食卓に欠かせないバター。家庭で使うバターを、どうやって選んでいますか?なんとなく、値段で判断していませんか?
バターには、1箱400円程度の一般的なバターや2,000円を超えるような高級バターまで、値段に違いがあります。
では、値段が高いバターと一般的なバターでは、何が違うのでしょう。今回は、値段でわかるバターの違いや、おすすめの美味しいバターをご紹介します。
バターは値段によって何が違うの?
一般的なバターと高級バターと言われる値段が高いバターには、大きく考えてふたつの違いがあります。
ひとつは、牛の生育方法やバターの製造方法。高級バターは、牛の飼育される地域や環境、バターの製造方法にまで厳しい決まりがあることが多く、手間も時間もかかります。
手間暇かけて作るからこそ、値段は高くなりますが、その分味わい深い美味しいバターになっています。
もうひとつは、輸入バターであること。バターの輸入は、日本政府が監督しています。これは、酪農家の保護を目的としているから。そのため、輸入バターには手数料などがかかり、結果として値段が高くなるのです。
発酵バター=高級バターではない!
発酵バターはその工程で乳酸を加え発酵させるため、一般的なバターよりほんの少し、値段は上がります。といっても値段の違いは100gあたり数十円ほど。
発酵バターだから特別値段が高いわけではないんです。ではなぜ、発酵バターは高級というイメージがあるのでしょうか。
その理由は、高級バターを多く産出しているヨーロッパでは、発酵バターが一般的だから。高級バター=発酵バターではなく、値段が高く高級バターとして知られるものの中に、発酵バターが多いのです。
有塩バターと無塩バターの値段を比較
バターには、塩を加えて作る有塩バターと、塩を加えない無塩バターがあります。有塩バターと無塩バター、値段に違いはあるのでしょうか。
有塩バター…230円/g
無塩バター…243円/g
無塩バターの値段が若干高いですね。これは、無塩バターの方が日持ちしないからと言われています。しかし、メーカーによっては、値段はほとんど同じという場合もあります。
有塩バターと無塩バターの値段の違いは、ほとんどないと言えるでしょう。
バターの値段は昔より高い?平均相場の推移
昨今、バターをはじめとした乳製品の値上げが話題になっています。バターは昔に比べて本当に値段が高くなっているのでしょうか。
バター1箱あたりの値段を平均し、その推移を見てみましょう。
2018年が最も値段が高く、1箱あたり467円です。2018年以降は、値段が少しずつ落ち着いているのがわかりますね。
バターは、自然からの贈り物。安定した供給には安定した環境が必要です。また、需要の変動も、バターの値段に大きくかかわっています。
値段は高いけど食べたくなる!高級バターはコレ!
バターの味は値段だけでは判断できないとはいえ、やっぱり食べてみたい高級バター。値段が高いだけじゃない、確かな品質のバターをピックアップしました。
世界中のグルメが愛用!エシレバター
エシレバターとは、フランスのエシレ村で生産される発酵バターのこと。乳酸発酵させるため軽い酸味があり、香りがよいのが特徴です。
エシレバターが作られるミルクは、工房から50km圏内の牧場で育てられた乳牛から搾ったもののみ。乳牛たちはエシレ村の美味しい牧草を食べ、のびのび育ちます。
乳牛の育成からバターの製造まで、伝統的な製法を用い作られたエシレバターは、なめらかでクリーミー。その品質のよさは、世界中のグルメにも広く認められています。
エシレバターを使うだけで、料理の味をワンランク上げられるのではないでしょうか。
ナッツの風味がたまらない!モンテギュー発酵バター
モンテギューの発酵バターは、原材料や製造方法など、厳しい基準をクリアしたバターにのみ与えられるAOP認証のバター。
フランスでは業務用として高く評価されているバターで、フランスの全国農業コンクールで金メダルも受賞しているんですよ。
そんなモンテギュー発酵バターは、ヘーゼルナッツのようなどこか香ばしい風味が特徴。さらに、伸ばしやすく融点も高いため、製菓や製パンに重宝されています。
地球屋 極上グラスフェッドバター 120g
地球屋バターファクトリーは、バター職人・高橋一夫さんと、地球屋パン工房がタッグを組んだ美味しいバターやチーズを販売しています。
グラスフェッドバターは、牧草だけを食べて育った牛から搾ったミルクで作ったバターのこと。
中でも、国産のグラスフェッドバターはとても貴重です。クセがなくあっさりしつつも、バターの芳醇な香りや風味を感じる、優しい味わい。地球屋ならではのフレッシュなバターを体感してください。
川島旅館とよとみフレーバーバター
川島旅館のとよとみフレーバーバターは、バターをひとつの料理としても楽しめるのが特徴。
北海道天塩郡豊富町の牧場で育った牛から搾ったミルク。年間平均約4.0%と高い乳脂肪分ながらスッキリした味わいなのは、のびのびした生育環境によるものでしょう。
フレーバーバターは全部で14種類。山わさびやウニ、鮭ぶしは、ご飯によく合う味わい。いちご・はちみつは、パンやスイーツとしても楽しめます。こだわりのミルクで作られるからこその味わいをお楽しみください。
小岩井 純良バター 160g
小岩井乳業は、スーパーなどでも目にすることが多いメーカーですが、国産バターの老舗とも言える長い歴史を持っています。
長い歴史の中で、変えることなく持ち続けてきた発酵バターへのこだわりが、小岩井乳業の美味しいバターの秘密。
高級バターの味わいを持っているのに、値段はリーズナブル。発酵バター特有の深いコクと軽い酸味、芳醇な香りを楽しめます。
手頃な値段だけど美味しい!おすすめバター
高級バターもいいけれど、普段使いするならば、手頃な値段で買えるバターも気になるところですよね。手軽に買える、美味しいバターをご紹介します。
よつ葉乳業 無塩バター
よつば乳業のバターは、北海道産の生乳100%から作られるバターです。ふんわりと甘いミルクの風味が特徴で、パンやお菓子作りに向いています。
業務用としても重宝されていて、パン屋さんなどでは『よつ葉バター使用』と明記してあることも。それほど、信頼されているバターなのですね。
業務用サイズは450gと多いですが、正しく冷凍保存しておけば風味を保てます。よくお菓子作りをするという方におすすめです。
北海道乳業 北海道バター
100%北海道産の生乳を原料に作られた北海道バター。クリーミーでミルク感のあるバターは、有塩タイプながらお菓子作りに使用している方も。
北海道バターの程よい塩味は、幅広く重宝されるのですね。バタートーストにすれば、柔らかく優しい甘味と塩味でトーストの味わいが広がりますし、あんこなど、和の甘味と合わせるのもおすすめです。
森永乳業 発酵バター
森永乳業の食塩不使用発酵バターは、バターをたっぷり使いたい時におすすめです。業務用でも使える450gで、冷凍で届くため保存も簡単。
食塩不使用なので、お菓子作りからお料理まで、幅広く活躍できるのもうれしいポイントです。
コクが深い発酵バターならではの風味で、料理の味をワンランクアップさせられるだけでなく値段もお手頃。家庭用としても業務用としてもおすすめです。
バターの味は値段だけじゃない!自分に合ったバターを探して
バターを選ぶとき、値段はひとつの目安にはなりますが、味は値段だけでは判断できません。
有塩バター・無塩バター、発酵・非発酵、グラスフェッドバターなどから、用途に合わせて好みのバターを探してみて。
きっと、値段だけではわからない、美味しいバターに出会えるでしょう。