そんな疑問にお答えします。
筆者は北海道在住のため、よくお土産に有名店のレーズンバターサンドを買います。間に挟まっているレーズンバターがおいしくて大好きな人も多いのではないでしょうか。
スイーツのお店のフルーツケーキの中や、お土産にいただいたバターサンドに挟まっている甘いフルーツが実はドライフルーツのラム酒漬けなんです。
この記事を読めばドライフルーツのラム酒漬けの魅力や、自分で作る方法、アレンジレシピなどがわかります。
目次
ドライフルーツのラム酒漬けってどんな食べ物?
最近ドライフルーツのラム酒漬けが静かなブームになっているそうです。ドライフルーツはダイエットや健康にいいから、おやつなどで食べる人も多いでしょう。ドライフルーツはそのまま食べるほかにもいろいろな食べ方があります。
ラム酒に漬けたドライフルーツって、どんな食べ物なのでしょうか。ドライフルーツのラム酒漬けについて詳しく見ていきましょう。
ドライフルーツのラム酒漬けって何?
ドライフルーツのラム酒漬けは、古くからヨーロッパで食べられていた昔ながらの保存食。秋に森や畑で収穫したフルーツをドライフルーツにしてラム酒に漬け、クリスマスシーズンにパンやケーキの材料として使っていたそうです。
ヨーロッパの各国で作られるお菓子の種類が違っているので、それぞれの国の味を食べ比べてみるのも楽しいかもしれません。
ドイツの菓子パン「シュトーレン」や、フランスアルザス地方のお菓子「ベラヴェッカ」イタリアの「パネトーネ」など様々な伝統のお菓子があります。
どんな味なの?
ドライフルーツのラム酒漬けは、生のフルーツではなく一度乾燥させたドライフルーツを使っているため、味と風味が濃厚なのが特徴です。
作って1週間くらいから食べられますが、時間がたつにつれて味わいが変わっていくのも楽しみの一つです。ラム酒をじっくりと吸い込んでふんわりと膨らんだフルーツは、時間がたつほどにまろやかに味わい深くなっていきます。
口に入れた瞬間にラム酒の良い香りが鼻に抜けて、ぎゅっと噛むと中から甘い果実の味が口の中にひろがりますよ。残念ながらお酒の苦手な人や小さなお子さんには向かないお菓子ですが、お酒好きの大人にはたまらない味です。
どうやって使うの?
ドライフルーツのラム酒漬けは、お酒のおつまみやティータイムのお供にそのまま食べることもできます。またソフトクリームの上にトッピングしたり、パンにバターをたっぷり塗った上に乗せてトーストして食べてもおいしいです。
ちょっとひと手間加えて、バターに練り込んだり溶かしたチョコレートに混ぜるのもおすすめ。ドライフルーツのラム酒漬けをケーキやパンの生地に練り込んで焼けばお客様にも出せるワンランク上のお菓子になりますよ。
どれくらい日持ちするの?保存方法は?
ドライフルーツのラム酒漬けは、下処理と保存方法をきちんとすれば何年でも持ちます。5年や10年経ったものも普通に使われているそうです。
・ドライフルーツは漬ける前にオイルや砂糖をきちんと取り除いてよく乾燥させる。
・容器は密閉できるものを使い、きちんと煮沸消毒する。
・作った後は定期的にラム酒をつぎ足す。
保存は直射日光の当たらない涼しい場所に置いてください。冷蔵庫でなくても大丈夫なようですが、ヨーロッパに比べて日本は高温多湿ですので保管場所には注意が必要です。
ドライフルーツのラム酒漬けを作ってみよう
保存食として何年も日持ちするドライフルーツのラム酒漬けは、家庭でも簡単に作ることができます。ドライフルーツをそのまま食べるのに飽きてしまったら、ラム酒漬けにしてしまいましょう。
ここからは基本の作り方や時短のテクニック、ラム酒以外の洋酒を使う方法について詳しく解説します。
基本の作り方
ドライフルーツのラム酒漬けの基本の作り方を見ていきましょう。ポイントさえ押さえれば思ったよりも簡単ですよ。
【材料】
・ドライフルーツ:適量
・ラム酒:密閉容器に入る量
・密閉容器:1つ
・熱湯:鍋2つ分(下処理用)
【作り方】
1.大きいドライフルーツは食べやすい大きさに切り分けます。
2.鍋にお湯を沸かし密閉容器を入れて煮沸消毒し、よく乾かします。
3.もう一つの鍋に沸かした熱湯の中にドライフルーツを入れ、30秒くらい煮ます。
4.ドライフルーツをざるにあけ、キッチンペーパーなどでしっかりと拭きます。
5.密閉容器の中にドライフルーツを7分目くらい入れます。
6.ドライフルーツがひたひたになるくらいラム酒を注いでふたをします。
7.ドライフルーツがラム酒を吸って膨らむので、ひたひたになるように時々様子を見てラム酒をつぎ足します。
8.1週間~10日目くらいから食べられるようになります。
【ポイント】
ドライフルーツのカビを防ぐために、長期保存の予定がある場合はしっかりドライフルーツを乾燥させましょう。沸騰させたあとで、ざるの上に広げて1日置くか、から煎りをすると安心です。
ラム酒の代わりにブランデーを使ってもおいしいですよ。お菓子に使うならブランデーは甘口のものを選ぶのがおすすめです。
一夜漬けの作り方
10日も待てない人は、時短で作れるドライフルーツのラム酒漬けの作り方をご紹介します。しっかりと漬けた深い味にはなりませんが、明日料理に使いたいなど急いでいる人にはおすすめの方法です。
【材料】
・ドライフルーツ:適量
・ラム酒:ドライフルーツが浸るくらい
・ラム酒(仕上げ用):大さじ1杯
・お湯:鍋1杯(下準備用)
【作り方】
1.大きいドライフルーツは切り分けます。
2.鍋にお湯を沸かし、ドライフルーツを入れて30秒くらい煮てざるにあけます。
3.鍋にドライフルーツを入れ、ラム酒をドライフルーツがひたひたになるくらい入れます。
4.弱火でコトコト5分ほど煮ます。
5.火を止めて仕上げ用のラム酒を回しかけて混ぜ、一晩置いて完成です。
【ポイント】
甘い味が好きな人はお砂糖を入れてもおいしいです。ドライフルーツがラム酒を吸わないことがあるので、きちんと最初に熱湯で下処理をしましょう。
ウイスキーを使った作り方
以前SNSでイチゴのウイスキー漬けが話題になったことがありましたね。ウイスキーでもドライフルーツを漬けることができます。ウイスキーには甘みが無いので、砂糖を使うのがポイントです。
【材料】
・ドライフルーツ:適量
・ウイスキー:ドライフルーツが浸かるくらい
・砂糖:ウイスキーの1/4量
・密閉容器:1つ
・熱湯:鍋2つ分(下処理用)
【作り方】
1.大きいドライフルーツは切り分けます。
2.鍋にお湯を沸かし、密閉容器を煮沸消毒します。
3.別の鍋にお湯を沸かし、ドライフルーツを入れて30秒煮て、ざるにあけます。
4.キッチンペーパーなどでしっかりドライフルーツの水分を吸い取ります。
5.密閉容器にドライフルーツを入れ、砂糖とウイスキーを入れます。
6.10日ほど漬けたら食べられるようになります。
【ポイント】
フルーツ風味のウイスキーを飲むことが目的の場合は、入れるウイスキーの量を多く、ドライフルーツは少なめにします。ドライフルーツを食べることがメインの場合は、ドライフルーツがひたひたになるくらいの量のウイスキーを入れてください。
砂糖の量はお好みで増やしたり減らしたりして大丈夫です。そのほかの管理の仕方は「基本の作り方」と同じようにしてくださいね。
ドライフルーツのラム酒漬けのアレンジレシピ
ドライフルーツのラム酒漬けを作ったら、ひと手間加えてあげるとまた違った楽しみ方ができます。作った後も日持ちするものが多いので、たくさん作って少しずつ味わうのもいいですね。
ではドライフルーツのラム酒漬けのアレンジレシピを見ていきましょう。
フルーツケーキ
ヨーロッパでは秋からクリスマスのお菓子の準備を始めると言います。ドライフルーツのラム酒漬けを入れたフルーツケーキは作ってから1カ月が食べごろなのだそうです。長く日持ちのするフルーツケーキの作り方を見ていきましょう。
【材料】(1本分)
・薄力粉:120g
・卵:2個
・砂糖:70g
・バター:100g
・ベーキングパウダー:小さじ1杯
・ドライフルーツのラム酒漬け:150g
・ラム酒:大さじ2杯
【作り方】
1.バターと卵を常温に戻し、ドライフルーツのラム酒漬けの水分を切っておきます。
2.薄力粉とベーキングパウダーを混ぜてふるっておきます。
3.型にバターを塗るか、クッキングシートを敷き、170度にオーブンを温めておきます。
4.ボールにバターと砂糖を入れ、泡立て器でクリーム状になるまで混ぜます。
5.4.に溶き卵を数回に分けて混ぜ、ヘラに持ち替えて小麦粉とベーキングパウダーを入れ、さっくりと混ぜます。
6.ドライフルーツのラム酒漬けを入れて混ぜます。
7.ケーキ型に生地を端を高めに中央が低めになるように入れます。
8.型を数センチの高さからトンとテーブルの上に落として空気を抜きます。
9.170度のオーブンで50分焼きます。
10.ケーキを型から外し、全面にラム酒をハケで塗り、ラップなどで包んで寝かせて完成です。
【ポイント】
作ってすぐ食べてもおいしいですが、数日~1カ月置くと熟成されて味がまろやかにさらに深い味わいになります。ラム酒の代わりにブランデーなどの洋酒を塗っても大丈夫です。
フルーツバター
フルーツバターは「レーズンバター」が有名ですが、レーズン以外のドライフルーツでもおいしいフルーツバターが作れます。そのまま食べてお酒のおつまみにもなりますし、パンに塗ってもおいしいです。
【材料】
・バター:1箱(200g)
・ドライフルーツのラム酒漬け:60g
【作り方】
1.バターをあらかじめ常温に戻すか、耐熱容器に入れて10~30秒レンジでチンします。
2.バターにドライフルーツのラム酒漬けを入れてよく混ぜます。
3.ラップやクッキングペーパーで包んで円筒形に形を整えて冷蔵庫に入れて冷やし固めれば出来上がりです。
【ポイント】
バターは有塩でも無塩でもどちらでもお好みでオーケーです。レンジでチンするときには溶けすぎないように、10秒ずつ様子を見てください。
冷蔵庫で2週間くらい日持ちします。冷凍も出来ますので、小分けにたくさん作って使う分だけ冷蔵庫に入れてもいいですね。
フルーツバターサンド
フルーツバターを使えば、有名メーカーのお土産などでおなじみのレーズンバターサンドに似たおやつが自宅で作れます。
【材料】
・市販のクッキーやクラッカー:適量
・フルーツバター:適量
【作り方】
1.フルーツバターを1cm幅に切り分けます。
2.クッキーやクラッカーでフルーツバターをサンドすれば完成です。
【ポイント】
作ってすぐ食べてもおいしいですが、ラップなどで包んで一晩おけばクッキーやクラッカーがしっとりしてまた違うおいしさがあります。クッキーやクラッカーはバターが少なめのものが合いますよ。
フルーツチョコレート
ドライフルーツのラム酒漬けはチョコレートとの相性が最高です。バレンタインの手作りチョコレートにもいいですね。
【材料】
・製菓用のチョコレート:80g
・ドライフルーツのラム酒漬け:40g
・お湯(湯せん用):鍋1杯分
・直径2~3cmのアルミカップまたは紙のカップ:適量
【作り方】
1.鍋にお湯を60度くらいに沸かします。
2.湯せん用のボウルにチョコレートを入れて鍋に浮かべ、チョコレートを溶かします。
3.2.にドライフルーツのラム酒漬けを入れて混ぜ、スプーンなどでカップに移します。
4.冷蔵庫などで冷やせば出来上がりです。
【ポイント】
冷えて固まる前にアラザンやペンチョコ、ミニチョコなどでデコレーションすると、プレゼントにもできるかわいい見た目になりますよ。ラム酒が入っているので、小さなお子さんやお酒の苦手な人には注意が必要です。
市販のドライフルーツのラム酒漬けおすすめ3種
自分でも手軽に作れるドライフルーツのラム酒漬けですが、少量だけほしいとか、やはりプロの作ったものが安心という人もいるでしょう。
自分で作る前にどんな味の食べ物か試食してみたい場合には、まず市販の商品を試してみるのも1つの手です。
うめはら【ドライフルーツ ラム酒漬け】
株式会社うめはらは1955年創業の果実の砂糖漬けメーカーです。製菓に使うフルーツの砂糖漬けのほか、洋酒漬けやジャムなども取り扱っています。
工場は東京と長野県にあり、国内で作られているので安心感がありますね。ドライフルーツのラム酒漬けの数量は100gや300g、1kg入りが販売されています。
アサンテサーナ【ラム酒漬けドライフルーツナッツ】
アサンテサーナは「第3世界ショップ」のオンラインショップ。第3世界ショップは1986年に立ち上げられたフェアトレードを事業とする団体です。
アサンテサーナでは主にオーガニックのコーヒーや紅茶、ドライフルーツやお菓子のほかフェアトレードの雑貨類を販売しています。ラム酒漬けドライフルーツナッツも、オーガニックの有機栽培の商品です。
cotta【ミックスフルーツシュトーレン】
株式会社cottaは、1998年創業のパンやお菓子の材料を販売する会社です。パンやお菓子のラッピングアイテムや小麦粉やドライフルーツなどの製菓材料、ケーキ型や泡だて器などの製菓道具を扱っています。
ドライフルーツのラム酒漬けは、ラムレーズンのほかシュトーレン用のミックスフルーツのラム酒漬けなど様々な種類の商品があります。
まとめ~様々な使い道があるドライフルーツのラム酒漬け
密かなブームになっているドライフルーツのラム酒漬けは、案外簡単に自分で作れることがわかりました。一度ラム酒漬けを作ってしまえばアレンジも思いのまま。さまざまなお菓子に応用できるおいしいスィーツです。
強いお酒を使うので、小さなお子さんやお酒の苦手な人には合いませんが、お酒の好きな人にはたまらないおいしさがありますね。
もらい物のラム酒や食べ残したドライフルーツがおうちにあったら、大人の密かな楽しみ、ドライフルーツのラム酒漬けをぜひ一度作ってみてください。