生姜は、味のアクセントや風味づけ・臭み消しや身体を温める為に使ったりと活躍する場面がたくさんありますが、「冷蔵庫にあったはず!」と思っていたら無い場合がありますよね。
さらに生の生姜は量が多いので使い切るころには乾燥してしまっていたり、腐ってしまっていたり…。そんな時に代わりになる食材や調味料はあるのでしょうか?
用途によって使うものは変わりますが、生姜の代わりになる食材や調味料はたくさんあります。ひとつずつ詳しく解説していきます。意外なものもありますので買い物に走る前に是非参考にしてみてください。
生姜が無い時に代用として使える食材はなに?
生姜の代用食材1「長ネギ」
臭みを取る為に生姜を使う場合が多いですが、長ネギには硫化アリルという成分が入っており、臭み消しの王様です。長ネギの青い部分を使用することが多いですが、白い部分を使っても効果に差はありません。
青魚と一緒に煮込むと青魚特有の臭みを消してくれますし、鶏肉や豚肉を煮込む際も同様に肉独特の臭みを消してくれます。
青い部分が臭い消しに使われる理由として、白い部分より硬いので長時間煮込んでも溶けない特徴があるからではないでしょうか。
しかし、青い部分は、臭み消しとして使用してから捨ててしまう人がほとんどです。栄養価的にはカロテンやビタミンC・カルシウム・カリウムといったミネラルが豊富に含まれているので、煮込んだ後にそのまま食べてしまっても問題はありません。
生姜の代用食材2「セロリ」
臭み消しとして代用できる食材2つ目はセロリです。茎の白い部分ではあまり効果が無いので葉の方を使用してください。
葉っぱの部分は捨ててしまうことが多いですが、ビタミンB群などの栄養素も含まれているので捨てずに冷凍保存しておけば、いざという時に活用できます。
シチューやポトフ・スープ等に入れると肉独特の臭みを消してくれるだけでなく、風味も良くなり仕上がりが爽やかになります。
しかし、セロリ風味の強い仕上がりになってしまうので、セロリが苦手な方やいつも道りの味付けが好きという方には他の食材がいいでしょう。
生姜の代用食材3「梅干し」
梅干しにはクエン酸をはじめ有機質の効果で消臭効果が高く、煮物と一緒使用することで生姜と同じ効果を発揮します。臭いの強い魚を煮る際には梅干しがおススメです。
更に臭みを消してくれるだけでなく、酸味で骨を柔らかくしてくれ食べやすくなる効果もありますし、可食部だけでなく種のみでもその効果を発揮してくれます。
さらに、梅干しは加熱することで血液がサラサラになる成分の”ムメフラール”が発生するうえ、”バニリン”という脂肪燃焼効果がある成分が20%もアップすると言われていますので女性には嬉しいですね。
ただし、はちみつに漬けている梅干しは甘いので生姜の代用として使用する場合は梅干しの種類に注意が必要です。
生姜の代用食材4「青ネギ」
青ネギは長ネギと同じネギなので臭み消しとして生姜の代用に使えると思いますよね。しかし、青ネギは緑黄色野菜に分類され熱に弱く、加熱しすぎてしまうと色や香りが飛んでしまいます。
青ネギは葉ネギとも言われていて、主に西日本で栽培されており代表的な種類だと”九条細ネギ”があります。一方長ネギは根深ネギ・白ネギを指し淡色野菜に分類され、寒さに強く東日本で栽培されています。
栄養価でみると、青ネギは白ネギに比べて2倍ものビタミンCやカルシウムが含まれています。生姜の代用として使用する場合は薬味としてタレなどに混ぜる方がオススメです。
生姜の代用になる調味料
生姜の代用調味料1「料理酒」
煮物料理や煮込み料理をする際に生姜が無い場合は料理酒で代用出来ます。
料理酒に様々な効果があります。肉や魚の臭みを消してくれますし、食材を柔らかくして酸化を防ぎます。料理に味が染み込みやすくもなりますし、煮崩れも防ぐことが出来ます。
煮魚に使用すると魚自体をふっくらさせてくれますし、肉料理も同様に肉を適度に軟化させ、旨味やコクを引き出してくれる効果があるので生姜が無い場合はいつもより多めに入れて煮込むと良いでしょう。
臭みを取りたい場合は調理の一番最初に使うようにしてください。
生姜の代用調味料2「味噌」
味噌は身体にいいだけでなく、臭み消しの効果があります。
たとえば、魚の鯖の味噌煮や西京焼きなど味噌を使う料理では魚の生臭いにおいを抱え込んで味噌自らの臭いに同化させてしまいます。さらに、たんぱく質分解酵素があるため魚や肉に塗り込むと軟らかくなります。
しかし、塩分が多く含まれているので生姜の代わりに使用する場合は、醤油などほかの調味料を減らすなどの工夫が必要です。味も変化してしまうので入れすぎには注意してください。
生姜の代用調味料3「にんにく」
にんにくにも生姜と同様に、生とすりおろされたチューブタイプがあります。にんにくは生姜と同じく消臭効果があり、消化力・免疫力も高めてくれます。肉料理に臭み消しとして生姜の代用として使用できます。
しかし、生姜の代わりに使用する時は量にも気を付けて下さい。あまり入れすぎてしまうと次の日の口臭も気になりますし、味噌と同様に味も変化してしまいます。全ての料理に代用できる訳でありませんので注意が必要です。
生姜の代用調味料4「胡椒」
意外かもしれませんが、下味を付ける・臭みを消す代用としては胡椒も使用できます。特に臭み消しに向いている黒胡椒は、味の濃い肉料理や魚料理・カルボナーラなどパスタ料理によく合います。
反対に白胡椒は黒胡椒に比べると、繊細な味なので臭み消しには向いていません。臭み消しとして代用する場合は黒胡椒を選ぶようにしてください。
生姜の加工品で代用できる食材
生姜の代用加工品1「おろし生姜」
すりおろした生姜チューブなら、もちろん生の生姜をすりおりしたものが入っていますし、長期保存が可能なのでいざという時に重宝できます。
もし生の生姜の代わりに使用する場合の量は、ひとかけでおよそ大さじ1、長さにすると4-5㎝です。チューブタイプの生姜だと、風味が弱いので少し多めに入れても問題ありません。
しかし、料理によってはすりおろし生姜だと煮汁が濁ってしまい見た目が悪くなってしまいます。「煮汁が濁るくらいなら大丈夫」であれば効能は変わりませんので、代用可能です。
生姜の代用加工品2「紅生姜」
紅生姜は生の生姜を梅酢につけてつくられるお漬物の一種です。
たこやきやチャーハンの具材に使われたり牛丼のトッピングとして添えたり、彩りに使用したりと活躍の場はたくさんあります。大阪など関西地方では紅生姜がをそのまま串カツや天ぷらにして食べるのも一般的です。
細く切った生姜を梅酢やシソ・調味料に漬け込んで加工された紅生姜も、作る料理によって代用が可能です。細かく切られて売られていることが多いのでそのまま使えることも利点ですよね。
色や味が変わってしまうので味の調整が必要になりますが、色や味の濃い煮込み料理に使うと気にならないでしょう。
生姜の代用加工品3「ガリ(甘酢生姜)」
ガリは江戸時代には食べ物ではなく、お手拭き代わりに利用されていました。お寿司には必ずと言っていいほどガリが添えられていますが、魚の生臭さを取る他に殺菌効果もあり、きちんと添えられている意味がありました。
ガリは薄く切った生姜を甘酢に漬けて作られています。もとが生姜なので料理によっては使うことができますが、甘味が強いので砂糖やみりんの量を調整して使用してください。
生姜の代用加工品4「生姜ドレッシング」
ドレッシングなのでサラダ等にかけて食べることが多いですが、生姜の味も強いので”合わせ調味料”と考えてお肉の下味として漬けたり仕上げにかけて使うこともできます。
色々な調味料やスパイスが合わさって出来ているので他に味付けをする手間もはぶけますし、生姜が入っているので香りもよく食欲をそそられます。
生姜ドレッシングのおすすめはコレです。化学調味料や保存料等も使われていないので、素材の味をダイレクトに感じれる美味しいドレッシングでした(生姜の風味も結構しっかりしています)。
生姜の代用加工品5「ジンジャーパウダー(粉末生姜)」
お菓子に使うイメージのあるジンジャーパウダーですが、生姜をもとに乾燥させ細かくパウダー状にしているので代用品として使用することも可能です。
日本ではあまり馴染みがありませんが、アメリカなどでは生姜といえばジンジャーパウダーと認識されている程一般的です。
臭み消しにも効果はありますが、生姜を加熱したり乾燥させることにより生まれる”ショウガオール”という成分が身体を温める効果があります。香りより辛みが強い傾向になっているのが特徴的なので、仕上げに使うほうが合っています。
辛味が穏やかで使いやすいジンジャーパウダーもあります。「牛乳+シナモン+蜂蜜+このジンジャーパウダー」で作ったホットドリンクは、かなりクセになります。
まとめ:生姜の代わりになる代用品は用途に応じて使い分け
今回、生姜の代わりに使用できる食材と調味料・生姜の加工品で代用できる食材を紹介しました。
・食材は、長ネギ・セロリ・梅干し・青ネギ
・調味料は、料理酒・味噌・にんにく・胡椒
・生姜の加工品は、おろし生姜・紅生姜・ガリ(甘酢生姜)・生姜ドレッシング・ジンジャーパウダー(粉末生姜)
用途によって代用できるものは変わりますが、意外に代用できる食材・調味料は多いですね。緊急時に是非試してみてください。