ベーキングパウダーがない時に重曹を代わりに使える、という話を聞いたことはありませんか?
筆者も実際にお菓子作りの際にベーキングパウダーの代わりに重曹を使ったことがありますが、その時は違いを知らずに使ってしまい膨らみも足りず苦味が出てしまうという大失敗をしてしまった経験があります。
重曹は「ベーキングソーダ」とも呼ばれるためベーキングパウダーと似ているような気がしますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
そこでこの記事では、ベーキングパウダーと重曹の違いやそれぞれの用途、重曹のおすすめの使い方についてご紹介していきます。
目次
ベーキングパウダーと重曹の違いと代用方法は?
それでは具体的にベーキングパウダーと重曹の違いをご紹介していきましょう。
ベーキングパウダーと重曹の「成分」の違い
■ベーキングパウダーの成分
ベーキングパウダーは炭酸水素ナトリウム、酸性剤、遮断剤の三つを混ぜ合わせて作られており、炭酸水素ナトリウムとは実は重曹のことです。つまり重曹はそもそもベーキングパウダーの一部なんですね。
■重曹の成分
重曹はご紹介した通り炭酸水素ナトリウムのことで、ベーキングソーダや重炭酸ソーダとも呼ばれています。ただし重曹には料理に使える「食用」、掃除に使える「掃除用」、医薬品や歯磨き粉として使える「医療用」の三種類があるため、重曹を使う際は間違えないように注意が必要です。
食用の重曹は製造過程での衛生面や安全基準もきちんと定められており不純物も少なく作られています。
一方で掃除用の重曹は不純物が多く、その分安価ではありますが添加物も多く含まれている場合もあるので食べるには安全性が低くおすすめできません。医療用の重曹は食用よりも更に品質が高く、純度100%のものになります。
ベーキングパウダーと重曹の「性質」の違い
■ベーキングパウダーの性質
ベーキングパウダーは水分で膨張し、膨らみ方は『縦』に膨らみます。水や牛乳といったどんな液体でも膨らみ、アルカリ性と酸性の反応を抑えるためにコーンスターチが入っていて調節されています。
■重曹の性質
重曹は加熱することで膨張し、『横』に膨らみます。そしてアルカリ性のため酸性の液体(レモン、ヨーグルト、蜂蜜、ブラウンシュガーなど)と混ざることで炭酸ガスを発生させて生地を膨らませることもできます。つまり酸性ではない水や牛乳などの液体を加えても膨らみません。
また重曹を使うと生地に黄色味や苦味が出たり、掃除で使う際には硫黄に似た臭いがするといった性質があります。
ベーキングパウダーと重曹の「使用用途」の違い
大まかに分けてベーキングパウダーは料理に、重曹は料理だけではなく掃除にも使うことができます。
ご紹介した通りベーキングパウダーに重曹が含まれているので、料理で使う場合にはベーキングパウダーを使えば問題ありませんが、レモン果汁やヨーグルトのような酸性の液体をたくさん使うレシピの場合は、重曹を使った方が酸味が抑えられて美味しく仕上がります。
ベーキングパウダーと重曹それぞれを代わりに使う場合の分量
■ベーキングパウダーがない時に重曹を使う場合
ベーキングパウダー小さじ1杯=重曹小さじ1/4+お酢またはレモン汁小さじ1/2
■重曹がない時にベーキングパウダーを使う場合
重曹小さじ1杯= ベーキングパウダー小さじ3杯(重曹の3倍の量になります)
ちなみにベーキングパウダーには塩も含まれているため、重曹の代わりとして使う場合にはレシピの塩を少なめにすることをおすすめします。
ベーキングパウダーと違い幅広く使える重曹の使用方法
料理にも掃除にも使える重曹ですが、ベーキングパウダーとは違った料理でのおすすめの使い方や効果的な掃除での利用方法をご紹介していきます。
重曹を料理で使うおすすめの使用方法
食用の重曹はベーキングパウダー同様に料理に使うことができますが、重曹だからこそできることがあるんです。
わらびやふき、ぜんまいなどの山菜のアク抜きには重曹が活躍します。アルカリ性である重曹が山菜の繊維を柔らかくしてくれるので、アクが抜けやすくなるのです。
同様の効果で、お肉の下処理に使うと柔らかくなりますよ。その場合は重曹の苦味を残さないために調理前にお肉から重曹を拭き取るか洗い流してくださいね。
重曹の性質でもご紹介しましたが、重曹を使うとアルカリ性により生地に黄色味が出ます。それを利用してあえて焼き色をつけたいクッキーなどには重曹を使うのがおすすめです。
掃除の際に活躍する重曹の研磨効果と消臭効果を料理の際にも利用することができます。魚などのぬめりや臭みが気になる食材にふりかけてから水で洗い流して使ってください。
重曹を掃除で使うおすすめの使用方法
重曹は汎用性が高く環境に優しいため、エコで便利な洗剤として人気です。用途に合わせて重曹の形状を変えると効果的に掃除をすることができます。
一番使われているのは水100mlに対して重曹小さじ1杯を入れてよくかき混ぜて作る重曹水です。スプレーボトルの容器に入れて使用します。用途としてはキッチン、リビング、お風呂などの油、皮脂汚れに大変効果的です。
重曹と水をだいたい2:1の比率で混ぜると重曹ペーストができます。重曹に少しずつ水を加えてドロっとすればオッケーです。
用途は重曹水では落とせないようなガンコな汚れ(五徳や換気扇など)に塗り込んでしばらく放置したあと拭き取ると綺麗になります。
重曹をそのまま粉の状態で使用すると研磨効果を得られるため、コップの茶渋やお鍋の焦げ付きなどに振りかけてスポンジでこすると汚れを落とすことができます。
また、排水口などの臭いが気になる場所にたっぷりふりかけると臭いを抑えてくれたり、容器に入れて冷蔵庫や下駄箱に置くことで嫌な臭いが軽減されるなど消臭効果が期待できます。
ちなみに重曹と同様にエコ洗剤として人気の「クエン酸」は、お風呂や加湿器などの水垢(アルカリ性の汚れ)を落とすのに効果的で、トイレの尿石やアンモニア臭にも有効です。
重曹とは似ているものそれぞれ得意分野が違うので、使い分けると家中を綺麗に掃除することが出来ますよ。
まとめ:ベーキングパウダーと重曹の違いを理解し、目的別に使い分けよう!
いかがでしたでしょうか?
ベーキングパウダーと重曹にはそれぞれ違った効果があり、その違いを理解することで筆者のような失敗をすることなく、上手に使い分けをすることが出来るようになります。
また、より汎用性の高い便利な重曹を掃除や料理に活用するのも環境に優しくて大変おすすめです。