そんな疑問に答えます。
味噌汁やご飯の位置など、配膳には綺麗に並べるということだけでなく、食べる時の動作が考えられていたり、食事をいただくことの意味が込められていたりします。
目上の人や大切な人と食事を共にする時、マナーはしっかりしておきたいですよね。
この記事では、和食の配膳ルールやそれが生まれた歴史、地域ごとの配膳ルールの違いについて詳しく解説していきます。
目次
味噌汁の正しい位置は右?左?
日頃から正しい配膳について意識していないと、いざ食卓にご飯とお味噌汁を配膳しようとすると「あれ?どっちの位置に置くべき?」と迷ってしまいますよね。
ここでは、ご飯と味噌汁の正しい位置や配膳マナーなどについてご紹介していきます。
味噌汁の位置は右が基本
味噌汁の位置は右、ご飯は左が基本の配膳方法です。右利き、左利きかかわらず、和食の時は、この配膳位置を意識しましょう。
左利きだからといって逆の配膳にしてしまうと、お供物と同じ配膳方法となり縁起が悪くなってしまいます。
ただし、食事しやすいように、箸先を右に向けてセットするのはOKで、これはマナー違反にはなりません。和食の基本となる「一汁三菜」では主菜は右奥、副菜は奥の中央と左の位置に置くようにします。
品数が増えても「どうやって配膳したらいいの?」と混乱しないように、基本の配膳を頭に入れておくといいですね。
味噌汁の位置はどうして右なの?
味噌汁の位置が右の理由は大きく分けて2つあります。
歴史的な背景
日本は古くから「左上位」の思想があります。太陽が昇る東は沈む西よりも尊重されてきましたので、左は右より上位だという考えが古くから浸透しているのです。
また、日本ではお米がお金として使われるぐらいお米は貴重であり特別なものでした。そのためにまずは大切なお米を左側に置き、その右隣の位置には味噌汁などの汁物を配置するという配膳マナーになったと言われています。
お米は大切なものであるということを配置によって表現し、感謝をして食べるという思いが配膳方法にも現れているんですね。
「食べやすい」という理由から
日本人には左利きに比べ右利きの人が多く、「ご飯が右、味噌汁が左」の配膳位置が単純に食べやすいという理由もあります。
右手に箸を持った場合、一番左側にあるご飯茶碗を手にとりやすくなりますよね。ご飯を食べる頻度が一番多く、ご飯茶碗を手に取る回数も必然的に多くなります。
そのために、一番手に取りやすい左側の位置にご飯を、右側に味噌汁を配膳するようになったのです。
食事マナーというと難しいものと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、もう少しカジュアルに捉えてみてもいいかもしれませんね。
味噌汁の位置は地域によってちがうの?
地域によって、味付けの仕方が違っていたり、その地域独自のルールがあったりしますよね。それと同じで、味噌汁やご飯の置く位置なども地域によって違いが出るものの一つです。
どこの地域に行っても、どんな時でも「マナー違反」をすることなく自然と食事を楽しむことができればいいですよね。
「味噌汁の位置が右、ご飯は左」というマナーは地域によってどのような違いがあるのか確認していきましょう。
関西では味噌汁を左奥に置くこともある
関西では左奥、つまりご飯の上の位置に味噌汁を配膳する地域もあるようです。このような配膳になった明確な理由はないとされていますが、「食べやすさ」が関係しているのかもしれません。
味噌汁が右側の位置にあると食べる時に、「手に取りにくい」「こぼしそうで怖い」と感じる人もいるようです。
その結果、味噌汁を手に取りやすい左奥に置く人が増え、それが配膳ルールとして根付いたという地域もあるみたいですね。
しかし先ほど学んだ歴史的背景を考えれば、左奥に味噌汁を配置するようになったのは、後から独自で付け足されたルールのようです。
基本の考えである、ご飯を左に配置するというルールは変わらないので、便宜上このような配膳になっていると考えればよさそうです。
地域にあわせて配膳の仕方は変えるべき?
では「関西に行く時は、必ず味噌汁は左上の位置に置くべきなの?」と心配になりますが大丈夫です。たとえ関西で味噌汁を右側に配膳したからといって「マナー違反」になることはありません。
関西に住む方で「味噌汁を左奥の位置に置く」家庭は確かにあるようですが、全ての方に当てはまるわけではないようです。
基本はご飯が左、味噌汁が右の配膳なので「関西の地域では配膳マナーがちがうところもあるんだな〜」ぐらいに捉えておけばよさそうです。
丼やうどん・そばの時の味噌汁の位置は?
和食の基本の「一汁三菜」ではない時、配膳のルールはどのようになるのでしょうか。基本の一汁三菜だけでなく、このような和食を食べる機会も多いですよね。
その際に混乱することがないように、丼やうどんの時の配膳の仕方をみていきましょう。
丼の配膳の仕方
丼の時も丼は左、味噌汁の位置は右です。ただ、一つだけ例外があります。丼が大きすぎて持ち上げて食べることができない場合に限っては、味噌汁をあえて丼の左側の位置に置くこともあるようです。それ以外の場合は、和食の内容が変わったとしても基本的なルールは変えず、ご飯は左の位置と覚えておけば大丈夫です。
麺類の配膳の仕方
麺は主食と考えるので、ご飯と同じ左側の位置に配膳するのが正しい配膳方法です。しかし、そばやうどんにご飯がついてくる場合もありますよね。
その時はご飯を左側に配置し、麺類は味噌汁等の汁物と同じ右の位置としましょう。ご飯がある場合は左に配置し、ない場合は主食(麺類)となるものを左にと頭に入れておけばいいでしょう。
配膳・食事のマナーについて詳しく知りたい!という方は、読みやすくまとめられた書籍もいくつかありますので、こちらも参考にしてみてくださいね。
まとめ:「味噌汁の位置は右、ご飯は左」を意識しよう
マナーとは格式ばっていて、難しいものだと思いがちですが、日頃から意識していれば難しいことはありません。
いきなりマナーを意識するから難しいと感じ、失敗してしまいます。家で和食をいただく時にも、「味噌汁の位置は右、ご飯は左」のルールを守り配膳をしてみましょう。
毎日の食事から「誰も見ていないからテキトーでいい」と思わず、いつどこでもマナーを意識して食事をすることを心がけることが大切です。
マナーとは日々の積み重ねが現れてくるものです。あなたの食事姿を見て誰かががっかりするのはあまりにももったいなく残念です。
そして「楽しく、感謝をしながら食事すること」が一番です。昔の人が「ご飯を大切なものだとし、左に配膳した」ということが表しているように、配膳にも意味があります。
配膳の意味をしっかり理解し、楽しい食事時間を送りましょう。