蟹と言えば冬の味覚の代表格ですね。寒い日には熱燗で一杯やりながらの蟹は至福のひととき。中でも蟹味噌はそのまま食べてもよし、身を混ぜるほか食べ終わった甲羅に日本酒を入れてまた一杯なんて楽しみもあります。
みなさんは蟹味噌をどんなふうにして食べていますか。この記事では日本酒に合う蟹味噌を使ったおつまみや簡単時短レシピ、おすすめの日本酒をご紹介します。
蟹味噌の甲羅を使った日本酒料理
蟹味噌は毛ガニやズワイガニなどカニ科の蟹のものを食べるのが一般的です。
タラバガニなどのヤドカリ科の蟹味噌も食べられないことはないのですが、ゆでる時に溶けてゆで汁や脚に流れ込んでしまうためにゆでる前に取り除くことが多くあまり食べることはありません。
蟹味噌を日本酒と楽しむなら、毛ガニやズワイガニがおすすめです。蟹味噌と言えば鉄板の甲羅を使った料理を見ていきましょう。
蟹味噌の甲羅焼きの作り方
日本酒に合うだけでなく、ご飯のおともにもぴったりの蟹の甲羅を使った蟹味噌の甲羅焼きの作り方です。蟹味噌をそのまま食べるより濃厚になって、やめられないうまさになります。
【材料】1人分
・蟹の甲羅:1杯
・蟹味噌:1杯分
・蟹の身:大さじ1~2杯
・みりん:小さじ1/2杯
・酒:小さじ1/2杯
・味噌:小さじ1/3杯
【作り方】
1.蟹の甲羅に蟹味噌、蟹の身、みりん、酒、味噌を入れて混ぜます。
2.アルミホイルを敷いてトースターや魚焼きグリル、炭火焼きで5~10分焼けば出来上がり。
【ポイント】
味噌の代わりに醤油を使ってもおいしいです。蟹味噌の缶詰などを使う時には耐熱容器を使い、蟹の身の缶詰やカニカマを使って作ると近い味わいになりますよ。
フライパンで作る甲羅焼き
フライパンを使っても甲羅焼きが作れます。そのまま甲羅をフライパンの上に置くとこげて穴が開くので、キッチンペーパーやアルミホイルを敷いて焼きます。手順は通常の甲羅焼きと同じです。
ご家族や仲間で食べるならホットプレートもおすすめです。甲羅焼きを作りながら、横で蟹の身を焼くなどみんなでわいわいと蟹を楽しめますよ。
生臭くならない甲羅酒の作り方
蟹の甲羅焼きを食べた後は、残った蟹味噌に日本酒を入れて甲羅酒を楽しみましょう。甲羅酒は作り方によっては生臭くなってがっかりしてしまうこともあるため、生臭くならない甲羅酒のポイントを見ていきましょう。
・日本酒を入れるのは蟹味噌を食べ切ってから
・甲羅は洗わない
・先に甲羅を焼く
・日本酒は熱燗にしてから注ぐ
・沸騰する前に火から下す
蟹の甲羅を直接火であぶると穴が開くことがあるので、アルミホイルなどを敷いて焼くと安心です。
日本酒に合う蟹味噌のアレンジ料理レシピ
蟹にはオスとメスがいますが、蟹味噌はオスにもメスにもあります。メスは卵に栄養を取られて身が細くなるため、一般的に蟹はオスがおいしいと言われます。
日本酒のアテにするなら蟹味噌や卵も食べたいですね。卵を食べるならメスの蟹がおすすめですが、種類によってはなかなか出回らないこともあります。ここからは簡単に作れる蟹味噌のアレンジ料理をご紹介します。
蟹味噌クリームチーズ
チーズも日本酒も発酵食品なので相性は抜群。チーズをつまみに日本酒を飲む人も多いようです。
蟹味噌クリームチーズはいつもの蟹味噌に一手間加えるだけで、蟹の風味が香る濃厚な味わいで日本酒のおともに人気の一品。
作り方は簡単、クリームチーズを電子レンジで10秒ほど温めて柔らかくし、蟹味噌を混ぜるだけ。お好みで塩や醤油で味を調えるとぐっとおいしくなりますよ。
【簡単おつまみ】かまぼこの蟹味噌焼き
かまぼこと蟹味噌の相性はばっちりですね、日本酒をちびちびやりながら食べたいおつまみです。使うかまぼこは板についた高級なものでもいいですし、ちくわやカニカマもおいしいです。
かまぼこに蟹味噌をまぶしてそのまま食べてもいいのですが、炭火や魚焼きグリル、トースターなどで軽く焦げ目がつくくらいに焼くと香ばしい濃厚な味わいになります。
【シメに!】蟹味噌雑炊
蟹鍋の最後には蟹味噌を少し残しておいて蟹味噌雑炊がおすすめです。コクのあるうまみの凝縮した贅沢な雑炊です。
【材料】2人分
・鍋の残り汁(だし汁でもOK):適量
・ごはん:茶碗1杯
・蟹味噌:少々
・塩or醤油:お好みで
・玉子:1個
・きざみネギ:ひとつまみ
【作り方】
1.鍋の残り汁を加熱し、塩や醤油で味をととのえて蟹味噌を入れます。
2.ご飯を入れて軽く混ぜ、弱火にしてフタをします。
3.蒸気がでたら溶き卵を回し入れて火を止め、フタをして1分待ちます。
4.きざみネギをちらして完成です。
【ポイント】
雑炊だけ食べたいときは、顆粒のだしを使って作ると簡単にできます。味付けは塩、醤油のほか味噌もgood。お好みでいろいろアレンジしてくださいね。
蟹味噌の缶詰で作る日本酒向き時短レシピ
蟹味噌の缶詰は保存がきいて、いつでもおいしく食べられるのが魅力です。蟹味噌の缶詰には蟹味噌だけが入ったもののほか、蟹の身が入ったものもあります。
蟹の身の入ったものは万人向けでお子様にもそのまま楽しめますが、お酒のアテやアレンジして使いたいときには蟹味噌だけの入ったものがおすすめです。好みに合わせて選んでくださいね。
ここからは蟹味噌の缶詰を使った日本酒に合う簡単レシピをご紹介します。
【一口サイズで食べやすい】蟹味噌軍艦巻き
蟹味噌の缶詰を使えば、手間もかからず食べやすい蟹味噌の軍艦巻きが手軽に作れます。おうちで日本酒のお供にするのはもちろん、突然の来客などにもおすすめです。
【材料】2人分
・蟹味噌:お好みで
・ごはん:1膳分
・すし酢(かんたん酢でもOK):小さじ2杯
・のり:1~1枚半
・きゅうり:1/2本
【作り方】
1.のりは細長く切り分けておき、きゅうりを斜め切りにしておきます。
2.温かいごはんとすし酢をよく混ぜて酢飯を作り、粗熱を取ります。
3.酢飯を食べやすい大きさに丸めてのりを巻きます。
4.上にきゅうりを乗せ、お好みの量の蟹味噌を盛り付ければ完成です。
きゅうりの代わりに大葉でもOK。蟹の身の缶詰や、カニカマを乗せると豪華な見た目になりますよ。すし酢が無いときには、普通の酢小さじ1、砂糖小さじ1、塩少々を混ぜたものを使いましょう。
蟹味噌のディップソース
ディップソースというと洋風なイメージがありますが、蟹味噌を使うと和風の味わいになります。おうちにある材料で簡単にできますよ。
作り方は簡単、蟹味噌とマヨネーズを1:2の割合で混ぜるだけです。お好みで七味やきざみネギを散らしてもgood。
キュウリやニンジンなどにつけて食べると野菜もおいしく食べられて、日本酒がぐいぐい進む一品です。クラッカーやパンにも合いますよ。
蟹味噌に合うおすすめの日本酒は?
蟹味噌を食べるときには、お酒好きの人はぜひ日本酒と合わせて楽しみたいところですね。ビールや焼酎もいいですが、蟹味噌と日本酒は永遠の最強コンビ。
蟹味噌にあうのはどんな日本酒でしょうか。ここからはネットで蟹味噌と合わせるとおいしいと評判の日本酒を3種ご紹介します。
【蟹味噌といえば!】福千歳 蟹至福
「福千歳 蟹至福」を作っているのは福井県にある「田島酒造」で、1840年代に創業した蔵元です。伝統の酒造り「山廃(やまはい)仕込」にこだわり、時間をかけて丁寧に日本酒を作っています。
蟹至福は福井県の特産物である蟹に合うお酒として商品化された日本酒で、すっきりとした味わいは蟹の身にも蟹味噌にもぴったり。
・内容量:720ml
・アルコール度数:14度
・原材料:米・米麹・醸造アルコール
・酸度:1.7
・味わい:甘口
価格は1本1,210円で販売されています。
【安定のうまさ】旭酒造 獺祭 純米大吟醸 45
「旭酒造」は山口県で1948年(昭和23年)に創業した酒造会社です。「獺祭(だっさい)」の名前は、会社の所在地の地名「獺越(おそごえ)」から一字を取って付けられました。
「獺祭 純米大吟醸 45」は最高の酒米といわれる山田錦を45%まで磨いて醸した純米大吟醸で、味わいは中辛口でフルーティ。
蟹味噌のコクのある濃厚な味と喧嘩せず、さらにうまみを深めてくれます。冷でもおいしく、燗でもまた蟹味噌と相性のいいお酒です。
・内容量:1800ml
・アルコール度数: 16%
・原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)
・味わい:中辛口、フルーティ
価格は1本3,300円で販売されています。
醸し人九平次 純米大吟醸 雄町
「醸し人九平次」は「萬乗醸造」の作る日本酒のブランド。萬乗醸造は愛知県で1647年(正保4年)に創業した日本酒やワインを製造する蔵元です。
醸し人九平次は原材料の米に山田錦や雄町、マノビ(フランス産米)などが使われており、それぞれに味わいが異なっています。
なかでも蟹味噌におすすめなのは「雄町(おまち)」で、男性的なイメージのしっかりとした味わいの日本酒です。
・内容量:1800ml
・アルコール度数:16~17度
・原材料:米(雄町100%)、米麹
・味わい:甘口、フルーティ
価格は1本4,003~5,000円で販売されています。
蟹味噌には日本酒ぴったりのペア
蟹味噌は蟹の身とは違う、濃厚でちょっと苦みのある大人の味です。いろいろなお酒がある中でやはり日本酒は蟹味噌とぴったり。
甲羅焼きやディップ、軍艦巻きなど蟹味噌にはさまざまな日本酒に合う食べ方があります。一人でちびちびやるもよし、ご家族やご友人と蟹を囲んでにぎやかにやるもよし、それぞれに合ったやりかたで蟹味噌を楽しんでくださいね。