様々な健康効果が詰まっている、生姜シロップ。
最近では、生姜シロップを、毎日の美容や健康のために続けている方も多くなったのではないかと思います。
では、生姜シロップは、食べれば食べるほど効果があるの?
こちらの記事では、そんな疑問にズバリ!管理栄養士がお答えしていきたいと思います。
目次
生姜シロップの効果とその副作用とは?
生姜シロップの効果とは
生姜シロップは、なぜ健康のために愛用されているのか。それは、生姜のもつ栄養が、生姜シロップになることで、より効率よくわたしたちの体に取り入れられるからです。
・冷え性の改善
・免疫力の向上
・便秘解消
・ダイエット効果
・生活習慣病の改善
どれも嬉しい効果ですよね。
これだけ効果があれば、ついつい嬉しくなって、「もっと飲めばさらに効果が得られるのでは?」と思う方も少なくないかもしれません。それだけ生姜シロップには、たくさんの魅力が詰まっているのです。
生姜シロップの効果効能については、こちらの記事でさらに詳しく管理栄養士が解説していますので、気になる方はぜひ読んでみてください。
生姜シロップの主な成分は?
生姜シロップを製造するにあたって、まず生姜が主原料となり、次にシロップにするための副原料が必要となります。
生姜シロップの多くの商品では、シロップにする際に、黒糖やきび砂糖、はちみつが使われ、その他風味付けや色を鮮やかにしたり、保存性を高めるために、レモンなどの酸も使われているものがあります。
これらの製造過程をふまえ、生姜シロップに含まれている成分とは主にどのようなものがあるのか、みてみましょう。
・ジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオール
・食物せんい
・糖質やオリゴ糖
・ミネラル
・ビタミンC
・クエン酸
・ポリフェノール
これだけの成分が入っているということは、やはり健康への効果はかなり期待できそうですね。生姜シロップから得られるたくさんの嬉しい効果は、これらの成分に由来するものであることが分かりました。
生姜シロップは食べれば食べるほど体に良い?
では、そんな嬉しい効果がいっぱい詰まった生姜シロップは、たくさん食べれば食べた分だけ、効果が期待できるのでしょうか?
答えは「NO」です。
これは、どの食べ物にも言えることですが、ある一定の効果を得るためには必ず、適量を摂る、ということが前提となってきます。
食べれば食べた分だけ効果が得られるということではなく、適量を超えて食べた分は、逆に体に与えるリスクの方が大きくなる恐れがあります。
次項では、生姜シロップの食べすぎによる副作用について、詳しく説明していきたいと思います。
生姜シロップの食べすぎによる副作用とは
生姜シロップの食べすぎで起こりうる副作用について、次のようなことが考えられます。
・腹痛や下痢、胸焼け:
生姜に含まれるジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオールには、胃腸のはたらきを活発にする作用があります。しかし、この作用が強くなりすぎると、逆に胃腸を荒らしてしまう恐れがあるのです。
また、腸内ではガスが溜まりやすくなるなどの症状も出てくるため、腹痛も現れやすくなります。その結果、腹痛に伴う下痢や、胸焼けなどの症状が起こりやすくなるのです。
・アレルギー症状:
まれにですが、体質によっては、ある一定量以上の生姜シロップを食べることで、アレルギー症状が出ることがあります。その症状は人それぞれで、湿疹やかゆみ、動悸などが主にあげられます。
アレルギー症状は、一度出現すると、次に食べた時にはさらに悪化させてしまう恐れがあるため、注意が必要です。
アレルギーと思われる症状が出た場合には、摂取を中断して、医療機関を受診することをおすすめします。
以上が、生姜シロップの食べすぎで起こる、主な副作用です。
また、量を守っていても、まれに体質に合わないことにより、副作用がでてしまうケースもあるようです。実際に、そのようなケースで、どんな副作用が出てしまったのか、生姜シロップ購入者の声をまとめてみました。
・顔や足に細かい湿疹が出てきた
・便秘になった
・下痢になった
・腹痛や発熱などの症状が出た
・胃痛や吐き気が現れた
などがあげられます。生姜シロップをはじめ、どの食品にも当てはまりますが、食べすぎによる副作用の他にも、体質に合わないことによる副作用も出てしまう可能性がある、ということが分かりました。
健康に良いとされるものが、万人に効果的であるとは一概に言えないということですね。
また、食べすぎや体質とは関係なく、生姜シロップの摂取に注意が必要な場合が他にもあります。次項ではその内容について、触れていきたいと思います。
妊婦さんや乳幼児は特に注意
・妊婦さんの場合
妊娠中に生姜シロップを食べることについては、より慎重になる必要があります。妊娠初期には、つわりを経験する方も多いと思います。生姜には、胃液の分泌を促進させる作用があるため、吐き気やつわりに効果があるともいわれています。
しかし、ある一定の量を超えて摂りすぎると、胃を荒らす可能性があるため、つわりを悪化させてしまう恐れがあります。
少量の摂取であれば、妊娠中の不快感やむくみなど、様々な症状の改善に効果的であるとは言えますが、生姜シロップの食べすぎによる、おなかの赤ちゃんへの影響については、まだ研究結果が十分ではありませんので、注意しましょう。
また、妊娠中は妊娠前と比べ、体質がかなり変化する方も多いといわれています。そのため、妊娠前には問題なく摂取できていた生姜シロップでも、妊娠後の摂取に関しては、同じようにいかない場合もあります。ご自分の体調の変化を、十分に観察していく必要があるのです。
・乳幼児の場合
はちみつを使用した生姜シロップは、生後1歳未満の乳児には絶対に与えないようにしましょう。これは、生姜ではなく、はちみつに問題があります。
乳児がはちみつを摂取することにより、乳児ボツリヌス症というものを発症する恐れがあります。この、乳児ボツリヌス症というものは、便秘が数日続いたのち、筋力低下や脱力、哺乳力や泣き声が弱くなったりする症状が現れるなどの特徴があります。
まれに、命の危険性も生じてしまうため、生姜シロップの原料には十分に注意するようにしましょう。
また、乳児だけでなく、幼児などの小さいお子様も、腸内をはじめ様々な臓器が成長段階であり未熟なため、生姜による作用が成人よりも強く影響してしまう可能性があります。
これらを踏まえ、なるべく乳幼児には生姜シロップは避けた方が安心です。
副作用に注意して生姜シロップを上手に続けるコツ
生姜シロップの適量ってどのくらい?
市販の生姜シロップでは、だいたい1回に10~15cc(大さじ1杯=15cc)をおすすめしているものが多いようです。
この量は、生姜で考えると、約10gの摂取に相当します。生姜10gとは、一般的に「1かけ」と呼ばれる量に相当しますが、スライスした生姜で約10枚、生姜チューブであれば、約20cmまたは大さじ1杯弱となります。
※1かけの考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
生姜の摂取量は、一般的に10~20gくらいが適切であるといわれていますが、これは体質によって、かなりの変動があるため、一概には言えないところが現状です。
胃腸がもともと弱くない方は、まずは大さじ1杯の生姜シロップを試してみると良いでしょう。
そこで生姜シロップの効果が得られた、もしくは少し効果が弱いようであれば、大さじ2杯までは様子を見ながら増やしてみても良いと思います。また、もともと胃腸が弱い方には、少量ずつ数回に分けて摂取することをおすすめします。
まずは1回に5cc(小さじ1杯)から様子をみて、問題なければ、さらに5ccずつ慎重に、様子をみながら増やしてみましょう。
ただし、これはあくまで目安です。お手元にある生姜シロップの適量については、必ず記載された量に目を通し、守るようにしましょう。
食べ合わせに問題はある?
今のところ、他の食品と一緒に食べたり料理に使うことで、食べ合わせに問題が生じたということは、報告されていません。
強いていえば、生姜をたくさん使った料理を食べたときには、生姜の効果が強く出すぎないように、生姜シロップの摂取を控えるとよいでしょう。
また、日ごろから血糖値が高い傾向にある方や、お菓子やジュースなどの間食を多く摂ってしまう方には、生姜シロップ中の糖分がさらに血糖値を上昇させたり、太りやすくなってしまう可能性があるので、その際には注意しましょう。
生姜シロップを上手に続けるには?
まずは、生姜シロップを始める前に、ご自身の体調が良いことを確認してください。その上で、小さじ1杯または大さじ1杯から少しずつ始めてみましょう。
ご自身に合った1日の摂取量が分かってきたら、できるだけその量を数回に分けて摂取することをおすすめします。なぜ数回に分けた方が良いかというと、胃腸への負担を減らすことの他に、生姜による効果の持続時間が関係しています。
生姜の成分であるジンゲロールやジンゲロン、ショウガオールなどによる様々な効果は、体内で3時間ほど持続することが分かっています。
その後は、時間の経過とともに効果も徐々に減っていくため、その効果を持続させるためには、数回に分けて食べた方がより効果を実感できるでしょう。
また、味に飽きがこないよう、紅茶やヨーグルトに混ぜたり、料理の隠し味として活用するなど、食べ方にバリエーションを持っていると、より長く続けることができそうですね。
生姜シロップの続け方や飲み方のコツについては、以下の記事も参考にしてください。飲みやすい生姜ドリンクの作り方等も紹介しています。
まとめ:生姜シロップは副作用に注意して摂取を!
生姜シロップには、冒頭でご紹介したように、たくさんの効果が詰まっています。一方で、様々な効能があるが故に、多量に摂取したり、体質や体調によってはその作用が強く出すぎてしまう可能性もあります。
体に良いから、といっても、食べすぎは禁物です。
ご自分の体に合った「適量」を見極め、バランスの良い食事をしっかりと摂りながら、上手に生姜シロップを取りいれていけると良いですね。