【種類別】胡椒の特徴を解説!それぞれの胡椒の美味しい使い方は?
胡椒って何種類あるの?それぞれの胡椒にはどのような特徴があるの?違いがあるなら知りたい!

そんな疑問にお答えします。

胡椒といえば、S&Bなど大手から発売されている”塩胡椒”を思い浮かべる方が多いと思いますが、あれは日本独自のものであり、海外では日本食スーパー以外で見かけることは、ほぼありません。

 

胡椒には種類があります。ブラックペッパー・ホワイトペッパー・ピンクペッパー…など、聞いたことがある方も多いでしょう。この記事では、胡椒の種類や、それぞれの特徴・違いについて解説します。

胡椒の種類や特徴の違いは?

胡椒は色の違いにより大きく4種類(ブラックペッパー・ホワイトペッパー・ピンクペッパー・グリーンペッパー)に分けられています。

しかし、一部のピンクペッパーを除いて、胡椒は全て同じ実ということはご存じでしょうか?これらは主に収穫時期の違いで分けられます。

収穫時期『早い』

・未熟なまま収穫したもの→緑胡椒

・緑胡椒を乾燥させたもの→黒胡椒

収穫時期『遅い』

・完熟させた状態で収穫したもの→赤胡椒

・赤胡椒を乾燥させ水に漬けて皮を剥いたもの→白胡椒

それぞれの違いを詳しく説明します。

黒胡椒(ブラックペッパー)

胡椒の中でも世界中で使用されている種類であり、需要があるのが黒胡椒です。黒胡椒は熟す前に収穫された緑色の未熟果を、長時間かけて天日乾燥させたものです。

 

◆黒胡椒の特徴:

酵素により色が黒くなりシワが出来ており、辛味が強く刺激的な木の香りが特徴的です。他の胡椒より辛味が強いのは、辛味成分である”ピぺリン”や”シャビシン”が、完熟果である白胡椒や赤胡椒より未熟果である黒胡椒や緑胡椒に多く含まれているからです。

 

◆黒胡椒が合う料理:

肉の臭みや酸化を抑える働きをしてくれますので、ステーキや味の濃い肉料理などとの相性がいいです。黒胡椒の香りは熱に弱いので、香りを生かしたいのであれば料理が出来上がる直前や、仕上げに使うと香りを楽しめるでしょう。

粒よりもミルなどで挽いたものの方が香りが強いので、煮込み料理には粒を使用し、香りを重視するパスタやマリネ・スープなどには粉末を食べる直前にかけるといいでしょう。

白胡椒(ホワイトペッパー)

白胡椒は、赤色に完熟させた後、水に浸して果皮を取り除いて天日乾燥し作られる種類の胡椒です(皮を取らないと赤胡椒)。

 

◆白胡椒の特徴:

マイルドな香りとピリッとした辛味が特徴です。黒胡椒に比べると穏やかな味・香りになっています。

その理由は、白胡椒は香りが抑えられる完熟果を使用しているうえに、胡椒の香り成分の多くは果皮に含まれていますが、精製の際に果皮を取り除いているからです。

 

刺激が少ないので食材の風味を消さずに旨味を引き立ててくれます。

 

◆白胡椒が合う料理:

色も白いのでホワイトソースやシチューなどの白い料理の見栄えも邪魔せず香りを付けることが出来ます。白胡椒もまた熱に弱いので、仕上げや食べる使用すると香りも楽しめます。 漢方に使用されているのは、この白胡椒になります。

緑胡椒(グリーンペッパー)

熟す前の実。未熟な実の時に収穫した種類の胡椒です。

 

◆緑胡椒の特徴:

生で使うことが多く、爽やかな辛みがあります。緑胡椒は青胡椒とも呼ばれています。

黒胡椒と同じタイミングで未熟果を摘み取りますが、黒くならないように短時間で乾燥させているか、塩漬けや水煮にして保存が利くように加工されています。

 

他の胡椒に比べて鮮度が重視されるので、主に塩漬けや水煮に加工されたものが出回っています。爽やかな風味と香りですが、黒胡椒に比べると風味は比較的強すぎません。

 

※胡椒の塩漬けは自宅でも簡単に作れます。様々な料理のアクセントとしても使えて便利ですよ!

 

◆緑胡椒が合う料理:

緑胡椒は、タイ料理やフランス料理、肉・魚料理どちらにも合います。綺麗な緑色なので一般的にスパイスとして使用されるより、赤胡椒と合わせるなどして肉や魚料理の彩りに使用されています。

赤胡椒(ピンクペッパー)

赤胡椒は、黒・白・緑胡椒と同じ胡椒の実から作られるものと、それとは異なる種類の実から作られる場合があります。 それぞれの特徴を説明します。

1.完熟した胡椒の実

赤胡椒は完熟してから収穫した胡椒の実で、他の胡椒(黒・白・緑)と同じ実から出来ています。 胡椒特有の辛さと香りを持っています。

2.ナナカマドの実

バラ科の植物で、辛味は無く適度な酸味と苦味が特徴です。特に鹿肉料理によく使われているようです。

3.コショウボクの実

ウルシ科の植物で、現在赤胡椒として一般的に出回っているのは、このコショウボク実です。コショウボクはコショウという名前ですが、他の黒・白・緑の胡椒とは別のものになっており、味も香りも異なっています。

コショウボクの実には胡椒特有の刺激的な辛さは無く、かすかに胡椒の香りはしますが、ほんのりとした甘みと酸味が特徴的です。

辛さは無く綺麗なピンク色をしているので、スイーツのデコレーションなどの彩りや、ビールやティーの風味づけ、更にアロマやボディケア成分の配合されるなど料理だけに留まらず数多くの場面で使用されています。

 

赤胡椒(ピンクペッパー)の詳しい使い方については別記事で解説をしていますので、ぜひ、本記事と併せてご覧ください。

胡椒の原産地による種類の違いと国産の胡椒

胡椒の原産地

胡椒の原産地はインド南西マラバール地方です。紀元前500年前には地中海沿岸地方には伝わっていたとされています。

現在の主な産地はインドだけでなく、インドネシア・ベトナム・スリランカ・カンボジア・マレーシア・ブラジルなど世界各地で栽培されており、収穫される国によって特徴があります。

 

日本に出回っている黒胡椒の多くはマレーシア産のサクワラ胡椒だと言われていますが、世界の胡椒生産量1位は圧倒的な差でベトナムになっています。

国産の胡椒

胡椒は熱帯気候の地域での栽培が主になっています。平均して7℃以上の気温と適度な湿気がある地域での栽培になるので、多くの産地はインドやマレーシアなどの東南アジアが主です。

 

日本で露地栽培するとなると、とても難しく冬がある北日本などでは栽培が出来ず、九州地方や沖縄地方など原産国に近い環境でしか栽培できません。

他の寒暖差がある地域では温度管理が可能な室内か寒い時期には室内に移動できるプランターで栽培するほかありません。

まとめ:胡椒の種類は黒・白・緑・赤の4種類!

胡椒は同じ実から出来ていますが、収穫時期や収穫後の加工の方法で変わります。また、産地によって風味が変わりますので、用途に合わせて世界中の色々な胡椒を楽しんでみてください。

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