ベーキングパウダーなしでスコーンは作れる?代理のレシピもご紹介!
スコーンを作ろうと思ったら、ベーキングパウダーがない!
スコーンを作りたいけど、わざわざベーキングパウダーを買うのもなあ…

スコーンのベーキングパウダーは必須とも言える材料のひとつです。しかし、いざ作ろうと思ったら材料が足りない!という状況に陥ったり、わざわざ買うのに気が引けたりすることもありますよね。

ベーキングパウダーなしにスコーンを作ることはできないのでしょうか?

この記事では、ベーキングパウダーなしでスコーンを作れるのかどうかを検証するとともに、ベーキングパウダーを使わないスコーンのレシピについても探ってみたいと思います。

ベーキングパウダーなしでスコーンは作れるの?

ベーキングパウダーなしでスコーンは作れるの?

レシピを知る前に、そもそもベーキングパウダーなしにスコーンが作れるのか?という疑問を解決する必要がありますよね。まずは、スコーンとはどういうものなのかについて簡単に紹介しましょう。

スコーンは大きく分けると2種類ある

日本でスコーンと呼ばれるお菓子には、イギリス式とアメリカ式の2種類があります。イングリッシュタイプは、よくアフタヌーンティーに付いてくる比較的小ぶりで丸いタイプです。

 

イギリスではティータイムのお供として楽しむもので、表面はサクサクで中がふわふわの食感。味わいは基本的にシンプルで、ジャムやクロテッドクリーム(バターと生クリームの中間のようなイギリスの伝統的なクリーム)を付けて食べるのが一般的です。

一方、アメリカンタイプのスコーンは、日本でもシアトル系のコーヒーショップなどで見かける三角や四角のタイプのもの。

 

比較的ズッシリとしていて、食感は外はサクサクですが中はしっとりしています。チョコやドライフルーツが入っているものが主流で、本場アメリカでは朝食やブランチでコーヒーやミルクといっしょに食べることが多いようです。

スコーンはベーキングパウダーなしで作れる?

イギリスタイプのスコーンの材料は、薄力粉(もしくは薄力粉と強力粉を混ぜたもの)、ベーキングパウダー、バター、砂糖、牛乳、塩です。

外側こそサクサクしていますが、中身はふんわりと柔らかめ。縦に大きく膨らんでいて、「腹割れ」と呼ばれる割れ目があるものもあります。

イギリスでは、昔はバノックと呼ばれるイーストを使わない平焼きのパンが作られていたようですが、ベーキングパウダーや重曹などの膨張剤が普及してきたことで、現在のようなふんわりと膨らんだスコーンが誕生したそうです。

 

つまり、イギリス式のスコーンはベーキングパウダーで膨らませるのが基本。一般的な焼き菓子はベーキングパウダーの割合が粉に対して22.5%程度が一般的であるのに対し、イギリス式のスコーンは57%前後のベーキングパウダーを使用したものが多いようです。

ですから、ベーキングパウダーなしでイングリッシュタイプンのスコーンを作るのは、なかなか難しそうですね。

では、アメリカンスコーンはどうなの?

一方、アメリカンスコーンはというと、しっとりとした柔らかめのビスケットに近い食感、もしくは固めのハードケーキをホロホロにした感じでしょうか。

イングリッシュスコーンほどふんわりと膨らんでいないので、ベーキングパウダーは必要ないのでは?と思うかもしれませんが、こちらもベーキングパウダーなしで作るのは厳しそうです。

なぜなら、割合に違いこそありますが、アメリカンスコーンの材料はイギリス式とほぼ同じ。ベーキングパウダー以外に生地を膨らませる要素となる材料が入っていないからです。

代わりの食材でベーキングパウダーなしのスコーンは作れる?

代わりの食材でベーキングパウダーなしのスコーンは作れる?

ベーキングパウダーなしでスコーンを作るのは難しそうですが、ベーキングパウダーの代わりに使えるようなものはないのでしょうか?

ここからは、一般的にベーキングパウダーの代わりになる物として知られている食材が、スコーンに使えるかどうかを検証してみましょう。

その1:卵白の場合

卵白を泡立てて作るメレンゲは、スポンジケーキやシフォンケーキなどを膨らませるために使うものです。スポンジケーキは薄力粉の量が少ないので、メレンゲの泡を潰さずに混ぜることができます。

そのため、ホットケーキやパンケーキなど粉の量が少なめでフワフワしているお菓子には、卵白はベーキングパウダーの代わりとして使えます。

しかし、スコーンの場合はホットケーキなどと比べると粉の割合がかなり多いので、泡を潰さないように混ぜるのは至難の業です。ですから、生地に空気を含んだまま焼き上げるのは難しいと思われます。

その2:ドライイーストの場合

パン作りに使うドライイースト(酵母)は、生地中の糖分を分解して、二酸化炭素(炭酸ガス)を発生させます。さらに小麦粉と水を捏ねることで形成されたグルテンの膜が空気を逃さないので、パンの生地が膨らむのです。

スコーンにドライイーストを使用すると、生地を膨らませることはできそうです。しかし、しっかりと捏ねてグルテンを形成する必要があるので、食感がパンのようになってしまいます。

ですから、スコーンとはまったく別の食べ物になってしまいそうですね。

その3:炭酸水の場合

ベーキングパウダーは、主原料である炭酸水素ナトリウムが化学反応を起こし、二酸化炭素を発生させることによってお菓子などを膨らませます。

炭酸水は二酸化炭素を溶かした水ですが、圧力を加えることで多くの二酸化炭素を閉じ込めているので、開封すると炭酸がどんどん抜けていきますよね。

また、ベーキングパウダーは焼き上げる過程で膨らむように調整されていますが、炭酸水の場合は生地に混ぜた直後からどんどん二酸化炭素が抜けていってしまいます。

しかも、スコーンはもともとの水分量がそれほど多くないので、材料の牛乳や水を炭酸水に置き換えたところで、効果はさほど期待できないでしょう。

その4:ホットケーキミックスの場合

ホットケーキミックスの原材料は、薄力粉、ベーキングパウダー、糖類、食塩などです。

ベーキングパウダーを製造しているニップンのHPには、

ホットケーキや蒸しパンをお作りの際には小麦粉200gに対してベーキングパウダーを10g入れてください。

と書かれています。ですから、おそらく市販のホットケーキミックスにも、5%程度のベーキングパウダーが含まれていると推測できます。

ホットケーキミックスに5%のベーキングパウダーが入っているということは、スコーンの小麦粉とベーキングパウダーをホットケーキミックスに置き換えることで、スコーンを作れる、ということになりますね。

おまけ:重曹は使えないの?

ベーキングパウダーには重曹(炭酸水素ナトリウム)が約25%含まれています。ですから、単純計算でベーキングパウダーの量の1/4を食用の重曹に置き換えると、スコーンを作れるかもしれないということになりますよね。

しかし、ベーキングパウダーと重曹では特性が異なっていて、ベーキングパウダーは縦に膨らむ性質があるのに対し、重曹は横に膨らもうとします。

また、重曹は特有の風味や、加熱すると焼き色が濃くなる性質があるので、ベーキングパウダーを使用したスコーンとは出来上がりが多少変わってしまう可能性があります。

そうは言っても、重曹にも生地を膨らませる効果はあるので、ベーキングパウダーの代わりとしては使えないこともなさそうですね。

 

※ベーキングパウダーと重曹の違いについては、下記の記事でも詳しく説明していますので、参考にしてみてください。

ベーキングパウダーなしのスコーンのレシピ

ベーキングパウダーなしのスコーンのレシピ

最後に、ホットケーキミックスを使用したスコーンのレシピをご紹介します。ホットケーキミックスを使うことで、初めての人でも簡単にスコーンを作れます

バターなしのイギリス式スコーン

バターを使わずに作るあっさりとしたイギリスタイプのプレーンスコーン。混ぜるだけなので簡単です。

材料と作り方
バターなしのイングリッシュスコーンの作り方

【材料】(約10個分)

ホットケーキミックス:200

サラダ油:大さじ2

牛乳:大さじ4

 

【作り方】

1.ホットケーキミックスにサラダ油を入れ、ヘラで全体に広がるようにサッと混ぜる

2.牛乳を少しずつ入れ、全体が粉っぽいそぼろ状になるようにざっくりと混ぜ、最後に手でひとまとめにする

3.麺棒で2cmほどの厚さに伸ばし、丸い型で抜くか、包丁で四角く切る

4.200℃で予熱をしておいたオーブンで1020分、うっすらと焼き色が付くまで焼く

【ポイント】

粉と牛乳を混ぜる際、生地がまとまらないようなら、さらに少量の牛乳を足して調整してください。サラダ油の代わりにオリーブ油や溶かしたバター、牛乳の代わりに豆乳を使ってもOKです。

成型する際、1cmに伸ばした生地を2枚重ねると、腹割れのような状態を作りやすくなります。また、オーブンに入れる前に分量外の牛乳を刷毛で塗ると程よくツヤが出ます。

アメリカ式チョコレート入りスコーン

材料を混ぜるだけの簡単なアメリカンスコーンのレシピです。混ぜるときは捏ねてしまわないように注意してください。

材料と作り方

【材料】(約8個分)

ホットケーキミックス:200

バター:50

牛乳:50g

板チョコ:1枚

 

【作り方】

1.バターは室温に戻しておく。板チョコは1cmくらいの大きさに切っておく

2.ホットケーキミックスにバターを入れて、ヘラやフォークを使ってざっと混ぜ合わせる(粉っぽいそぼろのような状態でOK)

3.牛乳と板チョコを入れてさっくりと混ぜ、全体をひとまとめにする

4.まとめた生地を2cmくらいの厚さに伸ばし、包丁で8等分にし、クッキングシートを敷いた天板に並べる

5.180℃で予熱をしたオーブンに入れ、1520分ほどうっすらと色付く程度に焼く

【ポイント】

生地をひとまとめにする際は手を使うとやりやすいです。ただし、絶対に捏ね過ぎないように注意してください!

また、板チョコの量はお好みで加減してください。チョコレートの代わりにレーズンやクランベリーなどのドライフルーツを混ぜるのもおすすめです。

まとめ:ベーキングパウダーなしのスコーンはホットケーキミックスで

スコーンは通常の焼き菓子よりも、ベーキングパウダーをやや多めに入れて作るものなので、ベーキングパウダーをまったく使わずに作ることは難しいと言えます。代わりに市販のホットケーキミックスを使えば、わざわざベーキングパウダーを買う必要もないので手軽に作れますね。

特に、本格的なイギリスタイプのスコーンは作るのが難しいですが、ホットケーキミックスを使うと失敗も少ないので、初めてでも大丈夫!ぜひ、トライしてみてください。

おすすめの記事