そんな疑問に答えます。
料理に甘みや旨みを与えてくれる万能調味料、みりん。料理するときに欠かせない調味料として知られており、ほとんどの家庭に常備されています。
しかし最近では、「めんつゆ」「すき焼きのタレ」などの合わせ調味料を多用し、みりんをほとんど使わない方も増えてきています。
そもそもみりんの使い方がわからない…という方も多いようです。
ここでは、料理初心者の方向けに、みりんの基本的な使い方について、わかりやすく解説していきます!
目次
みりんはどんな使い方ができるの?
普段、みりんを料理に使わない方は、みりんはどんな使い方ができるのか…イメージしにくいかもしれませんね。
甘みを加える調味料が必要ならば、砂糖だけあれば十分、と思っている方も多いようです。ここでは、砂糖とはちょっと違ったみりんの使い方について、わかりやすく解説していきます。
魚や肉の臭みを消す
魚や肉の独特な臭みが苦手な方、多いのでは?魚料理・肉料理をつくるときにみりんを使うと、臭みが気にならなくなります。
みりんに含まれているアルコールが、魚や肉などの食材がもともと持っている臭みを消してくれるのです。
料理の旨みを引き出す
「料理の旨みを引き出す」のが、みりんの大きな特徴です。甘みを加える調味料としては「砂糖」が定番。しかし「旨みを引き出す」点では、みりんの方が優れています。
みりんには多種類のアミノ酸が含まれており、これらが旨みを引き出してくれると言われています。
料理にツヤと照りを出す
みりんに含まれる糖分は、食材の表面に膜を作り、料理にツヤと照りを出してくれます。ブリの照り焼きの表面の美味しそうなツヤは、みりんによって作られたものです。
食材の煮崩れ防止
料理にみりんを使うと、煮崩れを防止することができます。食材にみりんが浸透することにより、煮崩れしにくくなるのです。
弱火でコトコト煮る料理の場合、砂糖ではなくみりんを使うことをおすすめします。
みりんの正しい使い方~アルコールを飛ばすには?
みりんにはアルコールが含まれています。料理に使うときにはアルコールを飛ばす(=「煮切り」といいます!)必要があることは、広く知られていますね。
でも、どういうやり方で、どれくらいの時間で飛ばせるのかは悩む方も多いハズ。ここでは、アルコールを飛ばす理由とその方法を、わかりやすくご説明していきます。
すべての「みりん」でアルコールを飛ばす必要はない
みりんには「本みりん」と「みりん風調味料」という2種類が存在します。
「本みりん」がアルコール度数14%前後の「酒類」であるのに対し、「みりん風調味料」はアルコール度数が1%未満の調味料(酒類販売免許がなくても販売可能)です。
そのため、「みりん風調味料」はそのままの状態でドレッシングなどの使い方もできますが、「本みりん」はそのままでは使うことはできず、煮切り必須になります。
アルコールを飛ばすことでみりんの風味Up!
料理にみりんを使うとき、加熱してアルコールを飛ばすことで、アルコール独特の余分な臭みをとることができます。
また、アルコールを飛ばさず料理にみりんを使うと、飲酒と同じことになってしまい、子供や妊婦の健康に悪い影響を与える可能性があります。
特に、離乳食にみりんを使う場合は、十分な「煮切り」を行うようにしてくださいね。
ただ、加熱する料理の場合は、調理の過程でアルコールが飛ぶため、煮切りは不要です。加熱しない料理の場合は、必ず煮切りを行うようにしてくださいね。
みりんのアルコールを飛ばす方法~鍋を使う
料理の中でみりんのアルコールを飛ばすなら、鍋を使うのが手軽でおすすめです。
みりんのアルコール度数は約14度で、沸点が78度くらいです。沸騰した状態で1分ほど加熱するとアルコールが飛びますよ。
みりんのアルコールを飛ばす方法~レンジを使う
レンジでみりんのアルコールを飛ばすこともできます。みりんを耐熱容器に入れ、爆発しないようにふたはせず加熱します。600Wで1分を目安に加熱していきます。
目視で沸騰するのを確認するようにしてください。
みりんの使い方応用編~つゆ・タレ黄金比と活用レシピ
みりんを単独で料理に使うことは、ほとんどありません。「みりん・醤油・酒」といった組み合わせで、和食の調味料として使うことが多いです。
自分で合わせ調味料の分量を考えるのは、案外面倒!味がバシッと決まる「合わせ調味料の黄金比」がわかれば、和食も簡単に作れちゃいますよ。
ここでは「みりんを使ったつゆ・タレの黄金比」をご紹介していきます。活用レシピもあわせて紹介しますので、参考にしてみてくださいね!
みりんを使ったつゆ・タレ黄金比
特に覚えておきたい、みりんを使った「つゆ・タレの黄金比」は、以下の4つです。いろいろな料理に応用でき、夕食の献立のバリエーションが豊かになりますよ!
・「丼ものつゆ」みりん1:醤油1:出汁4
・「煮物つゆ」みりん1:醤油1:出汁8
・「照り焼きのタレ」みりん1:醤油1:昆布
・「煮魚のタレ」みりん1:醤油1:酒1
丼ものや煮物は、少し出汁をきかせるのがコツ。照り焼き・煮魚は味付けしっかりに仕上がる配合比率になっています。
みりんの風味も残しつつ美味しく仕上げるなら、「みりん風調味料」よりも「本みりん」を使うといいですよ。
丼ものつゆを活用した親子丼
「みりん1:醤油1:出汁4」の黄金比で作る「丼ものつゆ」を活用した親子丼です。優しい味わいが魅力的な、定番の家庭料理。ぜひ作ってみてくださいね。
【材料(2人分)】
みりん:30cc
醤油:30cc
出汁:120cc
鶏もも肉:100グラム
玉ねぎ:1/2個
卵:2個
三つ葉:適量
ごはん:2膳
【作り方】
1. 「丼ものつゆ」の材料を用意します。
2. 親子丼の材料をカットします。
3. フライパンでみりんを煮切り、醤油と出汁を加えて、ひと煮立ちさせます。
4. 3に玉ねぎを入れて沸騰させ、鶏肉を入れます。
5. 溶き卵を半量かけ、ふたをして、肉と卵に火を通し、残りの卵を加えて再びふたをして、半熟の状態で火を止めます。
6. 丼に盛ったごはんにかけ、お好みで三つ葉をのせれば完成です!
【ポイント】
卵は2回に分けて入れることで、より美味しく仕上がりますよ。
煮物つゆを活用した肉じゃが
「みりん1:醤油1:出汁8」の黄金比で作る「煮物つゆ」を活用した肉じゃがです。調味料を何度かに分けて入れる必要がないので、簡単に作ることができますよ。
【材料(4人分)】
じゃがいも:中4個
玉ねぎ:中1個
にんじん:中1/2本
牛薄切り肉:150グラム
白滝:1/2袋
いんげん:4本
サラダ油:大さじ1
●みりん:50cc
●醤油:50cc
●出汁:400cc
【作り方】
1. 材料を準備します。
2. じゃがいもは一口大、にんじんは乱切り、玉ねぎは薄くスライス、いんげんは半分にカットします。
3. 牛肉を炒めて、じゃがいも・玉ねぎ・にんじん・白滝を加えて、さらに炒めます。
4. 3に●を加えて、材料が柔らかくなるまで煮て、いんげんを加えて2~3分煮たら、器に盛りつけます。
【ポイント】
完成してから一度冷ますと味が染みて、より美味しくお召し上がりいただけます。
照り焼きのタレを活用した照り焼きポーク
「みりん1:醤油1:昆布」の黄金比で作る「照り焼きのタレ」を活用した照り焼きポークです。ごはんが進む味つけなので、中高生のお子さんがいるご家庭には特におすすめですよ。
【材料(2人分)】
豚ロース肉(1cm厚さ):2枚
みりん(仕上げ用):大さじ1
お好みの付け合わせ野菜:適量
サラダ油:適量
生姜(おろし):大さじ1
●みりん:50cc
●醤油:50cc
●切り込みを入れた昆布:適量
【作り方】
1. 「照り焼きのタレ」を作ります。保存容器に●を入れて、一晩漬け込んでおきます。
2. 材料を準備します。
3. 豚ロース肉の筋に切り込みを入れ、1に生姜を加えたものに、10分程度漬け込みます。
4. フライパンにサラダ油を熱し、豚ロース肉を両面に焼き色がつくまで焼きます。3の漬け汁を戻し入れて煮からませます。
5. 仕上げにみりんを加えます。
【ポイント】
焼くときは、焦げやすいので両面をサッと焼くようにします。漬け汁を戻し入れて、煮からませながら中まで火を通すようにしてください。
煮魚のタレを活用したカレイの煮付け
「みりん1:醤油1:酒1」の黄金比で作る「煮魚のタレ」を活用したカレイの煮付けです。フライパンで作れるので、料理初心者の方にもおすすめですよ。
【材料(2人分)】
カレイ:2枚
長ねぎ:1/3本
しし唐:4本
●みりん:100cc
●醤油:100cc
●酒:100cc
【作り方】
1. 材料を準備します。
2. フライパンに●を煮立て、カレイの切り身を入れて、クッキングペーパーをカレイの上にかけて煮ます。
3. 煮汁が8割くらいになったら、フライパンで空焼きして焦げ目をつけた長ねぎとしし唐を加えて煮ます。
4. お皿に盛り、長ねぎとしし唐を手前に盛りつけます。
【ポイント】
薄口醤油で作っても、美味しく仕上がりますよ。
まとめ:正しい使い方を知ってみりんを料理に活用しよう♪
時間がない中で毎日夕食の準備をする方にとって、みりんは使いにくい調味料かもしれません。
アルコールを飛ばす「煮切り」は面倒に感じられますし、合わせ調味料を作るのにも手間がかかります。
ここでは、料理初心者の方向けに、みりんを使いこなす方法をわかりやすく説明してきました。この記事を参考にして、みりんを活用した和食作りに挑戦してみてはいかがでしょうか?