そんな疑問を持ったことはありませんか?
お菓子作りで使うことの多いベーキングパウダー。しかし、毎日のようにお菓子を作る人を除いては、それほど頻繁に使うようなものでもありませんよね。
いざ使おうと思ったら、賞味期限がとっくに切れていた!という経験をした人も少なくないのではないでしょうか?
この記事ではそんな疑問を解決するために、ベーキングパウダーの賞味期限から古くなったベーキングパウダーの取り扱い方法まで、全部まとめて解説します。
目次
ベーキングパウダーの賞味期限はどのくらい?
ベーキングパウダーはいったいどのくらい置いておけるものなのでしょうか?まずは、ベーキングパウダーの賞味期限について解説します。
そもそも賞味期限って何だ?
賞味期限とは、未開封の状態で表記してある方法を守って保存した場合に、品質が変わらずに問題なく食べられる期限のこと。
つまり、この期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではないけれど、品質が落ちてくる可能性が高いのでおすすめはしませんよ、という意味合いがあります。
食品の日持ちを表す指標には、消費期限というものもあります。消費期限は、お腹を壊すことなく安全に食べられる期限が、だいたい5日以内の食品に使用されますが、賞味期限は比較的日持ちの長い食品に対して使われます。
ベーキングパウダーの場合、賞味期限を大きく過ぎると生じるリスクとして、お菓子が膨らみにくくなってしまうことが考えられますね。
ベーキングパウダーの賞味期限は?
各メーカーのベーキングパウダーの賞味期限を調べてみました。未開封の場合の賞味期限は次の通りです。
商品名 | 容量・形態 | 賞味期限 |
---|---|---|
Home Made CAKE(共立食品)ベーキングパウダーアルミフリー | 30g(10g×3袋) | 540日(1年半) |
日清 ベーキングパウダー | 4g×8袋 | 360日(1年) |
にっぷん ふっくらベーキングパウダー | 10g×3袋 | 12ヶ月(1年) |
アイコク ベーキングパウダー赤プレミアム | 450g缶 | 18ヶ月(1年半) |
アリサン ラムフォード ベーキングパウダー | 113g缶 | 1095日(約3年) |
どのメーカーも注意事項として、高温・多湿を避けて保存するように書かれています。
ベーキングパウダーを開封すると賞味期限まで持たない!
開封前のベーキングパウダーの賞味期限はかなり長く設定されていることがわかりました。では、開封後のベーキングパウダーの場合はどうなのでしょうか?
ベーキングパウダーに湿気は厳禁!
ベーキングパウダーの別名は膨張剤。昔は膨らし粉とも呼ばれていました。つまり、ベーキングパウダーにはケーキなどを膨らませる補助をする役割があります。
ケーキを膨らませる役割をするのは二酸化炭素です。ベーキングパウダーの主成分である炭酸水素ナトリウム(重曹)を水に溶かして二酸化炭素(炭酸ガス)を発生させ、その二酸化炭素が生地中に気泡を形成して膨らむ、という仕組みです。二酸化炭素の発生は加熱によってさらに促進されます。
お菓子の材料として使用する前にベーキングパウダーが湿気などの水分に触れてしまうと、その時点で化学反応を起こしてしまい、お菓子に使用する時には効果が激減してしまいます。
ですから、ベーキングパウダーの保存中に湿気に触れないようにしないといけません。
開封後、いつまでなら使える?
ベーキングパウダーを開封した後は、いったいどのくらいの期間で使い切ればよいのでしょうか?
実際のところは、保存条件が悪くなければ1年くらいは問題なく使えるようです。ベーキングパウダーがサラサラの状態ならば問題ありませんが、湿気を吸ってかたまりができているような場合は要注意。
すでに化学反応を起こしてしまっている可能性が高いので、膨らませる効果がなくなっている可能性があります。
ベーキングパウダーが使えるかどうかを判別するには、透明なコップなどにお湯を入れ少量のベーキングパウダーを溶かしてみましょう。ベーキングパウダーを入れて瞬時に気泡が出るようならば、膨らませる効果はまだ残っています。
使用期限をできるだけ延ばすには?
Home Made CAKEのベーキングパウダーの表示には注意事項として、
「開封後は吸湿・虫害・においがつくのを防ぐため、必ず密封してなるべく早くお使いください。」
と書かれています。
ベーキングパウダーを開封した後は、湿気に触れないようにするのはもちろん、虫が混入したり他の食品の匂いが移ったりしないように、できるだけ密封することが大切だということですね。
そのためにも、開封後のベーキングパウダーはチャック付きの袋に入れるのがおすすめです。アルミ製の袋なら水も空気も通さないので理想的ですが、ビニル製のチャック袋でも輪ゴムやテープで開封口を止めるよりは効果が期待できそうですね。
そして、ベーキングパウダーが変質しないうちに、早めに使い切るようにしましょう。
賞味期限を過ぎたベーキングパウダーの使い道
ベーキングパウダーの存在をうっかり忘れていて、賞味期限が過ぎてしまった!ということもあるかと思います。賞味期限の切れたベーキングパウダーは捨てるしかないのでしょうか?
賞味期限を過ぎるとお菓子には使えない?
賞味期限を過ぎていても、見た目や匂いなどに変化がなさそうであれば、少量をお湯に溶かしてまだ使用できるかどうかを確かめてみましょう。
保存状態が良ければ開封後のベーキングパウダーでも使える可能性は十分ありますが、未開封なら使える可能性はさらに高くなります。
賞味期限は各メーカーが微生物検査や理化学検査、官能検査などの結果に基づいて設定しています。そして、検査によって安全だと判明した期間に、6~8割程度の安全率をかけて算出するのが一般的です。
◆前提:
・検査で「60日は問題ない」という結果が出た場合
・安全率:7割とした場合
◆メーカーで設定される賞味期限:
・賞味期限:60日×7割=42日
つまり、賞味期限が製造日から12ヶ月のベーキングパウダーの場合、それより数ヶ月長い期間でも、問題なく食べられる可能性が高いということになります。
ただし、保存状態によって変わってきますので、使えそうかどうかを必ず確認するようにしましょう。
重曹の代わりとして使える?
ベーキングパウダーは、二酸化炭素を生成する炭酸水素ナトリウム(重曹)の他、化学反応を促すための成分や粉を固まりにくくする成分などが入っています。
ベーキングパウダーには重曹が主成分として含まれていますが、その割合は25%ほど。含有量が少ない上に、化学反応を調整するために酸性の物質が入っているので、水に溶けると中和して重曹のアルカリ効果が激減してしまいます。
したがって、重曹と同じように使うにはかなりの無理があると言えるでしょう。
靴擦れ防止パウダーにいいらしい!
靴擦れは、サイズの合わない靴や素材の硬い靴を履いた時などに起こりやすいですよね。靴やサンダルの中で足が動いて、摩擦で皮膚が擦れてしまうのが原因と言われています。
ベーキングパウダーは靴擦れ防止によいらしいのです。靴やサンダルの中で足を動きにくくするには、ベーキングパウダーの粒子がちょうどいい大きさであるとのこと。
また、ベビーパウダーのように白くなりにくいので、サンダルでも使いやすいというメリットもあるようです。
使い方は簡単!足全体にワセリンなどの保湿剤をしっかりと塗り、ティースプーンに1杯程度のベーキングパウダーを手のひらに取って塗り広げるだけです。
NHKの朝の番組で紹介されていたようなので、試してみる価値はあるかもしれませんね。
まとめ:賞味期限切れのベーキングパウダーは見極めが大切!
ベーキングパウダーは、もともと賞味期限を長く設定されているのに加え、保存状態に気を付けていれば劣化しにくい物質です。ですから、開封して時間が経っていたり、賞味期限を過ぎていたりしても、まだ使用できる可能性はあります。
ただし、使用する際は、見た目の状態や匂いが変わっていないか、お湯に溶かして発泡するかどうか、虫が混入していないかなどを、しっかりと見極めるようにしましょう。