ポン酢は醤油に比べて塩分も少ないので、お醤油代わりにポン酢を使っているご家庭も多いのではないでしょうか。
プロの作ったポン酢はおいしいですね。少し時間はかかりますが、自宅でも簡単にプロのようなおいしいポン酢が作れます。
この記事ではご家庭で作るおいしいポン酢の作り方や、アレンジポン酢、ポン酢を使った料理をご紹介します。
目次
プロも作る美味しいポン酢の作り方って?
ポン酢は夏には冷奴やさっぱり味の料理に、冬は鍋に欠かせない、一年中大活躍の調味料です。どこのご家庭でも一本は常備しているのではないでしょうか。
市販のポン酢もおいしいですが、一手間加えて手作りするとお店で食べるようなプロの味になります。ではまずポン酢とはどういうものか見ていきましょう。
「ポン酢」と「ポン酢醤油」は別物
ポン酢は柑橘類の果汁とお酢を混ぜたものです。市販の調味料で「ポン酢」の名前で売られているのは、黄色い半透明の見た目をしたポン酢になります。
黒っぽい見た目の「味ぽん」などの調味料は、ポン酢に醤油を足したものです。これは、「ポン酢醤油」「味付けポン酢」などが本来の呼び方です。
現在ではポン酢醤油が国内に流通するポン酢商品のほとんどを占めているために、醤油の入ったものを「ポン酢」と呼ぶのが一般的になっています。この記事でもポン酢しょうゆをポン酢として扱っていきます。
簡単即席ポン酢の作り方
まずは家にある材料だけで簡単にサッと作れる、即席のポン酢の作り方です。必要な分だけ作れて、余ったら冷蔵庫で3週間くらい日持ちします。
【材料】1人分
・醤油:大さじ1杯
・酢:大さじ1杯
・みりん:小さじ1杯
・レモン汁:少々
【作り方】
1.みりんを耐熱容器に入れ、ラップをしないでレンジで10秒くらい加熱します。
2.みりんのあら熱がとれたら、残りの材料を良く混ぜて完成です。
【ポイント】
みりんのアルコールが気にならない人は、加熱しなくてもOK。柚子やかぼすなどの柑橘類の果汁があれば、酢と半々に入れるとおいしくなります。
【プロ級!】自家製手作りポン酢の作り方
市販のポン酢は便利ですが、一手間かけて手作りした自家製のポン酢は自然でやわらかなうまみがあって、プロ級のおいしさです。
市販のポン酢は化学調味料が使われていることが多いですが、手作りなら無添加で作ることができます。ここからは時間をかけてじっくり作る、本格的なポン酢の作り方をご紹介します。
柚子ポン酢の作り方
定番の柚子を使ったポン酢の作り方です。青柚子で「青柚子ポン酢」、柚子以外の柑橘類を使って「すだちポン酢」「かぼすポン酢」「レモンポン酢」なども同じ分量で作ることができます。
【材料】
・柚子:5~6個
・酢:柚子果汁と合わせて200mlになる量
・みりん:50ml
・濃口醤油:200ml
・だし昆布:10cm
・かつお節(薄削り):1つかみ(10g)
【作り方】
1.柚子は半分に切って果汁を絞ります。
2.みりんを煮切るか、電子レンジでラップをせずに30秒~1分加熱します。
3.大きめのボウルに柚子果汁、酢、みりん、濃口醤油を入れて混ぜます。
4.だし昆布とかつお節を入れ、ラップやフタをして冷蔵庫で24時間以上寝かせれば完成です。
5.寝かせる時間は10日~1週間くらいにすると、熟成されたうまみが出ます。苦みが出るので昆布は5日目に取り出してください。
6.きれいなガーゼやキッチンペーパーで濾します。保存瓶に入れて冷蔵庫で保存してください。
【ポイント】
柚子が手に入らないときは、市販の黄色いポン酢や柑橘類の100%ジュースを使って作ることもできます。保存期間は冷蔵庫で1~3か月です。
お酢を使っているので、保存容器はガラス製がおすすめです。フタのできる調味料入れなら、そのまま料理に使えますよ。
柑橘類やレモンなしのポン酢
柑橘類が苦手な人やアレルギーのある人は、柑橘類やレモンの代わりにお酢を使ってポン酢を作ることができます。作り方や分量は基本の柚子ポン酢と一緒です。
柚子などの柑橘類が入らないと、柑橘系のいい香りがしないのと、酢のツンとする酸味が気になるかもしれません。酢のすっぱさが苦手な人は酢の分量を減らしたり、甘味を加えたりすると味がまろやかになりますよ。
初めは少量作って味を確かめて、2回目以降は好みの味に調整するといいですね。
青梅を使った梅ポン酢の作り方
梅ポン酢の作り方は2種類あります。まずは柑橘類の代わりに梅を使って作るポン酢です。梅酒などで余った青梅があったら、作ってみましょう。
【材料】
・青梅:4~5個
・酢:100ml
・みりん:50ml
・濃口醤油:200ml
・かつお:1つかみ(10g)
【作り方】
1.梅は洗ってたっぷりの水に1~2時間入れ、アク抜きをします。
2.梅をざるなどにあけて、ヘタを爪楊枝や竹串で取ります。
3.みりんを煮切るか、電子レンジでラップをせずに30秒~1分加熱します。
4.密閉容器に梅を入れ、醤油、酢、みりん、かつお節を入れます。
5.3週間~1カ月くらい漬け込むと、梅がしわしわになって梅エキスがしっかりと出た梅ポン酢になります。
6.梅を捨ててキッチンペーパーなどで濾し、密閉容器に入れます。冷蔵庫で保管して半年~1年保存できます。
【ポイント】
最初の数日は1日1回ビンをよく振って混ぜましょう。すっぱいのが苦手な人はお酢の量を調整してください。
梅酢を使う梅ポン酢の作り方
梅ポン酢のもう1つの作り方は、梅酢を使った方法です。梅酢は梅干しを作るときにできる副産物で、梅のエキスと塩が入った塩辛くてすっぱい液体です。
梅が手に入ったら梅干しにチャレンジして、梅酢を梅ポン酢にしてみましょう。
【材料】
・梅酢:200ml
・醤油:小さじ1杯
・みりん:50ml
・酒(水でもOK):150ml
・だし昆布:10cm
・かつお節(薄削り):1つかみ(10g)
【作り方】
1.みりんと酒は鍋で煮切ってアルコールを飛ばし、あら熱を取っておきます。
2.保存容器にすべての材料を入れて、冷蔵庫で24時間以上寝かせます。
3.次の日から使えますが、10日~1週間くらい寝かせるのがおすすめです。昆布は5日目に取り出しましょう。
4.きれいなガーゼやキッチンペーパーで濾します。保存瓶に入れて冷蔵庫で保存してください。
【ポイント】
梅酢は塩分濃度が18~20%のため、醤油は色付け程度に使います。酒の代わりに水を使うと、あっさりした味になります。
赤梅酢を使って作ると、しその香りのするピンク色の梅ポン酢になりますよ。梅酢は市販もされています。
【簡単プロの味】アレンジポン酢の作り方
一口にポン酢と言ってもいろいろな作り方があって、それぞれに違ったおいしさがあります。熟成させることで、プロが作ったような深い味になることがわかりました。
おいしいポン酢が出来たら、さらに一手間加えると使い道が広がります。ここからは簡単にできるアレンジポン酢の作り方をご紹介します。
手作り和風ドレッシングの作り方
おいしいポン酢を使って和風ドレッシングを作りましょう。作り方はかんたん、ポン酢と油を3:1の割合でよく混ぜて塩、こしょうを少々振るだけです。
お好みで刻んだ大葉や小ねぎを入れてもおいしいですよ。油はサラダ油やごま油などお好みでOK。オリーブオイルを使うとイタリアと日本の和洋折衷のドレッシングになります。
【鍋やドレッシングに】ごまポン酢の作り方
ポン酢はごまとの相性がばっちりです。市販のごまだれもおいしいですが、自分で作るとごまの香りがしっかりとした、お店で出て来るプロの味になりますよ。
【材料】
・すりごま:大さじ3杯
・ポン酢:100ml
【作り方】
1.すり鉢にすりごまを入れて、すりこぎでペースト状になるまですります。
2.1.に少しずつポン酢を混ぜていきます。全部混ざったら完成です。
【ポイント】
味が濃いようなら、水で味を調整してください。すりごまの代わりに練りごまを使ってもOK。
【お肉やお魚に】玉ねぎポン酢の作り方
揚げ物やサラダ、肉料理にも大活躍の、プロも使う玉ねぎポン酢を手作りしましょう。
【材料】2人分
・たまねぎ:1/4個
・ポン酢:50ml
【作り方】
1.玉ねぎはみじん切りにします。
2.器に玉ねぎとポン酢を入れ、よく混ぜて一晩寝かせれば完成です。
【ポイント】
甘酸っぱい味が好きな人は、お好みで砂糖を入れて味を調節してください。玉ねぎは半分をすりおろすとうまみが出ます。
すぐ使いたいときは玉ねぎをスライスして塩もみし、水に30分くらいさらして辛味を取ってから作ってください。
【プロも作ってる】ポン酢を使った料理の作り方
おいしいポン酢を作ったら、毎日の食卓でいろいろな料理に使いましょう。ポン酢はどんな食材にも合い、そのままかけて使ったり、つけ汁にしたりさまざまな使い方が出来ます。
ここからはポン酢を使った料理の作り方をご紹介します。手作りの美味しいポン酢を使えばプロのような味になりますよ。
鶏皮ポン酢の作り方
居酒屋で出て来るプロの味、鶏皮ポン酢の作り方です。揚げないプリプリの鶏皮をポン酢でいただきます。鶏皮の代わりにせせりや、普通の鶏肉を使っても作れますよ。
【材料】2人分
・鶏皮:100g
・ポン酢:大さじ1杯
・小ねぎ:1本
【作り方】
1.小ねぎは小口切りにします。
2.鍋にお湯を沸かして、鶏皮を入れて5分ゆでます。
3.お湯を切り、鶏皮を流水でよく洗い、キッチンペーパーで水分をふき取ります。
4.鶏皮を食べやすい大きさに切り分け、ポン酢を混ぜます。
5.器に入れて、小ねぎをトッピングしたら完成です。
【ポイント】
お好みで七味やレモン汁をかけてもおいしいです。鶏皮をゆでたお湯はダシが出ていますので、捨てずにスープなどに使えますよ。
もみじおろしポン酢で水炊き鍋
もみじおろしは大根に鷹の爪を刺して一緒にすりおろすのが一般的ですが、一味唐辛子を使えば楽に作ることが出来ます。ポン酢とは相性抜群。鍋の季節に大活躍しますよ。
【材料】2人分
・大根:5cm
・一味唐辛子:少々
・ポン酢:50ml
・鍋の具材:お好みで
【作り方】
1.大根の皮をむいてすりおろし、水分を絞って一味唐辛子と混ぜます。
2.器にポン酢を入れ、もみじおろしを乗せます。
3.鍋に水と昆布を入れ、お好みの具材を入れフタをして加熱します。フタの穴から蒸気が出たら食べごろです。
【ポイント】
一味唐辛子の量はお好みで調節してください。辛いのが苦手な人はにんじんを少しすりおろして混ぜると、まろやかな味になります。
【大人の味】白子ポン酢の作り方
たらの白子はお店でプロの作ったものを食べるイメージがありますね。家で作るのは少しハードルが高いような気がします。実は思ったよりも下ごしらえは簡単にできますので、チャレンジしてみてくださいね。
【材料】2人分
・たらの白子:100g
・塩:少々
・酒:大さじ2杯
・ポン酢:大さじ2杯
・きざんだ小ねぎ:ひとつまみ
・もみじおろし:大さじ2杯
・レモン(お好みで):2かけ
【作り方】
1.ボウルに水を入れ、白子をやさしく洗って血やぬめりを取ります。
2.一度水を捨てて再度水をいれ、塩を水に溶かして白子を丁寧に洗います。
3.キッチンばさみなどで、白子をつないでいる赤い筋を切り取ります。
4.白子を食べやすい大きさに切り分けます。
5.鍋にお湯を沸かし、沸騰しない程度で白子を1~2分ゆでます。
6.ボウルに冷水を入れ、酒を溶かします。
7.ゆでた白子を冷水に入れ、あら熱を取ります。
8.器に白子を盛り付け、ポン酢、小ねぎ、もみじおろしを入れて完成です。お好みでレモン汁をかけてください。
【ポイント】
白子は火を通し過ぎるとぱさぱさした食感になるので、加熱し過ぎないように注意しましょう。
【さっぱり食べやすい】ぶりのポン酢照り焼き
脂の乗ったぶりをポン酢でさっぱりした照り焼きにしましょう。小骨のないぶりはお子さんも食べやすいですね。ぶりの代わりにハマチを使っても作れます。
【材料】2人分
・ぶり:2切れ
・塩:少々
・ポン酢:大さじ2杯
・みりん:大さじ1杯
・サラダ油:小さじ1杯
【作り方】
1.ぶりは塩を振って10分程度置いておきます。
2.フライパンに油を入れて熱し、ぶりを焼きます。
3.ぶりの両面に火が通ったら、ポン酢とみりんを入れて味を絡めるように火を通します。
4.ぶりを器に盛り付けて完成です。
【ポイント】
お好みで長ネギや小ねぎを添えましょう。大葉を添えてもさっぱりとおいしいです。
ポン酢の作り方はプロに学めばおいしくできる
1年中食卓に欠かせない万能調味料のポン酢は、一手間かけた作り方でお店のプロの味になることがわかりました。一度作ったらもう市販のポン酢には戻れない人も多いそうですよ。
定番のポン酢にごまや梅などを使ってもおいしいですし、もみじおろしとは相性が抜群ですので、いつものポン酢にプラスしていろいろなアレンジを楽しめます。
食欲の落ちる夏にもポン酢でさっぱりと食べられますし、冬は鍋に大活躍します。ぜひおいしいポン酢を作ってみてくださいね。