…そんな疑問にお答えします。
筆者は阪神淡路大震災と東日本大震災の両方を経験しました。防災意識を持って災害に備えておくことの需要さを身にしみて感じており、非常食にも気を配って備蓄するようにしています。
本記事を読めば、3日分の非常食を備蓄する根拠や、どのくらいの分量を準備すればよいか、人数別の非常食おすすめセットなどが分かります。
目次
非常食3日分の備蓄が必要な根拠とその分量について
「非常食3日分備蓄」の根拠
3日分の非常食を備蓄するのがよい、とよく耳にしますね。これには根拠があります。「3日」という日数は、過去の震災から導き出された数字です。
過去に大地震が発生した後、道路状況等が安定し、流通の流れが回復して、国からの食料が届くなどの救援体制が整うまでにかかった日数がおおよそ3日だったからです。
そのため、最低でも3日間を自力で生き延びられるようにしようというのが、非常食は3日分必要といわれる理由です。
何日分の非常食があれば、備蓄十分?
では、3日分あれば非常食は十分なのでしょうか?
実は、それだけでは、備蓄十分とはいえません。発災後、被害状況が拡大した場合には、水道・電気・ガスなどのライフラインも壊滅状態となり、復旧作業に1週間以上の時間を要する可能性もあります。
物流機能が停止し、食料品が手に入りにくい場合もあるので、1週間分以上の備蓄をしておくのが望ましいといえます。
とはいえ、いきなり多くの備えをするのは難しいと思いますので、まずは最低限である3日分の非常食をしっかり備えていきましょう。
農林水産省の一例でみる非常食3日分の分量
絶対に備蓄しておきたい3日分の非常食の分量とは、いったいどのくらいでしょう。農林水産省の『aff(あふ)2016年9月号』の特集1非常食(2)より、大人1人分の必要量の一例を紹介します。
・水:3リットル
・パン:1食
・レトルトご飯、アルファ化米:7パック
・即席麺、カップ麺:1個
・肉、魚、豆などの缶詰:5缶
・レトルト食品:2パック
・豆腐(充てん):1パック
・乾物(かつお節、桜エビ、煮干しなど):適量
出典:農林水産省Webサイト
例をみると、非常食としてどのようなものをどれくらい準備したらよいか、具体的にイメージしやすいですね。
補足ですが、3日分の必須備蓄食料品例の中の「水:3リットル」というのは飲料水としてのものです。調理等に使用する水を含めると、より多くの水が必要となります。
1日1人あたりで計算すると、飲料水として最低限必要な量は1リットル程度で、調理等に使用する水を含めると3リットルあれば安心とのことです。
ですので、調理等に使用する分を含めた3日分の水であれば、9リットル必要ということになります。
また、非常食ではありませんが、ライフラインが停止した際は、食品を温めたり簡単な調理をするための熱源が必須となりますので、カセットコンロやボンベの備蓄も忘れないでください。
非常食にはどんなものが適している?
災害などの緊急時に私たちの命を救う非常食ですが、非常食に適した特徴はどのようなものでしょうか?
いざというときの備えですので、当然のことながら長期保管できるよう保存性が高いことが求められます。また、常温で保管できること、調理不要または簡単で短時間の調理で食べられるものが適しています。
農林水産省の一例にもある「アルファ化米」とは、一度炊飯などして、でんぷんをアルファ化させた後に急速乾燥したもので、水やお湯を加えるだけで食べられるお米のことです。
洗米やつけ置きをする必要がなく、手軽に主食のご飯ができあがるというのはありがたいですね。水や火の使用が制限される災害時には必需品といえます。
人数別の人気の非常食3日分おすすめセット
3日分の非常食の中身や分量がわかったけど、自分で買い揃えるのは大変…。買い物の量も多くなりますし、一つずつ賞味期限を確認するのも手間がかかりますよね。
そこで、人気の非常食セットを人数別にご紹介します。便利なセット品をベースにして、不足分を個別に補うのがおすすめです。
1人用セット(非常食3日分)
人気の1人用3日分非常食セットは、AZ.MARKETの『防災士と栄養士が考案した身体も心も満足の17種類20点セット』¥10,800(税込)です。
シリーズ累計販売個数140,000個突破(2020年10月時点)という大好評のセットです。
・アルファ化米 計7点:白飯、五目ごはん等
・ひだまりパン 計2点:プレーン、チョコ
・おかず 計4点:ハンバーグ、カレー等
・汁もの 計5点:即席味噌汁、オニオンスープ、卵スープ、野菜ジュース×2
・おやつ 1点(6本入):パワーブーストようかん×6
・非常用5年保存水(調理用)2リットル 1点
管理栄養士監修で、摂取カロリーがしっかりと計算されており、食べ合わせを考えて考案されている点が安心できます。
2人用セット(非常食3日分)
2人用の3日分非常食セットとしては、株式会社ピースアップの『2人用/3日分(18食) 非常食セット』¥6,771が高評価となっています。
・5年保存非常食6袋(3種類以上)
・5年保存おにぎり6袋(3種類×2)
・5年保存パン缶詰6缶(3種類以上)
※内容品の種類はお店で選定されます。
アルファ化米やパンの缶詰といった主食がコンパクトにまとまったお手軽なセットです。こちらのセットに加えて、普段から魚などの缶詰などを多めにストックするのも、よい備蓄方法といえるでしょう。
なお、株式会社ピースアップの非常食セットは2人用だけでなく、1人用から5人用までのセットがあり、いずれも高い評価を得ています。
3人用セット(非常食3日分)
3人用の3日分非常食セットでは、らいぷら(運営:株式会社クラウド)の『防災士がセレクトした3日分、3人用の保存食セット 非常食セット 3人用 3日分(27食)』¥10,692(税込)が人気です。
・アルファ化米6種類(種類はお店が選定)×3
・缶入りパン「パンですよ!」レーズン×3
・缶入りパン「パンですよ!」チョコチップ ×3
・サンリツ 缶入りカンパン 100g ×3
アルファ化米は、1人分(6袋)が1つの袋に入っているので、分けやすくて管理がしやすくなっています。
こちらの商品も、前述の株式会社ピースアップの非常食セットと同様に1人〜5人用がありますので、家族構成に合わせて準備ができて便利ですね。
4人用セット(非常食3日分)
4人用の3日分非常食セットでおすすめなのが、防災あんしん本舗(株式会社本舗.com)の『4人家族で3日間生きのびる!!あんしんQQ非常食セット』¥9,999(税込)です。
・保存水2L×2本
・アルファ化米 17個:白飯、五目ごはん、チキンライス等
・えいようかん(羊羹)×1箱(5本入)
・パンの缶詰×2個:チョコチップ味×1、コーヒーナッツ味×1
・ライスクッキー×3箱(1箱8枚入)
・レスキューぶどう糖×4個(1包装5粒入)
バラエティー豊かな内容が、ぎっしりと詰まったセットになっています。災害発生時は精神的にも落ち着かないことが想定されます。
そんなとき、ライスクッキーやぶどう糖、羊羹など、お菓子感覚の非常食があれば、お子さまでも無理なく食べられそうです。
【番外編】非常食にも適した『高品質』保存食
コンパクトにまとまっている人数別の非常食セットはとても便利ですが、それに加えて高品質の保存食をお好みで揃えることで、備蓄の充実度が高まります。
災害時の食事は、体はもちろん心の健康にも大きく関わります。高品質保存食を活用することで、非常食としての備蓄も、ふだんの食事も豊かになります。
ここでは、前述の農林水産省『aff(あふ)2016年9月号』の特集1非常食(4)「おいしくて長持ちする保存食」として掲載されている商品の中から、一部をご紹介します。
【缶詰】
「だしまき」mr.kanso ¥550(税込)
国産の卵と京風本格だしを使用。缶から出しても美しい形でふっくらした食感とのことで、まさに高品質ですね。
全国展開する缶詰バーmr.kansoの中で、不動の第一位を誇る伝説の缶詰だそうです。ふだんの食卓でも、1品足りないときに本格料亭のような逸品が楽しめます。
【フリーズドライ食品】
「マジックパスタ カルボナーラ」サタケ ¥389(税込)
熱湯のほか、水で作ることも可能です。のびにくいショートパスタを使うなどの工夫がされています。軽量で、お湯を入れて3分でできあがるというのも魅力ですね。
【レトルト食品】
「IZAMESHI Deli りんごが決め手の生姜焼き」杉田エース ¥540(税込)
りんごピューレと生姜をきかせて、定食屋風の味に調理されており、温めずにそのまま食べることもできます。
多くの工夫や厳しい品質管理によって、保存料を使用することなく長期保存を実現したとのことで、こだわりの一品ということが分かります。
【ロングライフ食品】
「Pascoのロングライフブレッドつぶあんパン」敷島製パン ¥147(税込)
生地作りの技術で、パンのしっとり感や風味が長期間持続します。パネトーネ種を使用しており、保存料不使用にもかかわらず賞味期限は1ヶ月以上です。
Pascoのロングライフブレッドは、つぶあんパン以外にも、クリームパン、ジャムパン、メロンパン、棒チョコデニッシュなど豊富な種類があります。
普段のおやつや朝食においしく利用しながら、非常食としての備蓄も兼ねられますね。
まとめ:まずは3日分の非常食を備蓄しよう!
いつ、どこで発生するか分からない災害に備えるため、まずは3日分の非常食を備蓄しましょう。
発災から3日間は、電気、ガス、水道といったライフラインが停止する可能性が高いため、最低限3日分の非常食の備蓄が必須となります。
人数にあった必要な分量を把握し、非常食セットや高品質保存食などを利用して、日頃から準備しておくことが大切です。