七味に大麻の種が入ってるってホント?七味の原料・中身を徹底解説!
七味の中身って何がはいっているんだろう…。
原材料の「麻の実」は、まさか大麻じゃないよね?ケシの実も食べても大丈夫なのかな…?

そんな疑問に答えます。

普段なんとなく使っている「七味唐辛子」ですが、材料のことまで深く考えたことのある人は多くないかもしれません。

そして、原材料のところを確認すると「麻の実」「ケシの実」という気になるモノが…。今回は七味唐辛子の中身に入っている材料・原料について説明します。

七味に大麻の種が入ってるってホント?

七味に大麻の種が入ってるってホント?

実は、『七味唐辛子に大麻の種が入っている』、は本当なんです

七味唐辛子は江戸時代に、健康にいい赤唐辛子を食事として食べられる方法はないかと考えられたのが始まりで、もともとは漢方薬の調合がヒントになったといわれています。

七味には、様々な調合方法がありますが、多くの七味には「麻の実(大麻の種)」が含まれています。ここでは、七味の調合のルール等について解説をしていきます。

七味に含まれる原料の数や種類のルール

七味には、唐辛子のほか、麻の実(おのみ・大麻の種)、ケシの実、山椒(さんしょう)、ごま、陳皮(ちんぴ)、青のりなど主に7種類のスパイスを混ぜ合わせて作られていますが、特に原料の数や種類に決まりはありません。

江戸で生まれた七味唐辛子は全国に広まり、その土地や風土、そしてメーカーによってミックスする内容が多種多様に変化しました。

どの七味唐辛子でも、主に共通して入っているのは唐辛子、山椒、ごま、麻の実であり、各地域によってケシの実、青のり、陳皮、生姜、しその実などが配合されています。

七味の配合の基本は二辛五香(にしんごこう)といい、辛いものを2種類、香りを重視したものを5種類合わせているという意味です。

七味唐辛子専門店では、個人の好みに合わせ店頭で客が好みの味に調合してもらうことができます。原料の種類も七種に限らず、客の求めに応じて減じたり増したりできます。

七味唐辛子は和の料理に合いますが、好みやライフスタイルに合わせて洋風にすることもできます。

海外の七味は日本の七味と入っているものが異なるってホント?

海外に輸出されている七味唐辛子は、日本国内のものと中身が異なります。食品に関する法規制により、一部の国では、麻の実(大麻の種)、ケシの実が、法律の規制の対象となっているからです。

そこで、全世界すべての国に輸出できるように、食品メーカーは麻の実(大麻の種)、ケシの実を含まない七味唐辛子を輸出専用に作っています。

海外用の材料は、唐辛子、陳皮、黒ごま、白ごま(または金ごま)、山椒、生姜、青海苔の7種類です。海外で七味を食べる機会があれば、日本の七味との食感や香りの違いに驚いてしまうかもしれませんね。

材料のスパイスをミックスして七味唐辛子にするメリット

七味は日本で誕生したミックススパイスです。乾燥させたスパイスやハーブを使用しているため、保存が効くので手軽に利用でき、目的や好みに合わせてさまざまな粒度や混合にアレンジすることができます。

複数のスパイスやハーブをミックスすることで、スパイス同士がお互いの強すぎる香りや辛味を消し合い、食感をプラスし、結果としてふくよかで優しい香りになります。

また、スパイスの効果に深みや厚みが生まれ、味わいに幅が広がるという利点があります。

大麻~青のりまで!七味の主な原材料9選

七味に入っている材料・原料(大麻、ケシの実等)

七味の材料その1:麻の実(おのみ)

麻の実(大麻の種)は、七味唐辛子の中に入っている少し大きめの茶~黒色の丸い種子のことです。七味唐辛子に入っている麻の実はほとんどが大麻の種で、日本では縄文時代から食べられてきました。

ヘンプシードとも呼ばれ、味はクルミのようなコクのある味で、柔らかく油分があります。いなり寿司や、汁物に入れたり、炒ってそのまま食べたりします。

近年では、麻の実の殻を取り、柔らかい中身を取り出す技術が開発され、日本でも乳白色の麻ナッツを食べられるようになりました。

古代中国では、麻の実は五穀のひとつとして大切にされてきました。大麻の種からしぼった油は食用のほか、ヘンプオイルとよばれスキンケアなどにも用いられ、わたしたちの生活にとても馴染み深いスパイスです。

七味の材料その2:ケシの実

ケシの実は非常に細かな粒で、ケシの種を乾燥させたスパイスです。色は黒いものと、白いものがあり、ナッツ類の一種になります。

ケシの実は、噛むとプチプチとした食感で、そのまま料理にまぶしたり、細かく挽いて使われます。ほのかに甘い香りと、くるみのような香ばしさがあります。焼くとさらに香ばしいナッツの香りがします。

七味唐辛子のほか、おせち料理の田作り、パンやクッキー、ケーキなどのお菓子、炒めもの、揚げ物、インド料理などにもつかわれます。

七味の材料その3:唐辛子

七味唐辛子の主役、唐辛子は赤い果実の部分を乾燥させ、細かな粒子にして使われています。料理にふりかけることで、簡単に赤い色味と辛さをプラスすることができます。

唐辛子は鷹の爪やチリペッパーなどとも呼ばれ、七味だけでなくカレー粉、チリソースなどとして、世界中でミックススパイスにして使われています。緑色の葉もスパイスとして利用できます。

唐辛子は世界に3000種類あるといわれ、ヒリヒリする辛さ、甘みの強いもの、強烈な辛さや独特の風味のあるものなどがあります。

七味の材料その4:山椒

七味唐辛子のなかで、山椒は柑橘系の爽やかな香りと、ビリッとしびれるような辛味を演出します。成熟した果皮を乾燥させ、粉末にしたものが利用されています。

昔から日本料理のなかで、うなぎなどのコッテリした素材に添えてさっぱりと爽やかな口当たりにするのに使われてきました。また、味噌や醤油などの調味料とも相性がいいので、和食の風味付けにも使われます。

ちなみに花椒(セシュアンペッパー)も同じミカン科サンショウ属の仲間ですが別種です。花椒は中国四川料理に欠かせず、日本の山椒よりも刺激的な辛味があります。

七味の材料その5:黒ごま・白ごま

ごまは七味に欠かせない材料で、七味唐辛子に食感や香りを生み出す効果があります。ナッツのような香りと、種子を焙煎することで増す香ばしい芳香は、料理の風味づけに活躍します。

ごまはケシの実と同じように約50%の油分を含み、日本ではごま和えやごまドレッシングが人気がありますが、アジア以外の国でもパンやお菓子などの風味づけに使われるスパイスです。

ごまは漢方の中でも特に代表的な食材です。ごまには白ごま、黒ごま、黄ごま、茶ごま、金ごまがあり、種類が豊富。なかでも一般的なのは、白ごまと黒ごまです。

白ごまは油分が多く、一方黒ごまは油分が少なく、ごまの中では最も芳香性が高いのが特徴です。

七味の材料その6:青じそ・しそ

青じそ・しそ(チリメンジソ)は、乾燥させた葉または種子(しその実)が七味唐辛子に使われることがあります。しその実はぷちぷちとした食感と、紫蘇の葉と同様の風味があり、漬物や生薬などに使われています。

しそは、食事で健康な身体をつくる食養生の考えのなかにある「五味」という5種類の味の特性のうち、「辛(しん)」の代表的な食材のひとつです。

七味の材料その7:陳皮(ちんぴ)

七味に欠かせない陳皮は、成熟した温州みかんやポンカンの皮を天日干しにした生薬です。爽やかな香りとほのかな苦味が特徴的で、粉末状にして使用されています。

消化を良くする薬膳として、七味にブレンドされてきました。古ければ古いほど体にいいといわれています。主として七味唐辛子や五香粉といったミックススパイスの配合原料に用いられています。

臭い消しとしてカレーパウダーの材料や漬物の風味付けに使われたりもしています。

七味の材料その8:生姜

地域によって、七味唐辛子に生姜が入っていることがあります。爽やかな香りと清涼感のある辛味があり、七味に限らず料理や飲物に広く使われています。

乾燥させた生姜の粉(ジンジャーパウダー)として七味唐辛子のほか、クッキーやケーキなどの洋菓子、ジンジャーエールやブランデーなどに使われます。

七味の材料その9:青のり

青のりは糸状の海藻であり、これを粉状にしたものが青のり粉です。生産量が少ないので高級品です。青のり特有の香り成分(ジメチルサルファイドなど)は、紅藻やワカメや昆布などより数十倍多く含まれています。

青のりはあおさのりとは異なります。高級品の青のりは、贈答用や小料理屋などでの利用が多いのに対し、安価なあおさのりは、佃煮やポテトチップス、たこ焼きのトッピングなどに利用されてます。

七味唐辛子の麻の実・ケシの実は食べても大丈夫?

七味唐辛子の麻の実・ケシの実の安全性

[麻の実の安全性]

七味唐辛子に入っている麻の実(大麻の種子)には、麻薬成分がほとんど含まれておらず、食べたとしても身体に影響することはありません

麻にはたくさんの種類がありますが、その中でも大麻の種は食品として世界的に広く流通しており、ほかの麻に比べて入手しやすいという特徴があります。

大麻と聞くと、どうしても違法薬物を思い浮かべてしまいがちですが、違法薬物「マリファナ」となる大麻は、麻の実を発芽させ成長した、葉や花冠(かかん)等を精製して麻薬成分を圧縮させて作られたものです。

七味唐辛子や、ペットの餌などとして日常的に使われている大麻の種は、麻薬成分のテトラヒドロカンナビノールの影響がない0.2%以下であること、熱処理などの、発芽ができないような処理をしてあるもので、国の認可がおりています。

麻の実は大半が輸入品で、発芽防止処理をするよう外為法に定められています。正規輸入品は全て検査で処理を確認しており、発芽することは考えられません

[ケシの実の安全性]

ケシは、傷つけた未熟の果殻から分泌する乳液より、阿片・モルヒネが得られることから、日本では麻薬取締法とあへん法により一般の栽培が禁止されています。

「ケシの実」と呼ばれますが、実際は実ではなく種子です。そして食用のポピーシードの種子にはモルヒネが全く含まれていない、もしくは含まれていてもごくわずかです。

また栽培できないよう発芽防止処理がなされているため、安心して料理などに使うことができます。ちなみに園芸種として人気で、盛んに栽培されているヒナゲシ、アイスランドポピーとも異なります。

まとめ:七味唐辛子の大麻・ケシは食べても安全

七味の原材料の中身にある「麻の実」は大麻の種ですが、発芽しないように処理を行っており、種子自体には体に悪い成分がないので安心して食べることができます。

「ケシの実」も同じく、ケシの種子ですが、発芽をしないための処理がされているので全く心配ありません

七味唐辛子はもともとは漢方薬の調合をヒントにして作られ、食べやすいようにブレンドしたスパイスです。今では各地で多種多様の七味唐辛子がるので、自分好みの七味が見つかるといいですね。

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