タバスコに賞味期限ってある?最後の一滴まで美味しく楽しむコツとは

ピザに、パスタに、料理のアクセントに…と、幅広くわたしたちの食卓で活躍するタバスコ。今では、お店だけでなくご家庭でも、卓上調味料として楽しまれています。

ただし、とても辛いので、使用はほんの数滴。なかなか減らないので、気が付いたら、いつ購入したものか分からなくなることも多いのではないでしょうか。

今回は、そんなタバスコの「賞味期限」について、管理栄養士が詳しく解説していきたいと思います!

タバスコには消費期限と賞味期限、どちらが当てはまるの?

タバスコには消費期限と賞味期限、どちらが当てはまるの?

消費期限と賞味期限の違いは?

わたしたちが購入する食品には、消費期限や賞味期限が表示されています。

消費期限は、その食品についての、「安全に食べられる期間」を示しています。一方、賞味期限は、その食品の、「品質が変わらずに、美味しく食べられる期間」を示しているのです。

このことから、劣化しやすい食品には消費期限劣化しにくい食品には賞味期限が定められていることが分かりますね。

ただし、これらはいずれも、「袋や容器を開けないままで、記載された保存方法を守った場合」という条件下での期間となります。

一度開けてしまった食品は、記載されている期限まで、鮮度や美味しさが保たれなくなる可能性があるので、なるべく早めに食べきるようにしましょう。

タバスコには賞味期限があります!

タバスコは、非常に劣化しにくい=腐りにくい食品、とされています。このことから、タバスコには、賞味期限が定められています。

タバスコの主な原材料は、唐辛子・塩・酢です。唐辛子に含まれる、カプサイシンという辛味成分や、酢に含まれる酢酸には、食品の腐敗に関与する細菌を、増殖させにくくするはたらきがあります。

また、塩は、それ自体には、殺菌効果はありませんが、食品中の塩分濃度を上げることにより、細菌が増殖しにくい環境を作ることで、防腐作用を発揮します。

梅干しやキムチなど、保存食である漬物に塩が使われているのは、このためなのですね。

このように、タバスコは、強い殺菌・防腐作用をもつ食品です。使い方や保存方法などを守れば、とても長く品質が保たれる食品なので、タバスコには、賞味期限が設けられているのですね。

タバスコの賞味期限は?どこに書いてある?

タバスコの賞味期限は?どこに書いてある?

タバスコの賞味期限は?

タバスコの賞味期限は、一般的に未開封の状態で、18ヶ月~5年とされています。

なぜこのように、賞味期限に違いが生まれるのでしょうか。それは、使われている原材料の数や種類など、商品の特徴によって、左右されているからなのです。

最も馴染みのある、ペッパーソースと呼ばれる赤いタバスコは、原材料が唐辛子・塩・酢の3つのみとなっており、賞味期限が5年と最も長くなっています。

しかし最近では、タバスコ調味料のバリエーションが急増し、原材料がこれら以外にも、複数使われている商品をよく目にします。

これらの商品は、唐辛子・塩・酢にある、殺菌・防腐作用が弱められてしまうため、賞味期限が少し短くなってしまうものもあるのです。そのため、賞味期限に、18ヶ月~5年という差が生じていると考えられます。

タバスコの賞味期限は、どこに表示されている?

あれ?これ、久しぶりに使うけど、いつのだっけ?

ふと、食事の際に、テーブルに置かれたタバスコを見て、このように思ったことはありませんか?

箱に入っている状態で購入した、タバスコの瓶を見渡してみますが…なんとそこには、賞味期限のような記載は見当たりません。

では、タバスコの賞味期限は、どこを見ればわかるでしょうか?賞味期限が表示されている場所、それは、外箱です。外箱の上部の開け口部分に、2列の英数字の印字が記載されてあります。

例として、1段目に、LOT083020、2段目に、250830と書いてあるとしましょう。

これは、1段目のLOTは「製造日」を、2段目の数字は「賞味期限」を表しています。読み方は、LOT(製造番号)は「月、日、年」の順で、賞味期限は「年、月、日」の順となります。

よって、このタバスコは、2020年8月30日に製造され、賞味期限は、2025年8月30日であることが分かりました。

https://twitter.com/towelket02/status/1347158940690235393

記載されている数字が、製造日なのか、賞味期限なのかで、年月日の並び順が変わってくるため、混乱しやすいと思いますが、これらをしっかりと頭に入れておけば、もう大丈夫です。

一方、商品によっては、瓶のまま売られているものも増えてきました。これらには、外箱が存在しないため、賞味期限は瓶にそのまま印字されています。

このように、瓶に賞味期限が記載されていれば、特に問題はありませんが、箱に入った状態で売られているタバスコは、箱で保管することも検討した方がよさそうですね。

外箱を捨ててしまった場合は

購入時に箱に入っていたタバスコも、今は瓶のまま保存していて、箱は捨ててしまっている…そんなときは、瓶のラベルを見てください。

確かに、瓶には賞味期限は記載されていません。では、こちらの記載は、確認できますでしょうか?

「LOT〇〇〇〇〇〇(6桁の数字)または、「LOT」がなく、そのまま6桁の数字」

こちらの数字は、さきほどご紹介した、外箱に記載された製造日と、全く同じになります。実は、タバスコの瓶には、賞味期限の記載はないものの、製造日(LOT)の記載は、しっかりとなされているのです。

外箱には、製造日と賞味期限の両方が記載され、瓶には、製造日のみが記載されているので、覚えてしまえば、瓶の方が、混乱せずに、賞味期限を判断できるかもしれませんね。

タバスコの賞味期限を左右する条件とは

タバスコの賞味期限を左右する条件とは

賞味期限は、あくまで「目安」です。賞味期限は「袋や容器を開けないままで、記載された保存方法を守った場合」のものですので、これらの条件が揃わなければ、賞味期限は短くなる、ということになります。

では、今、あなたがご使用中のタバスコの賞味期限は、一体あとどれくらいでしょうか?賞味期限を左右する条件を、ひとつずつみていきましょう。

開封前と開封後で異なる?

まず、賞味期限で大きく変わってくる条件は、開封前か開封後かです。これは、タバスコだけに関わらず、すべての食品に当てはまることです。

開封前の状態では、容器の中が密閉状態に保たれているため、腐敗の原因となる細菌の増殖が抑えられています。しかし、一度開封してしまうと、どんなに気をつけていても、必ず空気に触れてしまいます。

また、空気中の雑菌などが、容器の中の食品に付着してしまうこともあり、開封前よりも、腐敗しやすい環境を作ってしまうのです。

このことから、開封後のタバスコは、開封前のタバスコよりも、賞味期限が短くなっているので、注意しましょう。

常温保存と冷蔵保存で異なる?

タバスコの外箱に記載されている保存方法を見てみましょう。そこには、「直射日光を避け、涼しい場所で保存してください」と書いてあります。では、冷蔵庫に入れてしまうと、賞味期限は短くなるのでしょうか?

冷蔵保存の方が、常温保存よりも賞味期限が短くなる…ということは、少し考えにくいですよね。その通りです。

長期保存には、冷蔵保存の方が適していますが、「賞味期限」のように、あくまで「美味しく食べられる」ということを重視すれば、常温の方が適しているということになります。

こちらは、使用頻度やお好みなどで選ばれるのも、良いのではないかと思います。

タバスコの種類によっても異なる?

みなさんに一番愛用されているタバスコは、いわゆる定番の赤いタバスコ=ペッパーソースですが、実はこれ以外にも、タバスコには、たくさんのバリエーションが存在します。

ペッパーソースの原材料が、唐辛子・塩・酢のみであるのに対し、他のタバスコでは、砂糖やコーンスターチ、フルーツソースが加えられているなど、タバスコの種類によって、原材料に違いがでてきます。

このように、殺菌・防腐作用をもっていない食材が、原材料として加えられることで、ペッパーソースが本来持っている賞味期限が、短くなってしまうこともあるのです。

タバスコの賞味期限を、保存方法別にご紹介!

あなたの家では、タバスコはどこに保存していますか?常温で日光の当たらない場所や、冷蔵庫のドアポケットなどに保存している方が、ほとんどではないでしょうか。

タバスコは、数滴ずつ使用することがほとんどですので、冷凍保存は、ほとんど見かけませんね。

タバスコに記載されている保存方法は、「直射日光を避け、涼しい場所で保存」となっています。では、本当に常温で良いのか、冷蔵するとどうなってしまうのかを、これから説明していきたいと思います。

タバスコに適した保存方法は?

タバスコは、常温保存が可能となっている食品です。なぜなら、非常に劣化しにくい特徴をもっているからなのです。

タバスコは、原材料に、殺菌・防腐作用を持つものが、多く使われています。そのため、開封後でも、常温で品質が保たれるのです。

もちろん、冷蔵保存の方が常温保存よりも賞味期限は長くなりますが、温度変化をなるべく避けて保管した方が、品質や風味が落ちにくい、とされているからなのです。

冷蔵庫に入れると、使用時に、食卓など常温の場所に長時間置かれることで、温度が上がり、その後また冷蔵庫へ…と温度変化を繰り返してしまいます。

そのため、瓶の内部にも、結露などの水滴が生じてしまったり、タバスコ液が分離してしまう可能性が、高くなってしまうのです。

ただし、風味が落ちていたり、分離しているからといって、決して腐っているわけではありません。

あくまで、品質や風味の問題ですので、それぞれのご家庭での使用頻度や、状況に応じて、保存方法を判断することも、よいのではないかと思います。

タバスコにNGな保存方法とは?

一番避けたい保存方法は、直射日光が当たる場所に置いておくことです。タバスコは、非常に光の影響を受けやすい食品です。

また、直射日光が当たることで、瓶の内部が高温になることも考えられます。そのため、直射日光により変色が起こったり、高温になることで、味や風味の変化や劣化が起こる可能性があります。

タバスコは、原材料のもつ殺菌・防腐作用のみで品質が保たれており、保存料や着色料は使われていません。

ですので、どの時間帯であっても、直射日光が当たらない場所で保管することをおすすめします。台所の、ガスコンロ下の収納などは、適しているかもしれませんね。

一方、冷凍保存は、温度が低すぎて、こちらも品質に変化を及ぼす可能性があります。タバスコを保存する際は、極端に高温・低温となる場所は避けましょう。

保存方法別に、タバスコの賞味期限をご紹介!

では、実際に、常温の場合と、冷蔵保存の場合での、タバスコの賞味期限をみていきましょう。

・常温保存のタバスコの賞味期限:1~3ヶ月

・冷蔵保存のタバスコの賞味期限:3~6ヶ月

こちらでは、タバスコが分離しやすくなっていたり、変色しやすくなる時期を目安に、ご紹介しています。この賞味期限も、タバスコの種類や、使用頻度などによって、ややバラつきはあります。

もともと未開封時でも、賞味期限が短いものは、開封後も、短めに判断することが望ましいですね。

また、賞味期限は、「腐っている」などの判断基準ではないため、どの段階で品質や風味が落ちたと感じるのか、など、個人差が生じる可能性もあります。あくまで「目安」として、ご参考にされてください。

タバスコの賞味期限をなるべく長持ちさせるコツ

タバスコの賞味期限をなるべく長持ちさせるコツ

瓶の注ぎ口は衛生的に

タバスコの賞味期限を長持ちさせるコツの1つは、「瓶の口」です。

最も外部と触れやすい瓶の口は、タバスコを腐敗させてしまう細菌の入口となってしまうため、そこに手が触れてしまうと、手についている細菌が、瓶の中に入り込んでしまう恐れがあるのです。

また、瓶の口に食べ物が触れることで、タバスコ本来の持つ殺菌効果が薄れたり、食べ物についていた細菌が、瓶の中へと移る可能性があります。

瓶の口にふたをしたら、たくさんのタバスコがはみ出してしまった…

これも、瓶の入り口付近に、タバスコ液がたくさん残ることで、その部分が空気と触れ、カビが生えたり、細菌が増殖する原因にもなりうるのです。

そのため、瓶の口に、手指や食べ物が触れないこと、使い終わったら、きれいな乾いたティッシュなどで、瓶のふちを軽くぬぐう、などの工夫を行うことが望ましいです。

瓶のふちを拭く際は、必ず乾いたきれいなティッシュを使うようにしましょう。ウェットティッシュなどの水分は、細菌が好むため、絶対に使わないようにしましょう。

また、拭く場所は、あくまで瓶のふち・口まわりのみです。注ぎ口の内側まで拭く必要はありませんので、簡単に実践できるのではないでしょうか。

このように、衛生的な使い方を心掛けるだけでも、タバスコを長持ちさせることができるのです。

温度変化は最小限に

タバスコを常温で保存している場合は、その場所の室温が、時間帯によって、あるいは季節によって、極端に変化がないかを確かめましょう。

また、冷蔵保存の場合は、使用する際には、あまり長時間常温に出しっぱなしにせず、使い終わったら、冷蔵庫へ早めに戻すことを心掛けましょう。

そして、冷蔵庫の開け閉めが激しいご家庭であれば、ドアポケットよりも、冷蔵庫の奥で保存する方がおすすめです。

冷蔵庫の中でも、このドアポケットは、最も温度変化が激しい場所となっていますので、使用していないにもかかわらず、知らず知らずのうちに、タバスコを、温度変化にさらしてしまっている可能性もあるからです。

詰め替えは、できるだけ避けましょう

ついお得だからと、業務用スーパーなどで手に入る大容量のタバスコを詰め替えて使っている方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、衛生的に詰め替えられていれば、賞味期限は長く保つことができます。

しかし、詰め替え時には、どうしても長く空気に触れてしまったり、他の器具を使用して詰め替えを行ったりなど、外部からの細菌を巻き込んでしまうポイントがいくつか潜んでいます。

使用頻度や使用量が少ない方は、詰め替え用よりも、瓶ごと買い替える方が安心かもしれませんね。

賞味期限切れのタバスコは食べられる?見分け方のコツは?

賞味期限切れのタバスコは食べられる?見分け方のコツは?

腐っているタバスコの見分け方

タバスコは、本来腐る食品ではありません。しかし、使い方や保存方法によっては、賞味期限にかかわらずごく稀に腐ってしまうことがあります。

これは、タバスコ自体が腐るというよりは、外部にあった菌が、タバスコの瓶の内側に入り込んで付着し、そこにある、少量のタバスコをエサとして増殖することにより、起こることがほとんどではないかと思います。

あまり腐ったという事例はみかけませんが、瓶の口や、瓶の内側の上部(どちらも、タバスコ液が多く存在しない場所)に、カビが生えてしまったという事例は、起こっているようです。

ですので、タバスコは腐らない、と過信せずに、時間の経ったタバスコを使う際は、カビのような丸い斑点がないか、確認した方がよいかもしれませんね。

賞味期限が切れたタバスコはどうする?

腐っているわけではないけど、タバスコが分離したり、水っぽくなっていたり、少し変色している…

そんなときは、とりあえず、タバスコの瓶を一度よく振ってみてください。そうすることで、見た目や味に違和感がなくなれば、これまで通り使うことができます。

どうしても変色が気になるという方は、煮込み料理や、混ぜて使える料理に利用すると、気にならずに美味しく食べられます。

タバスコは、調味料としてのイメージが強いですが、最近は、料理に使う調味料としても、注目されはじめています。

ですので、賞味期限が切れたからといって、腐っていないのであれば、すぐに捨ててしまわずに、アレンジ料理として使ってみると、より長くタバスコを楽しむことができるでしょう。

まとめ:タバスコの賞味期限は長かった!

タバスコは、保存料を使っていないにも関わらず、常温保存でも劣化しにくい、という、非常に優れた食品であることがわかりましたね。

強いていうならば、直射日光や、極端な温度変化には、気をつけて保管する必要があるでしょう。また、タバスコの種類によっては、賞味期限が短いものもあります。

タバスコが入っていた箱や、瓶の記載から、賞味期限を判断できるので、最後の一滴まで美味しく使い切れるように、保存方法などを、ぜひ工夫してみてくださいね。

おすすめの記事