海外に住んでいると、
と、マヨネーズはよくでる話題の一つ。
さらに、日本のマヨネーズが海外の通販サイトで人気だったり、ピザにマヨネーズをかけて食べる日本人への海外の反応がテレビで話題になっていたり、というのは聞いたことはありませんか?それだけ、マヨネーズは世界中で愛されている調味料。
今回は、海外在住者に聞いた各国のマヨネーズ事情と海外でもおいしいマヨネーズを食べる方法をご紹介します。
海外と日本のマヨネーズ四つの違い
海外でもマヨネーズはどこにでもある、ポピュラーな調味料。しかし、欧米、アジアを問わず、マヨネーズの中でも、日本のマヨネーズがおいしく、どんな料理にも合うと人気です。
そんな、日本のマヨネーズのおいしさの理由を紹介します。
1.卵が違う
マヨネーズの主な原材料は三つ「卵・酢・油」です。
日本で売られているマヨネーズは、卵黄をたっぷり使ったものが主流。一方で、海外では全卵を使ったマヨネーズが多く販売されています。
海外製のマヨネーズを食べたことがある方はわかると思いますが。日本のマヨネーズに比べて、別物ではないかと思うくらいに色が白いのは、全卵を使っているからです。
さらに、日本のマヨネーズは卵黄をたっぷり使うことで、黄色味のある色とコクのある味になっています。海外では日本のマヨネーズは「クリーミー」と表現されていますが、海外でも濃厚な味が受けているのかもしれませんね。
2.酢が違う
三つの材料のうち、使われている酢にも違いがあります。
日本のマヨネーズは、日本人が食べなれている米酢を主に使っています。さらに、酸味が穏やかなりんご酢が使われることもあります。海外では、そもそも米酢自体が一般的ではないので、違う種類の酢が使われています。
フランスでは白ワインビネガー。アメリカでは高酸度醸造酢と呼ばれる、野菜を発酵させて作られる酢が使用されています。
これらのお酢は日本の米酢に比べ、ツンとしたにおいと酸味が強いのが特徴です。反対に日本の米酢はやわらかい、まろやかな酸味が特徴。このお酢の違いによるやさしい味が、海外でも受け入れられた理由の一つではないでしょうか。
3.UMAMI(うま味)が違う
おなじみのキューピーマヨネーズ、味の素のピュアセレクトマヨネーズのどちらにも、「調味料(アミノ酸)」が原材料として表示してあります。アミノ酸はグルタミン酸やイノシン酸に代表されるように、「うま味」のもと。
うま味は甘味、酸味、塩味、苦味に続く5番目の基本味として、1908年に日本で発見されました。うま味調味料として、日本国内で最も有名なのは「味の素」です。
現在では日本食ブームとともに、「UMAMI」として世界中に広がっています。
そんなうま味が入ったマヨネーズ、海外で「日本のマヨネーズはUMAMIがある」とも表現されており、日本人としてちょっと誇らしい気分ですよね。
4.容器が違う
海外でよく見かけるのは瓶入りのマヨネーズ。おしゃれなデザインではそちらに軍配を上げたいところ。しかし、私たちになじみのある、絞り出し式容器にはおいしさを保つため、さまざまな工夫がされているのです。
実は、日本のマヨネーズには保存料・酸化防止剤が使われていません。マヨネーズに含まれる酢や食塩は細菌の繁殖を防ぐ力があり、腐りにくいのです。
この力はとても強く、マヨネーズは保存料を添加する必要がありません。しかし、油をたくさん使うマヨネーズは酸素と触れることによる「酸化」が起こりやすい食品です。
そのため、日本のメーカーの多くはポリエチレン層の間に酸素を通しにくい層を挟み込んだ、多層構造ボトルを採用。さらに、開封前の口部はアルミシールを貼ることで、酸素を遮断しています。
日本のマヨネーズがおいしいといわれるのは、容器にまでこだわる日本メーカーの努力があってこそ。というわけです。
【海外在住者に聞いた】海外マヨネーズ事情
ロシア:世界一マヨネーズ好きな国
ロシアでは、マヨネーズは「майонез(マイヨネズ)」と呼ばれています。
実はマヨネーズの消費量が一番多い国はロシア。ロシア人を夫にもつ友人に聞いたところ、ロシア人はとにかくなんにでもマヨネーズを入れるそう。
例えば、肉を漬け込んで焼いたり、ロシア風水餃子をマヨネーズで食べたり、スープに入れたりとなんでもありだそうです。
さらには、「ロシア料理はマヨネーズがないと成り立ちません」と言い切っていました。マヨネーズの食べ方は、日本と似ているように感じます。
そんなロシアの代表的なマヨネーズ料理は「サラダ・オリヴィエ」と呼ばれる、ポテトサラダ。肉と野菜を丸のまま茹で、角切りにしてマヨネーズと合えた料理です。
ロシアのマヨネーズは、他の海外製と比べ甘すぎたり、酸味が強かったりということはなく、日本のマヨネーズと似ているそう。
現在フランス在住の彼女の家庭では、フランスのマヨネーズは口に合わず、オンラインショップでロシアのマヨネーズを買っているそうです。
アメリカ:海外マヨネーズの代表的存在
日本のマヨネーズはアメリカから伝わったので、呼び方も同じ。「mayonnaise(マヨネーズ)」。アメリカに長く住んでいた友人によると「mayo(マヨ)」でも通じるそう。
もちろん、マヨネーズの大量消費国の一つ。
しかし、マヨネーズをそのまま使うことは少なく、ケチャップに混ぜてソースにし、サンドイッチ、ハンバーガーのソースとして、またフライドポテトにつけるのが主流。なんとも、アメリカらしい使い方ですね。なので、マヨネーズそのものがあまりおいしくないのも事実。
日本で海外製マヨネーズというとアメリカの白いマヨネーズを思い浮かべる人が多いため、「海外のマヨネーズ=おいしくない」というイメージがついたと考えられます。
アメリカで人気のマヨネーズ、日本でも手に入れることができます。
これが代表的なアメリカのマヨネーズの味とのこと。サンドイッチにするとおいしいとか、ケチャップとの相性がいいとか。使い方によってはおいしく食べられるそうです。興味のある方は、未知のマヨネーズの味を試してみては?
フランス:マヨネーズは手作りが基本
マヨネーズはもともと、フランス語が起源です。「Mayonnaise(マイオネーズ)」と呼ばれています。
先ほど、ロシアのマヨネーズの紹介でもでてきたフランスのマヨネーズ。フランス在住の筆者もたまに食べますが、甘いのが特徴。正直、おいしくありません。
フランス人家庭では、マヨネーズは家庭で手作りするのが普通。フランス人と結婚している友人は、マヨネーズを買ってきて家族に驚かれたそうです。だから、市販されているマヨネーズがおいしくなくても、フランス人的には問題ないのかも。
フランスの家庭で作られるマヨネーズの特徴は、マスタードの代名詞ともいえるディジョン・マスタードが入ること。
フランス人はこのマヨネーズを、茹でた海老やつぶ貝につけて食べるのが大好き。なので、海辺のレストランに必ずある、海鮮の盛り合わせには必ずたっぷりのマヨネーズがついてきます。
スペイン:マヨネーズ発祥の地
マヨネーズはフランス語ですが、発祥はスペインと言われています。18世紀半ば、スペインのメノルカ島にフランス軍が攻め入りました。
フランス軍の公爵がマオンという港町のレストランで食べた、卵黄とオリーブオイルで作られたソースがたいへん気に入り、パリで「Mahonnaise(マオンのソース)」という名前で紹介したそうです。それが、アレンジされ現在の「Mayonnaise(マイオネーズ)」になったそうです。
スペインにも、マヨネーズはあり、「Mayonesa(マヨネサ)」と呼ばれています。マヨネサは、酢ではなくレモン果汁、油はオリーブオイルが使われています。この、マヨネサにニンニクをたっぷり加えたものがアイオリソース。魚や肉・魚料理などに添えられます。
海外で進化しているマヨネーズを使った料理
ひと昔前、日本はなんにでもマヨネーズをかける奇妙な国と思われていました。しかし、日本食ブームもあり、日本独自のマヨネーズがどんな料理にでも合う万能調味料として人気が出てきています。
実際、マヨネーズを使った創作寿司、カリフォルニアロールが食べられていたので、ご飯とマヨネーズの組み合わせは違和感が少ないかもしれませんね。海外でも日本のマヨネーズを使った料理がどんどん進化しているようです。
辛いシラチャーソースと合わせたスパイシーな創作寿司
※シラチャ―ソースは旨辛のホットソースです。通販でも手に入りますよ!
日本人としてはもったいないと思ってしまう使い方。トリュフオムレツに、マヨネーズ。
日本人には思いつかない使い方、これからも海外でのマヨネーズ料理の進化に目が離せませんね。
持ち込みは可?海外でも日本のマヨネーズを食べる方法
日本からの持ち込みには注意が必要
ドイツやオーストラリアでは卵製品の持ち込みに規制がかかっています。マヨネーズも全面禁止というわけではありませんが、規制の対象です。
知らずに持ち込むと、痛い目にあう可能性も。マヨネーズを海外へ持ち込んだり、送ったりするときは各国の検疫情報を調べることが大切です。
また、マヨネーズは液体とみなされるため、飛行機機内への持ち込みにも注意が必要。ただし、100ml以下でさらに、ジッパー付きの透明な袋に入れる事で持ち込みが可能になります。
持ち込む際は、液漏れ対策をしたうえで預け入れ荷物がよさそうですね。
海外での購入も可能
海外で見かける日本のマヨネーズ、ほとんどがキューピーマヨネーズです。キューピーのホームページによると、
現在、中国、東南アジア、ヨーロッパ、アメリカで製造販売しているキユーピーマヨネーズ。日本と同じテイストに仕立てたキユーピーマヨネーズの他、日本のマヨネーズ製造で培った技術で、その国々の食文化に合わせて開発されたマヨネーズも製造・販売されています
引用元:キユーピーホームページ
とのこと。
そのため、大型スーパーや日本食材店、アジア食材店で日本のマヨネーズを手に入れることができます。近くに、売っているお店がなくてもネットスーパーでも買うことが可能。
調べてみたところ
・アメリカのアマゾンで、500g8.9$。
・フランスの日本食材店で、500g6.95 €
で販売されていました。どちらにしても、日本と比べるとかなり割高ですね。(2021年4月14日調べ)
挑戦する価値あり!自家製マヨネーズ
海外で気に入ったマヨネーズが手に入らなければ、手作りマヨネーズもおすすめです。日本のマヨネーズと全く同じ味とはいきませんが、米酢や香りの少ないサラダ油を使用すれば日本のマヨネーズに近いものが出来上がります。
材料
・卵黄……2個分
・米酢……大さじ2
・マスタード……小さじ1/2
・塩……小さじ1/2
・砂糖……一つまみ
・サラダ油……200ml
作り方
1.ボールにサラダ油以外の材料をすべて入れ、泡だて器またはハンドミキサーを使いよく混ぜ合わせます。
2.そこに、サラダ油を少しずつ加えながら、均一に混ざり、とろみがつくまでよく混ぜたら完成です。
米酢がなければりんご酢や他のフルーツ酢。油はグレープシードオイルが、くせがなく代用可能。もし、手に入れば顆粒だしやうま味調味料を加えると、さらに食べなれた味に近づきます。
たかがマヨネーズされどマヨネーズ海外へのお土産に
海外のマヨネーズ事情、いかがでしたか。「意外!!」と思う発見があったり、それでもやっぱりみんなマヨネーズが大好きなんだと分かったり、おもしろいですね。
そして、日本人には当たり前の、あのおいしいマヨネーズを食べるため、海外ではちょっとした努力が必要。海外に暮らす知り合いにお土産にすると、喜ばれるはずですよ。