どんな和菓子と組み合わせても絶妙な存在感で上手にまとめる名脇役、求肥(ぎゅうひ)。甘いあんこのように派手ではないですが、ふんわり滑らかで優しい食感の虜になっている人は多いはず。
実は求肥は色々な種類の和菓子に使われてるって知っていましたか?
今回は求肥の和菓子をテーマに、お取り寄せでも楽しめる老舗の看板商品から人気上昇中のスイーツとのコラボ商品まで余すことなくご紹介します!
目次
- 1 求肥を使った和菓子にはどんなものがある?
- 2 求肥和菓子のおすすめ10選&お取り寄せ情報
- 2.1 求肥をシンプルに堪能できる東京手土産【目白志むらの九十九餅】
- 2.2 まるで和菓子の宝石箱【麻布昇月堂の一枚流し麻布あんみつ羊かん】
- 2.3 求肥とカステラが出会った岡山銘菓【つるの玉子本舗の調布】
- 2.4 求肥和菓子の新定番【共楽堂のひとつぶのマスカット】
- 2.5 和菓子で四季を表現【とらやの生菓子シリーズ】
- 2.6 オレンジ色の羊羹を求肥でくるり【長野風月堂の玉だれ杏】
- 2.7 三層で異なる食感と味わい【桂月堂の出雲三昧】
- 2.8 最中の食感にこだわりあり【あわ家惣兵衛の惣兵衛最中】
- 2.9 たっぷり求肥が入った子持ち鮎【金蝶堂の上り鮎】
- 2.10 求肥好きも大満足とろける食感の【松岡軒の羽二重餅】
- 2.11 和菓子だけにあらず!注目の求肥スイーツ情報
- 3 まとめ:求肥和菓子は種類豊富!お取り寄せも活用して人気商品を楽しもう
求肥を使った和菓子にはどんなものがある?
求肥が主役として使われる和菓子は珍しいだけに、どんな使われ方をしているのか分からないという方も多いですよね。
ここでは求肥が使われている定番和菓子を4つご紹介します。意外にも求肥はいろんな姿で活躍しているんですよ。
お茶菓子の定番「練り切り」
和菓子の中でも上生菓子と呼ばれるジャンルの代表格である「練り切り」。
四季を感じさせる色とりどりの花や植物を模した姿は食べる芸術とも言われます。見た目が美しいため、お茶の席や祝いの席に欠かせない和菓子の定番です。
求肥は主材料である白あんのつなぎとして使われ、ちぎってはこね、という作業を繰り返して原型の練り切りあんが作られます。
砂糖や水あめなどの糖分が含まれた求肥は水分を保持する作用があるため、常温でも柔らかいまま。練り切りのもちっとした食感は実は求肥によるものだったんですね。
懐深くなんでも包む「大福」
比較的若い世代にも人気の和菓子といえば大福。もともと大福はもち米から作られた餅を薄く伸ばして、あんを包んだ腹持ちのいい素朴な和菓子でした。
皮に求肥が使われるようになったのはわりと最近のこと。求肥を使用することで皮が硬くならず、団子とも餅とも違うふわっとした大福特有の食感が生まれました。
近頃では定番の豆大福や小豆大福に加え、旬のフルーツを使ったフルーツ大福やクリーム大福など和菓子のジャンルを飛び越えた魅力的な商品が次々と生まれています。
アイスを求肥でくるんだ雪見大福はもはや冬の代名詞の一つ。求肥は冷凍保存ができるのでアイスと組み合わせてもばっちりです!
求肥は元祖メンバー「あんみつ」
数ある和菓子の中でも一度にたくさんの和素材を堪能できるあんみつ。その中で求肥は名バイプレーヤーとしてふんわりした優しい食感をプラスしてくれます。
今ではクリームあんみつやフルーツあんみつなど和素材にこだわらないあんみつも浸透していますが、あんみつ発祥の店として知られる老舗、銀座若松の「元祖あんみつ」には赤と緑の求肥が添えられています。
あんみつには求肥派の筆者は求肥入りのあんみつを見かけると「お!ラッキー!」と心の中でガッツポーズ。もちもちの白玉団子と人気を二分するあんみつに欠かせない素材として活躍しています。
絹のような滑らかさ「羽二重餅」
羽二重餅はもち粉を蒸して、砂糖や水飴を加えて練り上げた白くてなめらかな餅和菓子のこと。もち米のうまみをダイレクトに味わうことができる求肥好きにはたまらない福井銘菓です。
福井名産の絹織物「羽二重」の肌触りの柔らかさや光沢を和菓子に再現したことが名前の由来。
材料も製法も求肥と同じですが、あえて違いを挙げるとすれば使用するもち粉が求肥より上等な羽二重粉であること。
羽二重餅は餡などを包まずにそのまま食べるのが主流なので、求肥好きには是非一度食べてもらいたい和菓子の一つです。
求肥和菓子のおすすめ10選&お取り寄せ情報
求肥を使った和菓子はまだまだたくさんありますよ!
東京で人気の定番土産から地方の老舗和菓子店の自慢の一品まで、選りすぐりの10品をご紹介します。お取り寄せできる商品も多いのでご自宅で求肥の食べ比べなんて楽しそうですね。
求肥をシンプルに堪能できる東京手土産【目白志むらの九十九餅】
東京目白に店舗を構える昭和14年創業の和菓子店「志むら」。この志むらの代表作と言われるのがSNSでも人気の「九十九餅」です。
全卵を使用したコシのある求肥と歯触りの良いとら豆がアクセントになった九十九餅は目白銘菓としても有名。進物用の木箱と包装紙に包まれているので東京の手土産にもばっちり!
賞味期限は3日ですが、凍らせて食べても硬くなりすぎないため、夏場はあえて冷凍庫に入れてから食べる方も。
公式オンラインショップはありませんが、店頭や電話で地方発送にも対応されているそうです。
【目白 志むら】
東京都豊島区目白3-13-3
電話:03(3953)3388 FAX:03(3950)9377
営業時間:[月〜土]9:00-18:00
定休日:日曜日
JR山手線目白駅より徒歩1分
まるで和菓子の宝石箱【麻布昇月堂の一枚流し麻布あんみつ羊かん】
地元で長く愛される有名店「麻布昇月堂」の看板商品と言えばこちら。
素材にこだわった口どけのよい羊羹にキラキラと輝く寒天やふんわりと柔らかい求肥、ゴロゴロと大粒の栗がぎっしりと散りばめられた姿はまさに和菓子の宝石箱!
色とりどりの華やかな見た目なので女性への贈り物に喜ばれること間違いなし。
麻布昇月堂は他にもそば粉を使った生地の中に歯切れ良い求肥をくるんだ餡を挟んだ「麻布どらやき蕎麦」や珍しい白あんの「いちご大福」など求肥好きにはたまらない品揃えですよ。
求肥とカステラが出会った岡山銘菓【つるの玉子本舗の調布】
「つるの玉子本舗」は岡山土産でおなじみのきび団子の製造でも知られる明治20年創業の老舗和菓子店。
国産100%のもち粉と最高品質の水で作られた求肥には素材へのこだわりを感じます。クレープのように薄いカステラ生地と柔らかな求肥の組み合わせは思わず頬が緩む黄金コンビ!手が止まらなくなる軽やかな和菓子です。
同じく求肥菓子に分類されるきび団子も120年以上伝統的な製造方法で作られているので求肥の美味しさは折り紙付きですね。
求肥和菓子の新定番【共楽堂のひとつぶのマスカット】
昭和8年に広島で創業した「共楽堂」。旬の果物や野菜を大胆に使い、こだわりの求肥や餅に旬を閉じ込めた和菓子が人気の老舗店です。
全国の催事場でとりわけ有名になったのが夏季限定商品「ひとつぶのマスカット」。
マスカットやぶどうを使った大福は数あれど、「ひとつぶのマスカット」には”ぶどうの女王“の異名を持つ最高級品種「マスカット・オブ・アレキサンドリア」が丸ごと一粒贅沢に使用されています。
マスカットのプチっとした食感とジューシーな果汁を引き立たせるため、求肥はあえて透けるような薄さに。そのため熟練の職人さんによる手包みの作業が欠かせません。贅沢にそのまま一口で味わうのがおすすめです。
公式オンラインショップまたは電話でお取り寄せ可能です(4月末~9月頃までの限定販売)。
【お取り寄せ情報】
公式HP:https://www.kyorakudo.co.jp/f/muscat
電話:0120-62-4097([月〜土]9:00-18:00)
FAX:0848-62-4180(24時間受付)
和菓子で四季を表現【とらやの生菓子シリーズ】
和菓子のトップブランド「とらや」からは大定番の羊羹、ではなく生菓子の練り切りがエントリー。求肥を楽しむならおすすめは春の到来を表現した「霜紅梅」と秋の香りを纏った「栗粉餅」。
紅色の求肥を梅の花にかたどった「霜紅梅」はやさしい食感の求肥とねっとり食感の白あんが好相性。
国産新栗を使用した栗そぼろの中に求肥に包まれた餡玉が入った「栗粉餅」は栗そのもののほっくりした味わいと香りを楽しめます。
季節に合わせて種類豊富な求肥和菓子を楽しめるのも有名店ならでは。季節の生菓子は公式オンラインショップにて事前予約販売を行っています(店舗受け取りのみ)。
【お取り寄せ情報】
公式HP:https://www.toraya-group.co.jp/onlineshop/search/?package_id=102
オレンジ色の羊羹を求肥でくるり【長野風月堂の玉だれ杏】
「長野風月堂」は250年以上の歴史を持つ信州でも指折りの和菓子老舗店。
この「長野風月堂」で人気の「玉だれ杏」は信州名産の杏が練り込まれた鮮やかなオレンジ色の羊羹を薄く伸ばした柔らかな求肥でくるりと巻いた善光寺詣でに欠かせない信州銘菓です。
昭和天皇への献上や善光寺のご愛用とお墨付きが多く、美食家で有名だった池波正太郎氏のエッセイにも登場するほど!
さっくりとした食感の杏羊羹ともっちり食感の求肥のコントラストが楽しく、杏特有の華やかな香りを楽しめます。夏は冷やして食べるとより美味しいという情報も!
全国銘菓専門の和菓子お取り寄せサイト「和菓子モール」よりお取り寄せ可能です。
【お取り寄せ情報】
和菓子モール公式HP:https://www.toraya-group.co.jp/onlineshop/search/?package_id=102
三層で異なる食感と味わい【桂月堂の出雲三昧】
島根県松江市の老舗和菓子舗「桂月堂」の看板商品と言えば「出雲三昧」。
小豆粉で作られた落雁、粒入りの羊羹、求肥の三段重ねという風格のある佇まいです。軽い触感の落雁と下地の求肥の柔らかさがなんとも面白い食感を生み出します。
甘さも程よく、緑茶や抹茶のお茶請けとして間違いなしの一品です。
最中の食感にこだわりあり【あわ家惣兵衛の惣兵衛最中】
東京都練馬区で70年、こだわりの小豆と伝統の製法を守り抜いてきた「あわ家惣兵衛」を代表する和菓子。
明治天皇にも献上された自慢の求肥最中には時間をかけてじっくり炊いた旨味たっぷりの小豆餡と歯ごたえの良い求肥餅が挟まれています。
和菓子の命ともいえる小豆は十勝の契約農家が丹精込めて育てたもの。パリパリしすぎない食感が心地よい最中には宮城県産のもち米「みやこがね」を使用。
上質な白玉粉で作られる求肥は強い火力で惣兵衛独自の方法で練り上げ、絶妙な塩梅に仕上げられています。
たっぷり求肥が入った子持ち鮎【金蝶堂の上り鮎】
岐阜県や京都府の銘菓として知られる若鮎は初夏の訪れを告げる和菓子です。
関東ではつぶ餡や白餡の入った若鮎をよく見かけますが、岐阜の老舗和菓子店「金蝶堂」の若鮎はシンプルに求肥とカステラ生地のみ。
長良川の鵜飼の鮎をイメージした若鮎は背が反った躍動感のある見た目です。中にたっぷりの求肥を入れることで子持ちの鮎を表しているのだとか。
卵を多めに使用したしっかりめのカステラ生地は甘さ控えめであっさりとした味わい。もちもちの求肥とバランスの取れた食感です。
販売期間は4月上旬から10月中旬まで。進物用のみ発送対応されているので電話でお取り寄せ可能です。
【お取り寄せ情報】
電話:0120-058-436(9:00~17:00)
求肥好きも大満足とろける食感の【松岡軒の羽二重餅】
求肥の高級版とも言える羽二重餅は求肥好きにはたまらない福井名物の和菓子。
発祥の老舗「松岡軒」の羽二重餅は絹織物のようにひらひらと軽く、口に含めばふわりとほどけるような食感です。
材料はもち粉、砂糖、水飴のみのシンプルイズベスト。そのシンプルさゆえ、配合が少しでも変わると見た目や食感が損なわれるのだとか。
今でも創業当時の配合を守り、添加物を一切加えない元祖と呼ぶにふさわしい製法で丁寧に作られています。そのまま食べても美味しいですが、冷蔵庫で少し冷やすとキリっとした美味しさを楽しめますよ。
和菓子だけにあらず!注目の求肥スイーツ情報
和菓子以外の求肥の楽しみ方も最後に少しご紹介。
最近では若者世代に人気のおしゃれなカフェでも求肥スイーツを楽しむことができますよ。ちょっと意外な組み合わせでも相性はばっちりです!
とろ~り求肥滴る【Parlor Vinefru 銀座のきな粉と求肥のパンケーキ】
「Parlor Vinefru 銀座」は2019年1月にオープンしたパンケーキとかき氷で評判の人気カフェ。
おすすめはなんと言っても人気番組「嵐にしやがれ」の最終回で紹介され話題となった「きな粉と求肥のパンケーキ(税込1,540円)」。
メレンゲ仕立てのふわふわパンケーキととろとろの求肥が交互に重なり、こだわりのブレンドきな粉がたっぷりとかかっています。
和菓子の素材がふんだんに使われているにもかかわらずおしゃれな見た目と味わいが楽しめますよ。
【Parlor Vinefru 銀座】
東京都中央区銀座1-20-10 トマトハウス 3F
電話:070-5517-9506
営業時間:[月〜日]11:00-19:00(L.O18:45)
定休日:水曜日
東京メトロ有楽町線 銀座一丁目駅より 徒歩7分
まるで大福!?【Panel Cafe京都の庭園抹茶大福パンケーキ】
2021年7月に祇園四条にオープンしたカフェ「Panel Café京都」。鴨川を眺めながら和素材を使用したユニークなパンケーキを楽しむことができます。
看板メニューは和菓子で有名な京都らしさが詰まった「庭園抹茶大福パンケーキ(税込1,380円)」。
ふわしゅわ食感のパンケーキの上に甘さ控えめの生クリームと濃厚な餡子、祇園辻利の抹茶を使用したほろ苦い抹茶味の求肥とたっぷりの抹茶パウダーがかかった姿はまるで抹茶大福のよう!
和菓子ともスイーツともつかない絶妙の味わいです。
【Panel Cafe 京都店】
京都府京都市東山区常盤町165 1F
電話:075-561-0533
営業時間:10:00〜17:00(16:00LO) ※時期によって変動あり
定休日:不定休
祇園四条駅より徒歩2分
まとめ:求肥和菓子は種類豊富!お取り寄せも活用して人気商品を楽しもう
和菓子の中では比較的存在感の薄い求肥ですが、求肥ならではの柔らかな食感やほのかな甘さが好きとという方も多いですよね。
求肥がメインの和菓子を探すのはなかなか難しいですが、地方銘菓の中には羽二重餅のように求肥そのものの美味しさを味わうものや、求肥が食感や味わいの決め手となるような和菓子も数多くあります。
パンケーキのようなスイーツとのコラボは求肥の可能性を感じさせますね。お取り寄せできる品も多く、冷凍保存も効くので自宅でも気軽に楽しめますよ。