ココナッツオイルでクッキーは作れる?作り方のコツやレシピをご紹介

クッキーを作るにはバターを使う方法が一般的ですよね。

では、バターの代わりにココナッツオイルを使ってもクッキーをうまく作れるのでしょうか?また、ココナッツオイルでクッキーを作ると、どのようなクッキーができるのでしょうか?

この記事では、ココナッツオイルで作るクッキーとバターで作るクッキーの違いや、失敗しないで作るコツ、ココナッツオイルで簡単に作れるクッキーのレシピなどについてご紹介します。

クッキー作りでココナッツオイルはバターの代わりに使えるの?

クッキー作りでココナッツオイルはバターの代わりになるの?

バターはクッキー作りに欠かせない材料ですが、果たしてココナッツオイルはバターの代わりに使えるのでしょうか?

バターとココナッツオイルの違いや、ココナッツオイルで作ったクッキーの特徴や作り方のポイントなどについて解説します。

お菓子作りにおけるバターの特性とは?

お菓子やパンを作る時に使うことの多いバター。バターを入れると独特のコクが出て味や香りが良くなるのはもちろん、お菓子を作るうえでとても大切な役割をしています。

クッキー作りに関係しているバターの特性には次のようなものがあります。

可塑(かそ)性

お菓子やパンを作る際にバターを使うことが多い最大の理由が、「可塑性」というバターの特性です。

冷蔵庫で冷やしたバターは固いですが、冷蔵庫から出すと徐々に柔らかくなり、さらに温度が上がると固体と液体が混ざった状態になり、そして、30℃くらいになると溶けていきます。

温度がある程度上がってバターが柔らかくなって、力を加えると自由自在に形を変えられるような状態が、可塑性のある状態で、クッキーを作るうえで最も重要な要素です。

お菓子のレシピで、温度が13~18℃のバターが最も可塑性のある状態だと言われています。

ショートニング性

可塑性のある状態のバターをクッキーの生地に混ぜると、バターが薄い層を作って全体に広がることにより、小麦粉と水を混ぜるとできる「グルテン」が作られることを阻害します。この性質がショートニング性です。

グルテンは弾力や粘りのもとになる成分で、グルテンがたくさん形成されるとパンやピザ、パスタなどのように弾力性のある生地になります。

逆に、グルテンの形成を抑えると、クッキーやタルト生地のように、サクサクでホロホロと崩れるような食感になります。

クリーミング性

可塑性のある状態でバターを激しく混ぜると、バターが空気を取り込んでふわふわと白っぽい状態になります。バターが空気を取り込む性質をクリーミング性といいます。

バターのクリーミング性を利用して作る代表例がバタークリームやパウンドケーキです。バターに砂糖を加えることで、さらに空気を取り込みやすくなり、白っぽく泡立ちます。

クッキーを作る時も、バターに砂糖を混ぜてしっかりと泡立てると、ソフトな食感のクッキーに仕上がります。

ココナッツオイルにバターのような特性はあるの?

バターは28~30℃くらいで溶け始めて、35℃を超えるくらいになると完全に溶けます。一方、ココナッツオイルの融点は約24℃。バターよりも5℃前後低い温度で溶け始めます。

ですから、室温でクッキーを作る場合、融点の低さから考えても、ココナッツバターにバターと同じような可塑性を持たせることは難しいと言えますよね。

また、ココナッツオイルとバターの成分を比較すると以下のようになります。

ココナッツオイル有塩バター
水分016.2
たんぱく質00.6
脂質10081.0
炭水化物00.2

バターには、水分が約16%含まれているのに対し、ココナッツオイルは脂質100%で水分はゼロです。

ココナッツオイルはバターよりも15%くらい水分が少ないので、ココナッツオイルでクッキーを作るとバターで作るよりも水分の少ないクッキーになります。

型抜きできる?ココナッツオイルで作るクッキーの特徴は?

ココナッツオイルでクッキーを作るとなると、ショートニング性を持たせることが難しいため、バターでクッキーを作った時のようにサクサク、ホロホロの食感のクッキーにはなかなかなりません。

ですから、ココナッツオイルで作ったクッキーは、オリーブオイルやキャノーラ油のように常温で液体の植物油で作ったクッキーのように、ザクザクとした食感になります

また、ココナッツオイルで作ったクッキー生地はバターで作った生地に比べてまとまりにくくボロボロとした状態になるため、基本的に型抜きには向きません。

ですから、生地をまとめたら包丁でカットして焼く方法がおすすめです。

ココナッツオイルでクッキーを失敗なく作るコツ

バターを使ってクッキー生地を作る場合、やわらかくしたバターに砂糖を入れてよくすり混ぜ、そこに卵と薄力粉を加えてひとまとまりにしていきます。

しかし、ココナッツオイルはバターのように可塑性が高いわけでもクリーミング性があるわけでもありません

ですから、バターを使ったクッキーと同じような作り方をすると失敗する可能性もあります。

ココナッツオイルを使ったクッキーを作る場合は、固まったココナッツオイルを湯煎で溶かしてから使う方法が簡単でおすすめです。

レシピもバターで作るクッキーではなく、オリーブオイルなどの液体の植物油を使っているレシピを参考にするとよいでしょう。

クッキー作りにはどのようなココナッツオイルを使うとよい?

ココナッツオイルには2種類のタイプがあります。ひとつは、ココナッツ(ココヤシの実)の白い胚乳部分を圧搾してオイルだけを抽出したバージンココナッツオイル。ココナッツ独特の甘い香りがあることが特徴です。

もうひとつが、ココナッツの胚乳を高温で乾燥させてからオイルを抽出した後に、精製(Refine)、漂白(Bleach)、脱臭(Deodorize)の処理を施した無臭のRBDココナッツオイルです。

クッキーを作る場合はどちらのタイプのココナッツオイルを使っても大丈夫ですが、バージンココナッツオイルを使うとココナッツの風味が良いクッキーが作れるので、ココナッツの香りを楽しみたいなら、バージンココナッツオイルを使うとよいでしょう。

ココナッツオイルで作るクッキーの簡単レシピをご紹介!

ココナッツオイルで作るクッキーの簡単レシピをご紹介!

では、ココナッツオイルを使って作るクッキーの簡単なレシピを4つほどご紹介しましょう。

バターなしでザクザク!材料4つ基本の簡単レシピ

バターを使用せずにココナッツオイルだけで作るクッキーのレシピです。材料を混ぜ合わせるだけで簡単にできるので、ココナッツオイル入りのクッキーを始めて作る場合におすすめのレシピです。

材料と作り方

【材料】(約20枚分)

ココナッツオイル 50g

薄力粉 150g

砂糖 40g

卵 1/2個(約30g)

【作り方】

1.ココナッツオイルは湯煎かレンジにかけて溶かしておく

2.ボウルに卵と砂糖を入れてホイッパーでよく混ぜ、ココナッツオイルを少しずつ入れてさらによく混ぜる。

3.ふるった薄力粉を入れて、ヘラでざっくりと混ぜ合わせる

4.ある程度まとまったらラップに包み、直径4cmくらいの棒状にまとめる。

5.包丁で1cmくらいの厚さに切り、天板に並べて180℃に予熱をしたオーブンで20~25分程度焼く。

【ポイント】

・包丁で切る際に生地がやわらかすぎるようであれば、冷蔵庫で15~20分程度冷やすと切りやすくなります。

・卵の代わりに牛乳を大さじ2杯程度入れると、卵なしのココナッツ風味クッキーが作れます。

アーモンドプードルでサクサクに!スノーボールクッキー

アーモンドプードルを入れると風味がよくなるだけでなく、ホロホロとした食感のココナッツ風味のクッキーを作れます。

材料と作り方
アーモンドプードルでサクサクに!スノーボールクッキー

【材料】(約20個分)

ココナッツオイル 50g

薄力粉 100g

アーモンドプードル 50g

砂糖 30g

塩 ひとつまみ

粉砂糖 適量

【作り方】

1.ココナッツオイルは湯煎にかけるかレンジで溶かしておく

2.ボウルにふるった薄力粉、アーモンドプードル、砂糖、塩を入れて軽く混ぜ合わせる。

3.溶かしたココナッツオイルを全体に回し入れ、ヘラでさっくりと混ぜ合わせる

4.ボロボロとした状態にまとまってきたら、一口サイズに手できれいに丸めて成形して天板に並べる。

5.170℃に予熱をしたオーブンで表面に軽く焼き色が付くまで15分ほど焼く。

6.粗熱が取れたら粉砂糖をまぶす。

【ポイント】

・さくさくの食感にするために、生地はさっくりと混ぜ合わせるだけで捏ねないようにしましょう。どうしてもまとまりにくいようなら、牛乳を少量足すとよいでしょう。

・仕上げに粉砂糖をまぶさない場合は、砂糖を10gくらい増やしてもよいでしょう。

素朴な味わい!全粒粉ココナッツオイルクッキー

小麦粉は小麦の白い胚乳部分だけを粉にしているのに対し、全粒粉は小麦粉を丸ごと製粉した粉です。

皮も胚芽も小麦の粒すべてが粉になっているので薄茶色で、小麦粉よりもビタミンB群やミネラルが多い特徴があります。

全粒粉を使ったクッキーは香ばしく歯ごたえのある食感になります。

材料と作り方
素朴な味わい!全粒粉ココナッツオイルクッキー

【材料】(約20枚分)

ココナッツオイル 50g

薄力粉もしくは中力粉 60g

全粒粉 90g

メープルシロップ 50~60g

塩 ひとつまみ

【作り方】

1.薄力粉(中力粉)と全粒粉はザルなどでふるっておく。

2.ボウルに粉類と塩を入れ、メープルシロップと溶かしたココナッツオイルを全体に回し入れ、ヘラでざっくりと混ぜる

3.ある程度まとまってきたら手でひとまとめにし、綿棒で5~7mmくらいの厚さに伸ばす。

4.好きな方で抜いて天板に並べ、170℃に予熱をしたオーブンで15分くらい、表面に焼き色が付くまで焼く。

【ポイント】

全粒粉100%でも作れます。その場合は、薄力粉(中力粉)を減らして、全粒粉の割合を増やしてください。

ココナッツオイルと相性抜群!オートミールチョコチップクッキー

オートミールとは、オーツ麦(えん麦)を脱穀して平たくして乾燥させたもの。よくフルグラなどに入っている平たいシリアルのことですね。食物繊維やミネラルが多く含まれていることが特徴です。

オートミールクッキーはココナッツオイルとの相性も抜群!ザクザクとした食感が魅力でしっかりと食べ応えのあるクッキーになります。

材料と作り方
ココナッツオイルと相性抜群!オートミールチョコチップクッキー

【材料】(15~20個分)

ココナッツオイル 50g

オートミール 75g

薄力粉 75g

砂糖 50g

卵 1個

塩 ひとつまみ

チョコチップ 50g

【作り方】

1.ココナッツオイルは湯煎かレンジで溶かし、薄力粉はふるって、オートミール、塩を合わせておく。

2.卵を溶いて砂糖を加えてよく混ぜ、1とチョコチップを加えてヘラでざっくりと混ぜ合わせる

3.2をスプーンですくって天板に並べていく。

4.180℃に予熱をしたオーブンで20~25分ほど焼く。

【ポイント】

生地は混ぜすぎないようにしましょう。全体にまとまる程度で大丈夫です。

・卵の代わりに、牛乳や豆乳を50g入れてもよいでしょう。

まとめ:ココナッツオイル入りのクッキーは意外に簡単!アレンジもいろいろ!

バターで作るクッキーは手順も多くけっこう手間がかかるものですが、ココナッツオイルを使うと材料を入れてざっと混ぜるだけで生地が作れるので思ったよりも簡単です。

今回は、基本的なレシピをご紹介しましたが、他にも、ナッツやドライフルーツを入れたり、レモン汁を入れてサッパリとさせたりと、いろいろとアレンジもできます。

溶かしバターやオリーブオイルなどを使うレシピが参考になるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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