そんな疑問にお答えします。
ピリッとした辛みのアクセントを料理に加えてくれる香辛料である鷹の爪。同じく赤い見た目の赤唐辛子や、青唐辛子などがありますが、これら唐辛子の違いってご存知ですか?
この記事では、鷹の爪と唐辛子の違いについてや、自宅で簡単に唐辛子が栽培できる方法などご紹介していきます。
鷹の爪と唐辛子の違いって?
和洋中どの料理でもスパイスとして活用できる鷹の爪と唐辛子。この二つの違いって案外わからないと思っている方が多いようです。ここでは、そんな鷹の爪と唐辛子の違いについてご紹介していきます。
鷹の爪は唐辛子の品種の1つ
鷹の爪とは、「ナス科トウガラシ属」に分類される代表的な唐辛子の品種になります。日本でよく使われているオーソドックスな唐辛子で、栃木・兵庫・香川県などで栽培されています。
激辛で人気のハバネロやハラペーニョと呼ばれる香辛料も、唐辛子の品種名の一つですよ。鷹の爪は、長さ3~7cm・幅1cmと割と小ぶりで鮮やかな赤色の実をしています。
名前の由来は少し曲がった紡錘形(ぼうすいけい)で、鷹の鉤爪に似ていることからだとか。他の品種の唐辛子と比べると、鷹の爪の形状は独特です。
「赤唐辛子」と「青唐辛子」は収穫時期の違い
赤唐辛子・青唐辛子という名称も、元々は同じ植物です。未熟な状態で収穫された緑色のものを青唐辛子、完熟して赤くなったものを赤唐辛子と言います。
唐辛子は熟すにつれて、緑色から黄色、オレンジ、赤色に変化していきます。鷹の爪は赤くなってから収穫するため、赤唐辛子と言えます。
鷹の爪の他にも日本産の赤唐辛子には、本鷹・三鷹・八房(はちふさ)・内藤とうがらしなどの種類があります。
青唐辛子は、辛味成分が高いハラペーニョから、ピーマンやししとう、万願寺とうがらしなど辛くない品種もあります。
【自家製唐辛子】鷹の爪のプランターでの育て方のコツ
料理で頻繁に鷹の爪を使っている、常備しているという方必見です!
実は、鷹の爪などの唐辛子は自宅で簡単に栽培・収穫が可能な植物なんです。ここでは、自家製唐辛子の簡単な栽培方法から、収穫時期や方法までご紹介していきます。
初心者でも育てやすいが室外機に注意
鷹の爪の生育適温は25℃~30℃と高温性で暑さに強く、病害虫の心配があまりないため、初心者でも育てやすい植物です。
栽培する場所は、日当たりや風通しが良く、水捌けのいい環境がベストでしょう。強すぎる日差しがあると、日焼けに注意が必要になります。
また、マンションのベランダやバルコニーにてプランター菜園する場合は南向きか北向き、室外機の位置が重要なポイントになります。
風通しがいいところが理想ではありますが、室外機の不自然な風や熱風は禁物です。土の乾燥が激しく、鷹の爪が弱りやすい環境になってしまいますので、注意してくださいね。
栽培するために必要なもの
自家製唐辛子を栽培する際は、以下の物を準備しましょう。近所にダイソーやキャンドゥがある方は、100均でも購入できるものがあるので、一度覗いてみてくださいね。
・種または苗
・鉢底石
・5~10号の鉢またはプランター(深さ30cm以上)
・花用の培養土
・化学肥料(固形または薄めて使う液体肥料)
・小型の園芸用シャベル
・園芸用グローブ
・園芸用の剪定ハサミ
・仮支柱(1株に付き1本:篠竹など細い棒で長さ10~20cm程度)
・本支柱(1株に付き1本:長さ120cm以上)
・誘引用のビニール紐
・じょうろ
プランターはわざわざ買わなくても、自宅にある牛乳パック・ペットボトルなどで代用することもできます。その際は、底部分には必ず身穴を開けましょう。
スーパーなどで野菜や魚を入れている発泡スチロールをもらって使えば、節約にもなります。ただし、できるだけ密度の高いもので、キリなどを使って底部分に穴を開けるのを忘れずに。
仮支柱は100均などに売っている鉄砲串や割り箸を活用できますし、本支柱も100均で購入できますよ。
苗から栽培すると育ちやすい
寒さに弱く光を嫌う「嫌光性」の鷹の爪の種は、温度管理がとても大変です。初めて鷹の爪を栽培する場合は、種からではなく、苗から植え付けた方が失敗が少なくてすみ、短期間で収穫も可能です。
自家製唐辛子の植え付け時期は、十分暖かくなってきた5月頃に行います。5月前後にホームセンターや園芸店にて販売が始まりますので、チェックしてみましょう。ネット通販でも、購入が可能ですよ。
家庭の鉢やプランターで、鷹の爪を育てる場合は、1~3株で十分です。良い苗の条件は、以下の通りです。
・茎が太い
・本葉が7~10本ある
・葉に艶がある
・1番花が開花寸前
どの鷹の爪の苗がいいのか見極めが難しい場合は、直接お店に出向き、店員さんに相談してみましょう。
苗植え→仮支柱立て
まずは自家製唐辛子の苗植えと支柱立てを行っていきましょう。
1.プランターや鉢などを綺麗に洗い、鉢底石を底が見えなくなるぐらいまで敷き詰める。
2.花用の培養土を入れていく。
3.30cm間隔で2カ所に苗が埋まる程度の穴を掘る(プランターに植える場合)
4.じょうろで水を注ぎ、土に水が染み込んだのを確認したら、苗の準備を
5.苗の入ったポットから、苗が傷つかないよう、根本を片手でおさえて逆さにして取り出す
6.穴に苗を入れ、株元に土をかけて、軽くおさえていく
7.苗の根本から10cm程度の位置に、苗に対して斜めに仮支柱を差す
8.交差する場所で、8の字状にビニール紐をゆるめにかけていく
8.プランターまたは鉢などの底から水が流れるまで、たっぷりと水をあげましょう
鷹の爪は浅く根を張るので水切れには注意が必要です。
また、唐辛子に含まれるカプサイシンは栄養不足や乾燥など、生育環境が悪くなるとストレスがかかり、増加する傾向にあります。土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水をあげるようにしましょう。
病害虫は比較的少ないですが、アブラムシが発生する場合があります。気になる時は、適した農薬(店で確認が必要)を散布して対応してみてくださいね。
苗植え後は追肥・整枝・本支柱立て
鷹の爪の苗植え後は、2週間おきに追肥・整枝を繰り返します。追肥は化成肥料10gを、鷹の爪の株元から少し離れたところに置き、肥切れを起こさないようにします。
整枝は、約1ヶ月ほど経つと白い花や実ができてくるので、最初に出来た実は摘み取っていきましょう。株が小さく根もはっていない状態の蕾を残しておくと、株自体が大きく育たなくなってしまうからです。
同時に、根本から10cmまでの脇芽や葉も採ってくださいね。さらに、付けておいた仮支柱を取り、1mほどの支柱を垂直に立てて、20cmくらいの位置に紐をかけて誘引しましょう。
収穫時期は9月~11月
自家製鷹の爪が、赤く育ってきたら順次、剪定ハサミで切って収穫していきます。なるべく、幹の中心に近いところから切り取りましょう。目安時期は9月~11月頃となります。
緑色から赤に変わり始めた頃が一番辛味が強く、実の肥大が終わるピークには減少していきます。辛味にこだわる場合は、いい頃合いを見て収穫してみましょう。
また、唐辛子の葉にも独特の味わいがあり、佃煮や天ぷらにすると美味しいですよ。
実のような辛味はありませんが、葉が柔らかいうちに摘み取るのがおすすめです。ただし、摘み取りすぎは生育に関わるので注意してくださいね。
基本的な自家製鷹の爪の苗植えから収穫までは、以下の動画で確認してみてくださいね。
【自家製唐辛子】鷹の爪を乾燥させる時の注意点
収穫した鷹の爪は、軒下などに逆さに吊るして乾燥させてから料理などに使っていきます。ここでは、そんな自家製唐辛子を、乾燥させる際に気をつけたいことをご紹介していきます。
直射日光はNG
鷹の爪を乾燥させる場合は、直射日光が当たる場所は避けましょう。
日光を当てすぎると、白く変色してしまい、味や風味が落ちてしまいます。天日干しであっても、風通しがよく、あまり日光が当たらない場所を探してくださいね。
また、鷹の爪は、先部分は果肉が薄くヘタ部分は肉厚なので、そのまま乾燥をさせると乾燥度合いに差が出てしまいます。上手に乾燥を進めたい場合は、あらかじめヘタを取り除いておくのがおすすめです。
電子レンジを使ったプラス乾燥がおすすめ
自宅のベランダや庭などで、自然な手法で鷹の爪などの唐辛子を乾燥させるのは手間や時間がかかるもの。
ある程度まで天日干し乾燥したら、仕上げに電子レンジで手軽に素早く乾燥させるのがおすすめです。
電子レンジを使えば、半日もあれば乾燥作業が完了します。電気代は少しかかるものの、何日もかけて乾燥させ、乾燥具合を毎日チェックする手間を考えると時短できてとても便利ですよ。
1.なるべく鷹の爪が重ならないように、お皿に並べる
2.30秒~1分程度加熱する
3.5分程度冷ます
4.2~3を根気良く何度か繰り返す
5.鷹の爪を持って、耳元で振ってみて、中の種が「カラカラ」と音が鳴れば、完了
<ポイント>
少し乾燥してきたら、1cm程度の輪切りにすると乾燥しやすいですよ。
また、ドライフルーツ等を作る食品乾燥機「ディハイドレーター」がある方は、簡単に鷹の爪などの唐辛子も短時間で乾燥できますよ。5000円ほどで売られていますので、ご興味がある方はチェックしてみてくださいね。
自家製唐辛子の賞味期限
自家製唐辛子の賞味期限は、丸ごと1本で1年、輪切りで半年~1年、粉末で1年(未開封の場合)になります。
輪切りは1本のものに比べると空気に触れる面が多いので、賞味期限が短くなります。鷹の爪は劣化すると、唐辛子のおいしさを十分に味わえなくなります。
色も赤色からオレンジに変わり、次第に茶色っぽく変化していきます。最後には枯れた草木のようになり、風味もなくなってしまうため、早めに消費することをおすすめします。
密閉した袋や瓶で保存する
乾燥後の鷹の爪を長期保存したい場合は、常温の状態でジップロックなどの密閉した袋や瓶に入れておきましょう。乾燥唐辛子は冷蔵保存してしまうと、湿気が多くなり、カビが生えてしまう危険があります。
湿気が少なくて乾燥しているところや、日光の当たらない場所に置いておくのがベストです。
まとめ:唐辛子の品種である鷹の爪を自宅で育てよう
唐辛子の品種の一種である鷹の爪は、自宅でも簡単に栽培できます。
料理によく鷹の爪を利用しているという方は、市販品よりも香りがいい自家製を作ってみてはいかがでしょうか。
一から育ててみると、今まで以上に色んな調理に使い、料理の幅が広がるかもしれませんよ!