活性化させ、食欲を増進させてくれるにんにくですが、殺菌効果が強すぎるため胃の粘膜が刺激され胃腸があれてしまいます。胃痛や胃もたれ、胸やけを起こしてしまうことがあります。

にんにくを食べるときには、先になにか他の物を食べて胃を保護してから食べるようにしましょう。

たんぱく質と一緒に食べる

にんにくはお魚やお肉、豆腐などの豆類、乳製品などたんぱく質を多く含むものと一緒に食べるのがおすすめです。アリシンはたんぱく質と結合する特徴があるので、臭いがおさえられ胃腸での吸収が穏やかになります。

火を通して食べる

生のにんにくには「アリイン」という成分が含まれています。この「アリイン」がにんにくの酵素によって臭い成分「アリシン」へと変化します。

にんにくに火を通すことで酵素が働かなくなり、アリシンの作られる量が減り、にんにくの臭いがおさえられます。胃腸への刺激もおさえることが出来るので、結果的におならの臭いや量が少なくなります。

にんにくの芯を取る

お家でにんにく料理を作る場合は芯を取り除きましょう。にんにくの芯は周囲の白い部分と比べて栄養分をたくさんため込んでいます。ですからこの部分は特に臭いが強く、胃腸に負担がかかってしまいます。

芯を取り除くことで少し臭いがやわらぎます。

にんにくを食べた後のおならの臭い対策

にんにくを食べた後のおならの臭い対策

ヨーグルトを食べる

ヨーグルトなどの乳製品に含まれるカゼインがアリシンを包み込み、胃や腸の粘膜を保護し、吸収を抑える働きがあります。

にんにくを食べることで腸内の悪玉菌が増殖してしまうので、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌の多いヨーグルトを食べることで腸内環境が改善し、臭いを抑えることが出来ます

ある調査で男女19人を対象としたにんにくの臭いの実験が行われました。にんにくの臭いを消すのには食後にヨーグルトを食べると効果的だということがわかったそうです。

ヨーグルトに入っている乳酸菌やビフィズス菌は強い酸性の胃酸で死んでしまうことがあります。空腹時は胃の酸性度が強くなってしまっているので、より多くの菌を腸まで届けるには食中や食後が良いとされています。

りんごを食べる

リンゴ酸やポリフェノールがにんにくの臭い成分アリシンを分解すると言われています。りんごにはポリフェノールがたくさん含まれており、総称してリンゴポリフェノールと呼ばれています。

またりんごに含まれるペクチンには整腸作用があり、にんにくで悪化した腸内環境を良くしてくれる働きがあります。ポリフェノールやペクチンは皮と果肉の間に豊富に含まれているので、良く洗って皮ごと食べることで効率よく摂取できます。

りんご、牛乳、酢昆布のなかで不快な臭いを和らげるのにどれが一番効果的かを調べる実験がありました。りんごが一番効果があったそうです。果汁100%のジュースでも効果が期待できるので、試してみてください。

緑茶を飲む

りんごと同じように緑茶にも茶カテキンというポリフェノールの仲間が含まれています。緑茶に含まれるカテキンがにんにくの臭い成分と結合して臭いが軽減されます。

濃いお茶ほどカテキンの量が多くなるので濃い目の緑茶を飲むことをおススメします。

茶葉から入れた緑茶のほうが効果がありますが、ペットボトルのお茶でも大丈夫です。また、体内に残るにんにくの臭い成分を薄めるために、水分をたくさん摂ることがよいとされています。

アリシンは水に溶けやすい成分なので水分を摂ることで、汗や尿として身体から排出しやすくなります。そういった意味でも緑茶をたくさん飲むことを心がけましょう。

臭い対策のタイミング

上記のおならの臭い対策はタイミングが重要です。にんにくが体内に吸収されてしまってからでは遅いので、吸収される前に対策を打ちましょう。

胃で食べ物を消化するのにかかる時間は1~4時間。それを過ぎてしまうと腸で吸収が始まってしまいます。食後1時間以内にはヨーグルト、りんご、緑茶などで臭い対策をしましょう。

まとめ:にんにくのおならへの影響と対処法

以上、にんにくのおならへの影響と対処法について解説してきましたが、いかがでしたか?

にんにくは食べるときには美味しいのですが、臭いが残ってしまうのが嫌ですよね。口臭対策だけでなく、お腹への影響やおならの臭いにも気をつけなければいけないことがわかりました。

今回ご紹介したにんにくのおならの臭いの対策法をうまく使って、これからは思う存分美味しいにんにく料理を楽しみましょう。

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