圧力鍋で絶品ビーフシチュー!おいしく作るコツと簡単レシピをご紹介
ビーフシチューを作りたいけど、なんだか難しそうだよね…
圧力鍋で作るとお肉がレストランのように柔らかくなるって聞いたけど本当?!

フランス料理のメインや洋食屋のメニューとしてもおなじみのビーフシチューですが、プロの料理というイメージがありませんか?

レストランで食べるビーフシチューは、トロトロで柔らかい牛肉が特徴ですが、家でも同じように作れるとうれしいですよね。

手間がかかって難しそうなビーフシチューですが、圧力鍋を使えば柔らか肉のビーフシチューを簡単に作れます

この記事では、圧力鍋で簡単にできる本格ビーフシチューの作り方をおいしく作るコツとともに解説します。

↓コチラの圧力鍋の調理記事も人気です♪

圧力鍋でビーフシチューを作るメリット

圧力鍋でビーフシチューを作るメリット

家でビーフシチューを作る際に、普通の鍋ではなく圧力鍋を使うメリットはどこにあるのでしょうか?

スーパーの安い牛肉でもトロトロ&ホロホロに!

圧力鍋は、水蒸気で内部の圧力を高め、通常は100℃の水の沸点を120℃前後にまで上げて調理できることが特徴です。

通常よりも高い温度で調理ができるので、食材の組織が破壊されやすくなり、通常の鍋で作るよりも肉や野菜が柔らかくなりやすいという利点があります。

ですから、圧力鍋を使うと、上等の国産牛ではなく、スーパーで売っている輸入牛や安い牛肉でも、トロトロ、ホロホロの柔らかいビーフシチューを作ることができます。

鍋で煮込むよりもかなりの時短に!

市販のビーフシチューのルーに書かれている作り方では、ビーフシチューの煮込み時間はだいたい20~30分。

この程度の煮込み時間だと、肉や野菜に火が通って食べられるようになった状態で、お世辞にも肉が柔らかいとは言えません

もちろん、普通の鍋を使っても、柔らかいビーフシチューは作れますが、ホロリと柔らかいビーフシチューを作ろうと思ったら、最低でも1時間半くらいは煮込む必要があります。

一方、圧力鍋を使うと、15~20分ほど加圧してから火を止めてその後は放置をしておくだけで、肉がとても柔らかいビーフシチューを作れます。

普通の鍋なら1時間半~2時間程度煮込む必要があるので、かなりの時短になることがわかりますよね。短時間で作れるだけでなく、光熱費の節約にもなるのも大きなメリットです。

圧力鍋でビーフシチューを作る際に気を付けることとは?

圧力鍋でビーフシチューを作る際に気を付けることとは?

圧力鍋で作ると、短時間で牛肉の柔らかいビーフシチューを作れますが、その一方で注意すべき点もあります。ビーフシチューが失敗するだけではなく、危険な状態につながることもあるので、よく覚えておきましょう。

加圧時間は圧力鍋によって異なる!

普通の鍋で作る場合、レシピに何分煮込むと書いてあれば、どのような鍋で作っても煮込み時間の目安は大して変わりません。

しかし、圧力鍋でビーフシチューを作る場合、加圧時間はメーカーや圧力鍋の種類によって変わってくるので注意しましょう。

本やインターネットのレシピに書かれている加圧時間は、あくまでも目安です。使用している圧力鍋に付属しているレシピ集で加圧時間を確認するようにしてください。

ビーフシチューのレシピが載っていなければ、カレーや牛肉煮込みなどの似たようなレシピの加圧時間を参考にするとよいでしょう。

水の量は控えめに!

圧力鍋はフタで密閉をしてから調理を行うので、火にかけてから加圧している間は水分はほとんど蒸発しません。そのため、水の量が多すぎると、サラサラとした状態の味の薄いビーフシチューになってしまいます。

もし、水の量が多すぎて味の薄いビーフシチューになってしまったら、水分が飛ぶまで地道にコトコトと煮込むか、調味料を追加するしかありません。

ですから効率よく作るためには最初に入れる水の量をやや少なめにしておき、味や濃度が濃い場合に後から水を加えて調整するようにするとよいでしょう。

とろみのある状態で絶対に加圧しない!

ビーフシチューは、柔らかい牛肉や野菜にとろみのあるソースが絡んでおいしくなりますよね。このビーフシチューのとろみは、圧力鍋にとって大敵なのです。

圧力鍋のフタには、圧力を調整するノズルや圧力が上がりすぎた場合に作動する安全弁などが取り付けられています。

圧力鍋のフタを密閉した状態でビーフシチューのように粘性のある液体を加熱すると、圧力調整ノズルや安全弁が目詰まりし、正常に作動しなくなる恐れがあります。

シチューやカレーを加圧してしまったことが原因の突沸や破裂などの事故も少なくないようです。ルーやデミグラスソースなどを入れてとろみを付けた後は、絶対に加圧しないように注意しましょう。

簡単だけど本格派の味!圧力鍋を使ったビーフシチューの作り方

簡単だけど本格派の味!圧力鍋を使ったビーフシチューの作り方

プロが作る本格的なビーフシチューは、肉と野菜を数時間煮込んでブイヨンを取るところから始め、さらに数日かかってデミグラスソースを作り、そしてシチューに仕上げます。

本格的に作ると数日かかるビーフシチューですが、市販のルーやデミグラスソースを使用して圧力鍋で作ることで、短時間で簡単においしいビーフシチューを作ることができます。

ワンランク上のビーフシチューに仕上げるコツ

市販のルーやデミグラスソースを使ったビーフシチューを本格的な味に近づけるためには、赤ワインを使う方法がおすすめ。赤ワインを使うことで、次のような効果が期待できます。

・アルコールや有機酸の保水効果により、牛肉のパサつきを抑え肉を柔らかくする。

・有機酸やタンニンなどが肉の生臭みを消す。また、シチューにブドウの熟成した良い香りを与える。

・牛肉との相性が良く、特有の渋みや香りが牛肉の味わいを深めて味にコクを出す。

・タンニンがシチューの味を引き締める。

赤ワインを加えて煮込むだけでも効果がありますが、牛肉をワインに漬け込むことでさらに効果が高まります。家でより本格的な風味のビーフシチューを作りたいのであれば、赤ワインは必ず用意するようにしましょう。

市販のルーで作る圧力鍋を使ったビーフシチューのレシピ

市販のルーを使うと、余計な味付けが必要ないので簡単にビーフシチューを作れます。圧力鍋を使うと、普通の鍋を使ってパッケージに書かれた方法で作るよりも、本格的な味わいのビーフシチューになります。

材料と作り方
市販のルーで作る圧力鍋を使ったビーフシチューレシピ

【材料】(4~5皿分)

牛肉(バラ、すね肉など) 300~400g程度

玉ねぎ 中1~1.5個

にんじん 中1本

じゃがいも 中2個

しめじ 1パック

ブロッコリー 適宜

水 250cc

赤ワイン 150cc

市販のルー 1/2箱

ローリエの葉 1~2枚

サラダ油 大さじ1程度

【作り方】

1.牛肉は3cmくらいの角切りに、玉ねぎは大きめのくし切り、にんじんは一口大、しめじは根元を落として小分けにしておく。

2.じゃがいもは一口大に切り、ブロッコリーは房を小分けにして電子レンジで下茹でをしておく。

3.牛肉に塩、こしょうで下味を付け、熱したフライパンで表面に焼き色が付く程度にさっと焼いて取り出す。

4.肉を取り出したフライパンにサラダ油を入れ、玉ねぎ、にんじん、しめじを香りが立つ程度に炒める。

5.圧力鍋に、3の肉、4で炒めた野菜、水、赤ワイン、ローリエの葉を入れてフタをし、圧力鍋をセットする。

6.圧力鍋を火にかけ、沸騰するまでは強火で、圧力がかかったら弱火にして15~20分程度加圧して火を止める。

7.圧力が下がるまでそのまま放置し、圧力が下がったらフタを開けてルーを割り入れて溶かす

8.2のじゃがいもを加えて再び火にかけ、時々かき混ぜながらとろみが付くまで10分程度煮込み、皿に盛り付け下茹でしたブロッコリーを添える。

【ポイント】

水と赤ワインの割合はお好みで加減してください。牛肉を数時間ワインに漬け込むと、さらに本格的な味わいになります。

・味の濃い薄いがある場合は、でき上がった後に水やルーを足して調節してください。

デミグラスソースを使った圧力鍋で作る本格ビーフシチュー

市販のルーを使うよりも多少の手間がかかりますが、市販のデミグラスソースを使ってビーフシチューを作ると、より本格的な味わいを楽しめます。

デミグラスソースはハインツの商品がスーパーなどで簡単に手に入ります。

材料と作り方
デミグラスソースを使った圧力鍋で作る本格ビーフシチュー

【材料】(4~5皿分)

牛肉(バラ、すね肉など) 300~400g程度

玉ねぎ 中1~1.5個

にんじん 中1本

じゃがいも 中2個

しめじ 1パック

ブロッコリー 適宜

カットトマト水煮缶 1/2缶

赤ワイン 100cc

しょうゆ 小さじ1/2

ローリエの葉 1~2枚

サラダ油 大さじ1

デミグラスソース缶(290g) 1缶

バター 15g

塩・こしょう 適宜

【作り方】

1.牛肉は3cmくらいの角切りに、玉ねぎは大きめのくし切り、にんじんは一口大に切り、しめじは根元を落として小分けにする。

2.じゃがいもは一口大に切り、ブロッコリーは房を小分けにして電子レンジで下茹でをしておく。

3.牛肉に塩、こしょうで下味を付け、熱したフライパンで表面に焼き色が付く程度にさっと焼いて取り出す。

4.肉を取り出したフライパンにサラダ油を入れ、玉ねぎ、にんじん、しめじを香りが立つ程度に炒める。

5.圧力鍋に、3の肉、4で炒めた野菜、トマト缶、赤ワイン、しょうゆ、ローリエの葉を入れてフタをし、圧力鍋をセットする。

6.圧力鍋を火にかけ、沸騰するまでは強火で、圧力がかかったら弱火にして15~20分程度加圧して火を止める。

7.圧力が下がるまでそのまま放置し、圧力が下がったらフタを開けてデミグラスソースとじゃがいもを入れる。

8.再び火にかけて時々かきまぜながら弱火で5分ほど煮込み、最後にバターを入れて塩、こしょうで味を整え、皿に盛り付け下茹でしたブロッコリーを添える。

【ポイント】

・牛肉は数時間ワインに漬け込んでおくと、さらにしっとりと柔らかくなります。

・トマト水煮缶は、水200ccとトマトケチャップ大さじ2~3で代用できます。100%の野菜ジュースやトマトジュースでもOKです。

圧力鍋で作ったビーフシチューが失敗?!対処法は?

圧力鍋で作ったビーフシチューが失敗?!対処法は?

最後に、圧力鍋でビーフシチューを作った際にありがちな失敗事例とその対処法をいくつかご紹介します。

肉が固い!トロトロにならない!

牛肉が全体的に固い場合、その原因は加圧時間不足です。加圧時間をもう少し長くしてみましょう。ルーやデミグラスソースを加えた後は再加圧できないので、入れる前に肉の硬さを確認するとよいでしょう。

一方、牛肉は柔らかくなっているけど、トロトロではなくホロホロと崩れてしまう場合は、使っている肉の部位に原因があります。

煮込んだビーフシチューの肉がトロトロになるのは、コラーゲンがゼラチンに変化するため。つまり、コラーゲンの少ない部位を使うと、肉はホロホロと崩れるだけでトロトロにはなりにくいのです。

トロトロの牛肉にしたいのであれば、コラーゲンが比較的多い、すね肉、バラ肉、テール肉、すじ肉などを使うようにしましょう。

逆に、ホロホロの肉らしい食感を残したい場合は、もも肉、ウデ肉、肩ロースなどがおすすめです。

とろみが足りない時はどうする?

圧力鍋でビーフシチューを作る場合、水の量の調整がしにくいのが難点。でき上がったビーフシチューのとろみが少ないこともあります。

味自体が薄い場合は、市販のルーを足すとよいですが、後からとろみだけを付けたい場合には以下のような方法でとろみを足すことができます。

1.ブールマニエ(同量のバターと小麦粉を混ぜたもの)を加える

2.水で溶いた小麦粉を加える

3.すりおろしたじゃがいもを加える

なかでもおすすめは1番のブールマニエを加える方法。コクも出るのでビーフシチューに向いています。

ブールマニエの作り方は、レンジで数秒ずつ加熱して柔らかくしたバターに同量の小麦粉を混ぜるだけ。入れた後は数分煮込むようにしましょう。

味が物足りない!コクが足りない!

でき上がったビーフシチューの味が物足りない場合は、調味料のちょい足しで味を調整しましょう。

全体的な味が薄い場合に便利な調味料がトマトケチャップです。トマトケチャップだけだと酸味が強くなる可能性があるので、砂糖を少量入れて味を調整するとよいでしょう。

味を引き締めたい場合は、塩やこしょうがおすすめです。また、コクが足りない場合には、バター、オイスターソース、味噌などを加えてみましょう。

いずれの調味料を足す場合にも入れすぎは禁物!味が大きく変わってしまう可能性があるので、少量ずつ入れるようにしてください。

野菜が柔らかくなりすぎる!

圧力鍋で牛肉を柔らかくしようと思ったら、15~20分ほどの加圧が必要ですが、長く加圧すると野菜が柔らかくなりすぎてしまいます。

ご紹介したレシピでは、じゃがいもはレンジで下茹でしたものを後から加えましたが、にんじんや玉ねぎの食感もしっかりと残したい場合は、同じように後入れするとよいでしょう。

すべての野菜を後入れする場合は、最初に牛肉と半量の玉ねぎを入れて15~20分加圧し、圧力が下がったら野菜を加えて2~3分加圧して圧力が下がるまで放置します。

じゃがいもの煮崩れを防ぎたい場合は、じゃがいもだけをレンジで下茹でして最後に加えるとよいでしょう。

スープに溶け出した脂やアクが気になる!

バラ肉やすね肉などのコラーゲンが多めの部位は、必然的に脂身も多くなります。スープに溶け出す脂が気になる場合は、牛肉を15~20分加圧した後に溶け出した脂身を取り除くようにしましょう。

表面に浮いた脂を取り除くだけでもよいですが、しっかりと取り除きたい場合は完全に冷ましてから固まった脂身を取り除く方法がおすすめです。脂身を取り除くとアクもいっしょに取り除けるので一石二鳥ですね。

脂身は気にしないけどアクは気になる!という場合は、加圧する前に水と赤ワインと牛肉だけで数分煮込んで、アクを取り除いてから他の材料を入れて加圧するとよいでしょう。

酸味が強くなってしまった!

赤ワインを入れて圧力鍋でビーフシチューを煮込むと、酸味が強くなってしまうことがあります。

赤ワインの酸味がビーフシチューの味に影響しないようにするためには、酸味の少なくまろやかな赤ワインを選ぶようにしましょう。品種でいうとメルローがおすすめです。

また、酸味はしっかりと加熱して揮発させると和らぐ傾向があります。加圧だけで酸味が抜けないようであれば、フタを開けた状態でしばらく煮込んでみてください。

それでも酸味が気になる場合は、トマト缶を水とトマトケチャップに置き換えたり、砂糖を少し入れて甘くしたりすると、酸味を和らげることができます。

まとめ:圧力鍋と赤ワインで本格派のビーフシチューを楽しもう!

手間と時間がかかるビーフシチューも圧力鍋を使えば、短時間で簡単に作れるだけでなく、牛肉も箸で簡単に切れるくらいに柔らかくなります。

プロが作るようなビーフシチューに近づけたいのであれば、ポイントになるのが赤ワイン。赤ワインを使うことで肉はさらに柔らかくなり、シチューのコクや風味もアップします。

数百円の安いワインでも十分なので、ぜひ赤ワインを用意して圧力鍋でおいしいビーフシチューを作ってみてくださいね。

おすすめの記事