あまり耳にする機会がない「大豆油」。でも日本の消費量は菜種油の次といわれるほど、実は身近な存在なんです。
この記事では、そんな大豆油の成分の特徴や用途。そして、混同することの多いサラダ油との違いをご紹介していきます。
目次
大豆油ってどんな油?どんな特徴があるの?
大豆油というオイルをご存じでしょうか。菜種油やオリーブオイルは耳にする機会が多いですが、大豆油はあまり知らないという方も多いのではないでしょうか。
大豆油ってどんな油?用途は?
醤油や味噌の原料である大豆は日本人にとってとても身近な存在ですが、そんな大豆を使った油があるんです。
大豆油は実は代表的な油
大豆油は名前の通り、原料となる大豆を絞ることで作られるオイルです。あまり名前が知られていない大豆油ですが、日本における植物性油の4割を占めています。
これは最もポピュラーな菜種油に次ぐ、2番目に多い量となります。大豆の味が全面に出ることはなく、無味無臭なので、使いやすいオイルです。
また比較的安価で手に入りやすい大豆から作られているとあって、安く手に入る大豆油は飲食業界などでも重宝されている大豆油です。
大豆油は何に使われていることが多い?
そんなに流通しているというのに、なぜ私たちは大豆油についてあまり知らないのでしょうか。
それもそのはず、大豆油の多くはほかのオイルと混ざっていることが多いのと、加工されていることが多いんです。
例えば、サラダ油やドレッシングを作る際に大豆油を使うことがよくあります。また、マヨネーズやマーガリン、ショートニングなどに加工されていることもあります。
純正大豆油を見ることは少なくても、実は生活のあちこちに大豆油が使われているんです。ちなみに、大豆油は食用に限らずスキンケア用やバスオイル、化粧品としても幅広く使われています。
混同しがちな大豆油とサラダ油の違い
大豆油について調べていくと「サラダ油との違いは何?」と混乱することがあります。大豆油とサラダ油の違いを見てみましょう。
大豆から作られる大豆油
大豆油とは、まさに大豆を圧搾し絞り出すことで作られるオイルのことです。
純正大豆油として消費されることもありますが、ほかのオイルや調味料と混ぜてあったり、マヨネーズなのど加工品に使われることが多いです。
また菓子パンや総菜、レトルトなどにも多く含まれています。
様々な原料から作られるサラダ油
サラダ油とは、さまざまな植物性油を原料として作られる油のことです。例えば菜種油やコーン油、大豆油などを混ぜて作られます。
サラダにかけるドレッシングとして使えるように、精製度を高めたオイルであり、冷蔵庫に入れておいても固まったり濁らないなどの基準があります。
サラダ油を見かけた際には、ぜひ食品成分表示を見てみてください。原材料のところに「大豆油」も入っているかもしれません。
大豆油の成分は健康に良いの?気になる栄養価
大豆から作られていると聞くと、醤油や味噌のように体に良い気がしますよね。大豆油の具体的な栄養価を確認してみましょう。
生活習慣予防に効くオレイン酸
大豆油に含まれているオレイン酸は、悪玉コレステロールを減らす役割をもっています。血管の状態を良くするという効果が期待できるため、生活習慣病の予防するといわれています。
またオレイン酸は、小腸で吸収されにくく、大腸に届きやすいという性質を持っていて、大腸の活性化に力を発揮します。
腸を活性化しつつ、潤滑油としての役割を果たしてくれるため、便秘を解消しやすくなります。
美肌維持に効果のある大豆レシチン
大豆に含まれるレシチンは、血管にこびりついたコレステロールをはがしたり、体の中の老廃物を流しだす役割を持っています。
不要なものを押し出して、血行を良くしてくれることで、必要な栄養素が適切な場所に届くようになります。
よって、美肌効果に繋がったり、シミやそばかすなどを防ぐという嬉しい効果に繋がります。血流が良くなることで動脈硬化の予防や肝機能の向上にも期待できます。
アンチエイジングをサポートするビタミンE
大豆油の原料である大豆は、ビタミンEがしっかりと入った食材です。ビタミンEは強い抗酸化作用を持っているため「若返りのビタミン」と呼ばれるほどです。
紫外線から肌を守ってくれたり、肌の弾力性を保ってくれます。
若返るのは見た目だけではありません。ビタミンEは血行促進機能があるので、血の詰まりからくる脳卒中や心臓病などの予防や、生活習慣病も防げるといわれています。
大豆油が危険って本当?
大豆油についてインターネットで調べていると「危険」「危ない」などのキーワードが出てきます。何か気を付けた方が良いのでしょうか。
大豆油の加熱しすぎには注意
大豆油は家庭でもレストランでも、日常の料理に使われることの多い油です。炒め物から揚げ物まで使えて便利な油ではありますが、加熱のし過ぎは酸化が進むので注意が必要です。
揚げ物に使った油を、翌日別の調理に使う程度なら問題がありません。
しかし、何度も何度も揚げ物に使うなど加熱を重ねると、ビタミンなどの栄養価が低下するだけでなく、色や臭いも変わってしまいます。
さらに、加熱しすぎることで成分が変質し、過酸化脂質という健康に良くない油になってしまいます。過酸化脂質を取りすぎることは、がんや動脈硬化を引き起こすといわれています。
大豆のアレルゲンはほとんどなし
大豆が原料の大豆油は、大豆アレルギーを持つ人にとっては危険なのでしょうか。
結論から言うと、基本的に問題はないといわれています。大豆からできていますが、油を搾りだして生成する過程で、アレルギーの原因となるアレルゲンは極めて微量なレベルまで減るからです。
ただし重度の大豆アレルギーで不安がある場合には、医師などに相談を仰ぎましょう。
健康に良いといっても食べ過ぎは危険
大豆油は大豆からできていて体に良い栄養素がいろいろ入っているからと言って、やみくもに摂取すれば良いというものではありません。大豆油の主要成分は脂質です。
取りすぎることでカロリー過多になってしまいます。また、大豆油を摂っている意識がなくても、実は加工品に入っていることも多いです。
他のオイルとも組み合わせながら、摂りすぎにならないようにしましょう。
健康に良い大豆油を選ぶ3つのコツ!
せっかく大豆油というものを知ったのだから、食べてみたい!という方も多いはず。
日本における大豆油の消費量は多いとは言われているものの、実は「純正の大豆油」を見つけるのは簡単ではありません。探すときのポイントをご紹介します。
純正大豆油かどうかチェック
大豆油の良さを楽しみたければ、他のオイルなどと混ざっていない「純正大豆油」を見つけたいもの。
もちろん他のものと混ざっているサラダ油などがダメというワケではありませんが、大豆油の良さを感じるには100%大豆油が一番です。
パッケージに記載されている食品成分表を確認し、原材料が「大豆油」のみのものを選びましょう。
大豆が遺伝子組み換えでないかチェック
大豆油の原料である大豆ですが、世界で出回っているものの中には遺伝子組み換えされたものも多くあります。
健康へのインパクトは賛否両論ありますが、できるのであれば自然な手法で作られた大豆を摂取したいものです。
だからこそ食品成分表を確認し「遺伝子組み換えでない」ことを確認しましょう。
使い切れるサイズを選ぼう
大豆油は比較的酸化が進みやすいオイルの一つです。だからこそ、安定させるために他のオイルなどと混ぜ合わせられていることが多いです。
純正大豆油を選ぶときは、開封してから1,2か月で使いきれるサイズのボトルを選びましょう。
まとめ:大豆油は実はとても身近なオイル!
日本人にとってには身近な存在である大豆から作られている大豆油。
「さぁ、大豆油を試してみよう!」と思わなくても、実は毎日の食生活の中で摂っていることの多いオイルの一つです。
菓子パンやお惣菜、缶詰や冷凍食品などに使われていることが多いです。そんな身近なオイルではありますが、ぜひ「純正大豆油」を探してみてください。
大豆という健康食材から作られたオイルは、炒め物にも揚げ物にも使えて、便利なオイルです。