手作りした自家製の味噌は、一味違ったおいしさがありますね。筆者も主婦ビギナーの頃にお料理教室で味噌の作り方を習って、一時期作っていました。手作りの味噌は「自分だけの味噌」といった感じがしたものです。
筆者は下ごしらえの手間が大変で味噌の手作りをすぐやめてしまいましたが、当時と違って今は準備が簡単にできる味噌作りキットも販売されています。
この記事では味噌作りキットの選び方や、目的別のおすすめの味噌作りキットをご紹介します。
目次
味噌作りキットの選び方!3つのポイントを押さえよう
味噌は毎日の食卓に欠かせない、日本人のふるさとの味です。毎日味噌汁を飲むのに味噌を使っている人も多いでしょう。味噌は大豆と塩、米や麦の麹だけのシンプルな材料で作られるため、手作りに向いている食品です。
毎日使うものだから、自分で選んだ材料で手作りできれば安心ですね。まずは味噌作りキットの選び方を見ていきましょう。
出来上がりの量に合わせて選ぶ
味噌作りキットを購入する際には、出来上がりの量に合わせて選ぶことが大切です。味噌は腐りませんが、時間とともに発酵が進んで味や風味が変わっていきます。
手作り味噌をおいしいうちに食べ切れるように、今使っている味噌の1パックを何日で使い切るのかを一度チェックしてみましょう。
味噌作りキットには「出来上がり〇kg」との表示が書かれています。ご自宅で使う味噌の量に合わせた味噌作りキットを購入すると、後で余って困ることがありませんよ。
ちょっとだけ試しに作ってみたいという人は、少量のお試し味噌作りキットがおすすめです。
難易度で選ぶ
味噌作りで大変なのは、大豆の下ごしらえです。前の日から大豆を水につけて、次の日に数時間かけて大豆を煮て、細かくつぶすのに大変な手間がかかります。
この下ごしらえが大変で味噌作りをやめてしまう人も多く、恥ずかしながら筆者もその一人です。
味噌作りキットには下ごしらえの手間を省いた、簡単に作れるセットがあります。初めて作るとか、お子さんの自由研究にするなら、混ぜるだけの味噌作りキットがおすすめです。
その他大豆をつぶすだけで良いものや、自分で大豆を水につけるところから作る本格的なものまでさまざまな種類があります。目的に合わせて、作りやすい難易度の味噌作りキットを選びましょう。
セット内容で選ぶ
味噌作りキットを選ぶときには、セットに含まれる付属品もチェックしましょう。
初めて作るなら発酵用のタルやビニール袋の入った味噌作りキット、2回目以降ならタルは必要がないので材料だけの味噌作りキットを選ぶと無駄なく作れますよ。
中には作り方の書かれたパンフレットや、作業用の使い捨ての手袋が入っているキットもあります。購入の際にはセット内容をきちんと見て選びましょう。
【初心者やお子さんにも】混ぜるだけの簡単味噌作りキット
味噌は日本で昔から愛される、栄養豊富な保存食品です。大豆のたんぱく質やビタミン、ミネラルのほか、酵母や乳酸菌など、体にうれしい栄養が含まれています。
また大豆の食物繊維は便秘にも効果があり、味噌は毎日の食事で積極的に使いたい調味料です。
離乳食にも使われる味噌は、お子さんにも安心して食べられる食品。まずは初心者やお子さんにもおすすめの、簡単混ぜるだけで作れる味噌作りキットを見ていきましょう。
お子さんの自由研究にも!マルコメ【みそ手作りキット】
マルコメの「みそ手作りキット」はお子さんの自由研究に使うことを考えて作られた、かわいらしいパッケージの味噌作りキットです。
・セット内容:レトルト大豆、塩、乾燥米こうじ、種みそ、保存容器、みそづくり容器、輪ゴム、ビニール袋、取扱説明書、観察ノート、容器用シール
・出来上がりの量:1.5kg
・料理時間:30分~
・発酵期間:約1カ月
・価格:2,520円
・用意するもの:なし
・難易度:★☆☆☆☆"
マルコメ通販限定で「マンガで学ぶみそのひみつ」(学研プラス刊)が付きます。この味噌手作りキットのポイントは、種味噌が入っているところです。
種味噌を入れることで失敗が少なく、短い発酵期間で味噌が作れます。レトルト大豆はひきわり納豆くらいの大きさに砕かれているので、混ぜるだけで作ることも出来、気になる人は手でつぶせば簡単につぶれます。
味噌を作るための容器や輪ゴムまで至れり尽くせりのセット内容で、このキットだけを使ってお子さんにも簡単に味噌を仕込むことができます。
茅乃舎【手づくり味噌キット<合わせ味噌>】
「茅乃舎」は福岡県の醤油メーカー「久原本家」が経営するレストランの店名です。「レストランと同じ味をご家庭に」との考えで作られたのが、「茅乃舎シリーズの調味料」です。
茅乃舎の「手づくり味噌キット<合わせ味噌>」は大豆がすられているので、混ぜるだけで下ごしらえが完了します。九州味噌は麦味噌が特徴で、茅乃舎の手作り味噌キットも麦と米の合わせ味噌が作れます。
・セット内容:蒸煮すり大豆(塩入り)、米こうじ(塩入り)、麦こうじ(塩入り)、ビニール袋(混ぜる用)、作り方の手引き
・出来上がりの量:約2.5kg
・料理時間:30分~
・発酵期間:2カ月(夏)~6カ月(冬)
・価格:3,780円
・用意するもの:漬けるためのタル、重石
・難易度:★★☆☆☆"
セット内容は材料とビニール袋で、漬ける用のタルは自分で用意する必要があるため難易度は星2つ。
塩はすでに材料に混ぜてあり、口コミでは「絶品のおいしさ」など好評な書き込みが多い、大人気の味噌作りキットです。手づくり味噌キット<合わせ味噌>は、公式サイトから購入ができます。
信州門前すや亀【我が家の手作りみそセットA タル付き】
「すや亀(酢屋亀)」は、信州長野市の味噌を中心としたメーカーです。信州味噌は赤色の辛口で、米こうじで作る米味噌であることが特徴です。
「我が家の手作りみそセットA タル付き」は、ご家庭で簡単に作れるように、すや亀の蔵人をディレクターとして制作された味噌作りキットです。
・セット内容:煮大豆(すりつぶし)、米こうじ、沖縄の塩、アルコール、手袋1組、プラスチックタル、中フタ、上フタ、作り方の手引き
・出来上がりの量:5.5kg
・料理時間:1時間~
・発酵期間:2カ月(夏)~6カ月(冬)
・価格:4,526円
・用意するもの:重石、混ぜるためのボウル
・難易度:★★☆☆☆"
タル付きなので届いたらその日に味噌の仕込みが出来ます。重石は塩1kgなどで代用できるので、買わずに家にある1kgのものを使えばOK。
大豆に塩がすでに入っており、付属の塩は辛口が好みの人のための追加用です。手袋や消毒用のアルコールなども入った、初めて味噌作りに挑戦する人にやさしい味噌作りキットです。
我が家の手作りみそセットA タル付きは、公式サイトから購入できます。
素材が選べる!池田屋【手作り味噌材料セット まぜるだけ】
池田屋醸造は熊本県にある、味噌や醤油を中心とした食品メーカーです。池田屋の「手作り味噌材料セット まぜるだけ」は、種類の豊富さが特徴です。
「米味噌」「合わせ味噌」「麦味噌」「玄米味噌」「黒豆味噌」など全部で7種類の原料から選ぶことができます。
・セット内容:塩入り蒸しつぶし大豆、こうじ、チャック付きビニール容器
・出来上がりの量:セットにより2.6kgと5.2kg
・料理時間:30分~
・発酵期間:2カ月(夏)~6カ月(冬)
・価格:1,719~2,998円
・用意するもの:混ぜるためのボウル
・難易度:★☆☆☆☆
池田屋の味噌作りキットのポイントは、漬けるためのタルの代わりにチャック付きのビニール容器を使うところです。
通常のビニール容器と、発酵による膨れに対応したバルブ付きのビニール容器から選べ、コンパクトに収納できるのもうれしい。手作り味噌材料セット まぜるだけは、公式サイトから購入できます。
大豆をつぶして混ぜるタイプの味噌キット
味噌は毎日の食卓に欠かせない調味料です。味噌汁はもちろん、サバの味噌煮や、味噌を塗った焼きおにぎりも香ばしくておいしいですね。
手作りの味噌を使えば日々の味噌料理もさらにおいしい一品になります。ここからは味噌作りキットの中級編、大豆をつぶして混ぜるタイプをご紹介します。
少量でお試しにぴったり【無印良品 かんたん手前味噌キット】
無印良品の味噌作りキットは大豆をつぶして混ぜるだけで仕込みが出来ます。出来上がりが500gと少量のため、初めての味噌作りでどんな味か試してみたい人にもおすすめです。
メーカーは山梨県にある五味醤油で、社名に「醤油」は付いていますが現在は味噌を中心とした食品を作っています。
・セット内容:水煮大豆、塩こうじ
・出来上がりの量:500g
・料理時間:20分~
・発酵期間:約2カ月
・価格:1,320円
・用意するもの:混ぜるためのボウル
・難易度:★★☆☆☆
水煮大豆をつぶす手間はかかりますが、量が少ないのであっという間に下ごしらえが完了します。水煮大豆の入っていたジッパー付きのビニール袋に入れて発酵させるので、場所を取らずに完成まで置いておけます。
パッケージがおしゃれでかわいらしいので、プレゼントとしても使えそうですね。かんたん手前味噌キットは、無印良品の公式サイトか。五味醤油のネットショップから購入できます。
オイシックス・ラ・大地【手作り味噌kit】
オイシックス・ラ・大地は東京にある、安心安全な農産物や加工食品の宅配サービスの会社です。
ネットスーパーの「Oisix(オイシックス)」と、有機食材の宅配の「大地を守る会」、有機野菜の宅配サービスの「らでぃっしゅぼーや」が経営統合して今の社名になりました。
オイシックス・ラ・大地の「手作り味噌kit」は、毎年1月下旬~2月中旬に販売されています。
・セット内容:有機米こうじ、国産の有機煮大豆、天海の塩、味噌樽(または野田琺瑯のストッカー)、レシピカード
・出来上がりの量:2kg
・料理時間:40分~
・発酵期間:約6カ月
・価格:3,726円
・用意するもの:混ぜるためのボウル、重石
・難易度:★★★☆☆
島根県の「やさか共同農場」の国産有機の蒸し大豆と米こうじ、高知県沖の海洋深層水塩「天海の塩」がセットになっているオーガニックの味噌作りキットです。
期間限定で、予約はOisixの定期会員のみが対象です。Oisixは日本全国で利用できます。
本格的に作りたい人のための味噌キット
味噌は古くから作られてきましたが、現在の各地の製法は江戸時代に確立したものが多く、地域ごとにバラエティに富んだ味噌が今でも作り続けられています。
手作り味噌の原料や製法にこだわりたい本格派向けに、大豆を煮るところから自分で下ごしらえする味噌作りキットも販売されています。ここからは上級者におすすめの、本格的味噌作りキットを見ていきましょう。
カネサオーガニック味噌工房【手作り味噌キット】
「カネサ」というと青森県の味噌メーカー「かねさ」に名前が似ていますが、こちらは宮城県のオーガニックにこだわった味噌作りをする工房です。
いきなりたくさんの味噌を本格的に作るのは大変という人は、出来上がりの味噌が約830gのカネサオーガニック味噌工房の「手作り味噌キット」でお試ししてみるのがおすすめです。
・セット内容:有機大豆(宮城県産)、有機塩切りこうじ、食塩、仕込み用ビニール袋、ハンドブック
・出来上がりの量:約830g
・料理時間:1時間(圧力鍋の場合)~5時間(普通の鍋で煮た場合)
・発酵期間:1~2カ月(季節を問わず)
・価格:1,800円
・用意するもの:圧力鍋または普通の鍋、混ぜるためのボウル
・難易度:★★★★☆
大豆を煮るのに圧力鍋を使うと、本来普通の鍋で4~5時間かかるものが20分で済むそうです。仕込んだ後はかわいらしいパッケージの袋に入れて1~2カ月。
出来上がった味噌をパッケージのままプレゼントしても喜ばれるかも。手作り味噌キットは公式サイトから購入できます。
川添酢造【味噌作りセット】
川添酢造は長崎県のお酢やこうじ、味噌のメーカーです。国産、九州産の原料にこだわった製品作りをしています。味噌作りセットは「米味噌」「麦味噌」「合わせ味噌」で、出来上がり2.6kgと5.2kgから選べます。
・セット内容:大豆(九州産ふくゆたか)、塩(佐賀県唐津産 一の塩)、乾燥麦こうじ(長崎・佐賀県産)または乾燥米こうじ(九州産)
・出来上がりの量:2.6kgと5.2kgの2種類
・料理時間:5~7時間
・発酵期間:2カ月(夏)~6カ月(冬)
・価格:1,750~3,600円
・用意するもの:鍋、混ぜるボウル
・難易度:★★★★★
料理時間は大豆を煮る作業と、つぶして混ぜる作業の合計時間です。仕込み用のビニール袋が付いたセットを購入すれば、タルが無くても大丈夫です。
マルカワ味噌【手作り味噌セット】
マルカワみそは福井県にある、オーガニック・無添加にこだわった味噌のメーカーです。
マルカワみその「手作り味噌セット」は、原料は玄米こうじと白米こうじ、麦こうじから、味は中辛と甘口から選べます。量は3kgと6kgの2種類があります。
・セット内容:塩切りこうじ、有機大豆(北海道産)、手作り味噌秘伝の書
・出来上がりの量:3kg、6kg
・料理時間:5~6時間
・発酵期間:2カ月(夏)~10カ月(冬)
・価格:2,673~6,789円
・用意するもの:鍋、ボウル、カメや発酵用のビニール袋
・難易度:★★★★★
マルカワみその公式サイトでは、別売りで味噌作り用チャック式スタンド袋(3kg用)を152円で購入できます。空気を抜けば重石をする必要がないので便利です。
味噌作りキットで味噌を作るのに便利な道具
味噌は日本の伝統食ですが、海外でも栄養豊富な健康食品として人気です。ご家庭で作った手作りの味噌はとてもおいしく、一度作るともう市販の味噌には戻れない人もたくさんいます。
味噌作りキットにはすべての道具がそろっているセットもありますが、自分でいくつかの道具を用意する必要のあるものもあります。ここからは味噌作りキットを使って味噌を作るのにおすすめの、便利な道具をご紹介します。
ホーローの保存容器【野田琺瑯 ラウンドストッカー】
野田琺瑯は東京にある、日本で唯一すべての工程を国内で行っているホーローのメーカーです。野田琺瑯の「ラウンドストッカー」は、白一色の清潔感のある見た目と使いやすさで味噌作りに人気の容器です。
ホーロー製の上ブタは持ち手が横についているので、天井が平らになり重ねて物を置くことが出来ます。
上ブタの中には透明なタッパーのフタがもう一つ付いていて、匂い漏れやほこりが入るのを防いでくれて味噌作りキットで手作りするのに安心です。
さまざまなサイズがありますが、18cmが容量4.5Lで4kgまで、24cmが容量10Lで9kgまでの味噌作りに適しています。価格は18cmが4,950円、24cmが6,270円前後で販売されています。
タルも重石もいらないチャック袋【セイニチ ラミジップ】
セイニチ(生産日本社)は東京にある、プラスチック製品や文具のメーカーです。
セイニチの「ラミジップ」は、厚手で丈夫なチャック付きのポリ袋です。味噌作りキットの中にはラミジップ同梱のセットもあり、味噌蔵からの信頼も厚い便利な道具です。
ラミジップは食品の保存のために開発されたポリ袋で、チャックが付いているため何度も開け閉めができ、底にマチが付いていて自立させて保存できます。
たくさんの種類がありますが、商品番号「LZ-24」幅24cm×チャック下34cm、内容量3.4Lのサイズがおすすめです。出来上がり5kgの味噌なら2つに分けて入れると、ちょうどいいサイズになっています。
価格は50枚入りが4,026円で販売されています。
大豆をすりつぶすのに便利【貝印 ヘルシーミンサー】
貝印は東京にある、包丁や爪切りなどを扱う刃物のメーカーです。貝印の「ヘルシーミンサー」は本来肉のミンチに使う道具ですが、「大豆をつぶすのに便利」と味噌作りをする人に評判です。
上に付いているポケットのような部分に大豆を入れて、横のハンドルを手でぐるぐる回すことで大豆をつぶします。自分で大豆をすりつぶすタイプの味噌作りキットを使うなら、作業がぐんと楽になりますよ。
価格は1台1,980~2,500円で販売されています。
味噌作りキットでおいしい手前味噌を作ろう
味噌は和食に使う調味料以外にも、洋食のコクを出す隠し味としても使えるおいしくて栄養たっぷりの食品です。
毎日使う味噌は手作りをすれば、おいしいだけでなく安心安全ですね。味噌作りキットには混ぜるだけの簡単なセットから、本格的な味噌作りのできるセットまで様々な種類があります。
素材も定番の米こうじや麦こうじ、合わせ味噌のほか、珍しい玄米こうじや黒大豆を使った味噌作りキットもあり、毎年違う原料で味噌作りを楽しんでいるご家庭も多いようです。
使う目的に合わせて、使いやすい味噌作りキットを選んでくださいね。