そんな疑問にお応えします。
ケーキやホットケーキ、マフィンなどの生地をふんわりと膨らませる膨張剤として使うベーキングパウダー。
お菓子を作る際には、必要不可欠な製菓食材ですが、「ベーキングパウダーは体に悪い・危険性がある」という言葉を聞いた事がある人もいるのでないでしょうか。
今回は、ベーキングパウダーが体に悪いと言われる理由や危険性、健康に害のない1日の摂取量などご紹介していきましょう!
目次
ベーキングパウダーが体に悪いと言われる理由とは?
まずは、ベーキングパウダーがなぜ体に悪いと言われるのかについて解説していきます。ベーキングパウダーは、重曹をベースに色んな添加物が混ぜられている複合型の調味料です。
その中でも気になる重曹・硫酸アルミニウム・第一リン酸カルシウム・コンスターチにスポットを当ててみましょう。
「重曹」が体に悪い?
ベーキングパウダーの成分の1つである「重曹=炭酸水素ナトリウム」は、胃の弱い方には体に悪い影響を及ぼす危険性があります。何故なら、重曹には胃の粘膜を刺激し、胃粘液の分泌を強制的に促す性質があります。
胃の不調がある方や胃炎・胃潰瘍の疑いがある場合はなるべく控えた方がいいでしょう。また、重曹は塩分と同じく、摂取したことで血液を上昇させてしまう働きやむくみが生じる事があります。
血液疾患のある方も体に悪い影響が出る可能性があるので、大量摂取は控えた方がいいですね。
「硫酸アルミニウム」が体に悪い?
成分表記に「ミョウバン」と記される事が多い「硫酸アルミニウム」は、ベーキングパウダーの成分の中で、もっとも危険成分として取り上げられている物質です。アルミニウムを数十グラム大量摂取すると、下痢・嘔吐・消化器の炎症を起こします。
さらに、アルツハイマーや精神・神経疾患を引き起こす危険性があると言われていましたが、現在では関連性はない事が確認されています。
ただ、アルミニウムがどの程度体に悪いのか、という点は明らかにされておらず、研究を発表している機関によっても見解が異なるため、規定量を超えて摂取することは控えた方がいいでしょう。
「第一リン酸カルシウム」が体に悪い?
生き物の骨や歯を作り上げている主成分のカルシウムである「第一リン酸カルシウム」は、一見健康に害がない物質に感じる人も多いでしょう。
しかし、大量摂取すると、人の関節へ沈着してしまう事で、偽痛風の要因になると言われている物質です。ベーキングパウダーに配合されている分量程度では、体に悪い、とまでは言い切れないものの、気に留めておくことは重要ですね。
「コンスターチ」が体に悪い?
揚げ物の衣などに使われ、とうもろこしを原料とする「コーンスターチ」は、100%に近い割合で遺伝子組み替えのとうもろこしが使われている場合が問題視されています。
さらに、稀にいる「とうもろこしアレルギー」がある方にとっては、コンスターチを使っているベーキングパウダーは危険性がある可能性も考えられます。
ただ、最近では、ベーキングパウダーの成分表示に「※遺伝子組み換えでないトウモロコシを使用しています。」と記載されていたり、コーンスターチを使っていないものがあったりするので、購入する際は成分表示をしっかり見るようにしましょう。
健康に害がないベーキングパウダーの1日の摂取量は?
大量摂取や規定量を超えた摂取は、人によっては体に悪い影響があるとされるベーキングパウダー。
では、健康に害のないベーキングパウダーの1日の摂取量とは、どのぐらいなのでしょうか?詳しく確認していきましょう。
過剰に摂取しなければ問題なし
実際のところ、ベーキングパウダーは過剰に摂取しなければ体に悪い影響はありません。どんな調味料でも、大量摂取すると危険があるように、ベーキングパウダーも同じです。
確かにベーキングパウダーの成分には、体に悪いといわれる物質が使われていますが、ベーキングパウダーはそれほど大量に使うことはなく、小麦粉100gに対してせいぜい4~5gです。
その程度の量であれば、体に悪い量とは言えないので、問題なく活用できます。「硫酸アルミニウム」についても、WHOの規定で1日の摂取量が体重1kgにつき1mgが望ましいとされています。
アルミニウムは、ベーキングパウダーだけでなく、野菜などの食品の中や飲料水にも多く含まれており、気づかない間に摂取している成分です。
アルミニウムを摂取したとしても、成人男女であれば体内に入っても、ほとんど大概に排出されるため、健康には害がでないとされています。
乳幼児の摂取は体に悪い?
成人男女であれば過剰に摂取しなければ体に悪い訳ではないベーキングパウダーですが、乳幼児の摂取には注意が必要です。
厚生労働省が1歳~6歳のアルミニウムの摂取状況を確認したところ、約5%の子供がパンや菓子類が過食傾向であり、安全な摂取量の規定値を超えている事が確認されています。
小さい頃は、ご飯よりパンの方が食べやすく、ついつい朝ごはんやおやつの時間に食べてしまうこともあるでしょう。子供が好んで食べる菓子パンやホットケーキミックス粉にも、アルミニウムが数グラム含まれています。
食べない方がいいとは言いませんが、大人よりも体の小さい乳幼児にベーキングパウダーを使う場合は、他の食品との兼ね合いも考えて、使う頻度に十分気をつけましょう。
アルミニウムを含んでいないベーキングパウダーを使うのもおすすめです。人気のあるアイコクの赤プレミアムであれば、アルミニウム不使用で、コンスターチも含まれていないので、安心して活用できますよ。
ベーキングパウダーと似た食品「ドライイースト」は体に悪い?
ベーキングパウダーとよく似ている製菓食材として、ドライイーストも「体に悪い」と言われる事がありますが、ドライイーストも、体に害のある物質ではありません。
ドライイーストが作られている酵母菌(イースト菌)が、化学的に作られた添加物だと誤解されている事が多いようです。実際は、パン作りに適している微生物を培養しているものなので、体に悪い影響はありません。
パンを作る過程で使われる「イーストフード」は、イースト菌の発酵を早めたり活性化させる食品添加物で、ドライイーストと名前が似ているので間違われる事が多いです。二つの違いを覚えておきましょう。
ちなみに、ベーキングパウダーとドライイーストの違いはご存知ですか?使い方は似ていますが性質が異なりますので、代用する際には注意が必要です。本記事と併せて参考にしてみてくださいね。
まとめ:ベーキングパウダーは適量であれば体に害はない!
ベーキングパウダーは、体に害があると言われている成分が含まれていますが、過剰摂取しない限り問題なく使えます。
乳幼児にベーキングパウダーを使う場合は注意が必要ですが、アルミフリーのベーキングパウダーも市販に売っているので、上手に活用しましょう。