お菓子作りをすると、必ず余ってしまうベーキングパウダー。
意外と使う量が少なく、なかなか減りませんよね。だからといって、たくさん入れてしまうとお菓子作りを失敗してしまうもと。
保存している期間が長いと気になるのが、保存法と保存期限。袋の口を輪ゴムで止めただけにしていたり、さらに冷凍庫に入れたりしてはいませんか?実はこれらは、間違った保存法。
今回は、ベーキングパウダーの正しい保存法について解説しました。
目次
ベーキングパウダーの最適な保存方法とは
ベーキングパウダーの正しい保存方法とはどのようなものなのでしょうか。家庭でベーキングパウダーを保存するときのおすすめの方法を場所と容器に分けて解説します。
※メーカー毎の賞味期限等については以下の記事で解説をしていますので、ぜひ本記事と併せてご覧ください。
冷蔵?冷凍?ベーキングパウダーはどこにしまうのが正解?
各メーカーでは、冷暗所で湿気を避けて保存することがすすめられています。冷暗所とは、直射日光が当たらず温度が低く保たれる場所を指します。
さらに、湿気を嫌うことから乾燥した場所や乾燥剤などを利用して、湿気を避けて保存することが必要です。では、冷蔵庫・冷凍庫での保存は可能なのでしょうか?
冷蔵庫や冷凍庫で保存した場合、温度変化による結露が湿気を生み出してしまいます。そのため、冷蔵・冷凍での保存は避けた方がいいでしょう。
室温で保存しましょう。室温というのは10~25℃のこと。この温度を超えてしまう場合は、保管場所を移してください。
ベーキングパウダーの保存にはアルミパックがおすすめ
ベーキングパウダーに向いている保存容器の第一条件は湿気を防ぐこと。もともとのパッケージに蓋がついている缶入りの物であれば、そのまま保存可能です。
しかし袋入りの場合、輪ゴムやクリップで止めただけでは、湿気が防げないばかりが、虫も侵入してしまいます。別の容器に移し替えて保存することが必要です。
食品の保存に、ファスナー付きのポリ袋を使用する方が多いと思います。しかし、ポリ袋は水は通しませんが、空気中の水分は通してしまうのでベーキングパウダーの保存には向いていません。
おすすめはアルミ製のパック。アルミは、酸素や湿気・光を通しません。しっかり閉じるファスナーがついているものがおすすめです。
また、ベーキングパウダーの内容量は少ないので、大きな保存容器は場所をとるだけで必要ありません。こちらのアルミパックは乾燥剤もついていておすすめです。
開封後のベーキングパウダーは膨らませる力が弱くなる
ベーキングパウダーが食品を膨らませるのは重曹の発泡性によるものです。重曹は水分と熱に反応すると二酸化炭素を発生させて、食品を膨らませます。
そのため、保存中に水分に触れてしまうと、この反応が先に起こってしまい、膨らませる力が弱くなってしまうのです。
まれにですが、腐ることもあります。ベーキングパウダーの原材料は主に重曹・酸化剤・コーンスターチです。重曹と酸化剤は無機物なので「腐る」ということはありませんが、コーンスターチはトウモロコシのデンプンなので栄養豊富、湿気とともにあるとカビの栄養になりカビが発生。
また、小麦粉やほかの粉ものと同様に、ダニが発生することもあります。ダニ自体には毒性はありませんが、口にするとアレルギー症状を起こすことがあるので、注意が必要です。
『使用NG』なベーキングパウダーの保存状態
ベーキングパウダーの状態は、保存方法によって大きく変わってきます。開けてしまったベーキングパウダーが、まだ使用可能か迷ったときは、次の方法で確認してください。
今までの保存状態は大丈夫だったか
まず、今まで明らかに高温多湿であったり、袋の口を止めてあるだけの状態だったり、ベーキングパウダーにとって良くない環境で2カ月以上保存されていた場合は使用をあきらめましょう。
見た目に問題がなくても、ベーキングパウダーの重要な役割の発泡性が失われている可能性が大きいです。
固まっていないか?
全体が固まっていたり、ところどころ塊ができたりしているものも発泡性が失われています。これは、ベーキングパウダーが湿気を含んで固まってしまうからです。
変色していないか?
変色にはいろいろな原因があります。カビによる変色、コーンスターチが痛んでいることによる変色など。どちらにしても、食べることには向かない状態になっています。
コーンスターチはもともと真っ白の粉。小麦粉と比べても白いと認識できますので、色の変化はわかりやすいと思います。
カビや虫は見当たらないか
表面に、フワフワしたものがついていたらそれはカビです。また、黒っぽいお皿や紙の上に広げると、小さいダニでも見つけることができます。心配な場合は、確認してみてください。
カビやダニがいるコーンスターチは、お腹を壊したり、アレルギー症状を引き起こすなど、健康に悪影響を及ぼす可能性があるので、絶対に口にしないでください。
発泡性を実験してみる
見た目上は何ともない。となると、あとはベーキングパウダーの役割、生地を膨らませる力が残っているかが問題です。それを、以下の手順で確認することができます。
1.40℃くらいのお湯をコップ1杯準備(適温のお風呂の温度)
2.お湯の中に小さじ1杯程度のベーキングパウダーを入れる
ベーキングパウダーが入れた瞬間に発泡すれば、まだ効果があると判断できます。
たまにしか使わないなら小分けの物を購入
ベーキングパウダーの1回の使用量はごく少量。小麦粉100gに対して小さじ1(4g)が適量です。例えば、100g入りのベーキングパウダーを買うとパウンドケーキが25個も焼ける計算になります。
頻繁にお菓子作りする人でなければ、適切な保存期間内に使い切るのは難しいもの。少し割高にはなりますが、もともと小分けになっているものを購入することをおすすめします。
こちらは、1パック4gの使い切りサイズです。保存の心配をする必要がありません。
まとめ:ベーキングパウダーの保存は湿気に注意
ベーキングパウダーの大敵は水分。温度変化でも湿気を呼んでしまうので、冷凍庫や冷蔵庫での保管は避けましょう。ベーキングパウダーはしっかり密閉できる容器にしまって、室温で保存するのが基本です。
また、残っているベーキングパウダーがまだ使えるか迷ったら、お湯に入れる方法で、膨らませる力が残っているか実験してみてください。
使い切る自信がないときは、小分になっているものを購入すると保存に迷うこともなく、いつでも安心してお菓子作りができますね。