お菓子作りに欠かせない、ベーキングパウダー。
レシピに書かれている分量は、他の材料と比較して、本当に少量。計りづらいですし、ちょっと油断すると入れすぎてしまいます。
また、そんなに慎重に計らなくても大丈夫では?と、ついつい多めに入れたりしていませんか。今回は、ベーキングパウダーの入れすぎによる影響と、入れすぎた時の対処法をご紹介します。
目次
ベーキングパウダーを入れすぎたケーキはどうなるの?
ベーキングパウダーを入れすぎてしまったケーキ、そのまま焼くとどうなると思いますか?ベーキングパウダーの入れすぎは、見た目だけでなく、味にも影響を及ぼしてしまいます。
ここでは、ベーキングパウダーを入れすぎてしまったケーキはどうなってしまうのか?また、その理由を解説します。
膨らむ?膨らまない?
ベーキングパウダーは、重曹・酸化剤・でんぷんの3つを主な原料とした「膨らし粉」です。膨らし粉というくらいですから、どんどん膨らんでフワフワのケーキが出来上がりそうですよね?
残念ながらそんなに上手くはいきません。作る生地の種類や入れすぎた量の度合いによって、出来上がりは違いますが、確実に見た目は悪くなってしまいます。
例えば…
- 膨らむが、中が空洞
- 膨らみすぎて、破裂。結果、生地がしぼんでしまう
- 型から生地があふれてしまう
といったことが起こります。見た目も大事な、ケーキにとって致命的ですよね。
おいしくない?
見た目は悪くても、食べたらおいしいのでは?ベーキングパウダーを入れすぎてしまうと、味や触感にも悪影響があります。
苦くなる
苦みの原因は、原料として入っている重曹の影響です。重曹は調理中、水と熱に反応して、二酸化炭素と炭酸ナトリウムになります。この、炭酸ナトリウムが苦みの原因になるのです。
舌がピリピリする
これは、反応しきらずに残った重曹がアルカリ性だからです。アルカリ性のものが、舌に触れるとピリピリっとした感じることがあります。
パサパサした生地になる
ベーキングパウダーは、水と熱に反応してケーキを膨らませます。そのため、入れすぎてしまうと生地中の水分の多くをその反応に使われてしまうので、焼きあがった生地の水分量が少なくなり、パサパサとした食感になってしまうのです。
体に悪くないの?
ベーキングパウダーが体に悪いというのは聞いたことはありませんか?それは、ベーキングパウダーに含まれるアルミニウムは体にさまざまな悪影響があるといわれているからです。
厚生労働省によると、現時点でアルミニウムの摂取量の平均値は小児も含めたすべての年代層で許容量を下回っています。また、アルミニウムは農作物や魚介類など多くの食品から日々摂取しています。
ベーキングパウダーを、特別に避ける必要はなさそうです。小さなお子様に、手作りお菓子を作るなど、心配な時はアルミニウムが入っていない、アルミニウムフリーのベーキングパウダーを選んでください。
アルミニウムフリーのベーキングパウダーはオンラインでも買うことができますよ。
ベーキングパウダーを入れすぎた時の対処法
では、ベーキングパウダーを入れすぎた生地はもう捨てるしかないのでしょうか?
もう、レシピの3倍、4倍と入れてしまったという場合は捨てた方がよいときもありますが、少し入れすぎたしまったという程度であれば、次の方法を試してみてください。
1.そのまま焼く
本当に、少量だけ入れすぎてしまったという時は、味にはあまり影響はありません。そのまま焼いてみましょう。
もともとあまり膨らまないビスケットやクッキーは大丈夫ですが、型に入れて焼くパウンドケーキなどは、膨らみすぎて型からあふれてしまう可能性があります。型に流す生地の量を少なめにしてください。
2.材料を足す
二つ目は、ベーキングパウダーを入れすぎた分、他の材料を足すことです。例えば、レシピではベーキングパウダー3gとなっているところ、5g入れてしまったら…
5÷3=1.66666となるので、他の材料分量も1.7倍となるように足していきます。
3.副材料を足す
もう一つは、他の材料や甘みを足して苦みをごまかすという方法です。
パウンドケーキやクッキーなら、ナッツやチョコチップ、ドライフルーツを加えて。蜂蜜も、独特の甘みが苦みをごまかしてくれます。
また、レモン汁を加えるとレモンの酸がアルカリを中和して舌がピリピリするのが和らぎます。他の副材料が入ることで、少しですが生地の膨らみも抑えられます。
4.焼きあがってから、トッピング
焼きあがってから苦みやパサパサ感に気づいたときは、ホイップクリームやアイスクリームを添えてみてください。クリームの脂肪分が苦みをカバーして、しっとり感も補ってくれますよ。
ベーキングパウダーの入れすぎを事前に防ぐには
お菓子作りをよくする方はよくご存じだと思いますが、他の材料に比べてベーキングパウダーの使用量は本当に少量ですよね。レシピを見ると「小さじ1」や「5g」と表示法もさまざま。
この少量のベーキングパウダーですが、少なすぎても、入れすぎても失敗の原因になります。お菓子作りでは、できるだけ正しく計量することが、失敗を防ぐポイントです。
ベーキングパウダーを正しく計量するには、0.1g単位で計れる、キッチンスケール(はかり)を使うことがおすすめです。さらに、直接他の材料に加えずに、別の容器で計量してから加えるようにしてください。
↓おすすめのスケールはこちらです↓
これから、いろんなお菓子作りに挑戦したいという方はぜひ揃えておきたいアイテムの一つです。
ただ、頻繁にお菓子作りをするのでなければ、0.1g単位で計れるスケールを購入するのはちょっともったいないですよね。そんな場合は、軽量スプーンを使って計量しましょう。
- 小さじ1/2…2g
- 小さじ1…4g
- 大さじ1…12 g
となります。計量スプーンを使う時は、「すりきり」にして正確に計量してください。「すりきり」とは、一度山盛りにすくってから、スプーンのふちに沿って平らにならすことです。
まとめ:ベーキングパウダーの入れすぎは失敗の原因に正確な計量が大切
ベーキングパウダーを入れすぎてしまうと、生地が膨らみすぎて型からあふれてしまったり、逆に縮んでしまったり、苦みが出てしまったりと失敗の素。
対処法もご紹介しましたが、一番は入れすぎを防ぐこと。ベーキングパウダーを正しく計量するには、使用しているスケールを見直したり、計量スプーンを使うようにしましょう。
家族や友人にも喜ばれるお菓子を作れるようになりたいですね。