そんな疑問にお答えします。
ドライフルーツを入れたパウンドケーキ。作った時はしっとりしていても保存するうちにぱさぱさになってしまうこともありますね。せっかく楽しみにしていたティータイムも、ぱさぱさのパウンドケーキではがっかりです。
この記事を読めばドライフルーツのパウンドケーキをしっとりさせるコツや作り方、アレンジレシピがわかります。
目次
ドライフルーツのパウンドケーキをしっとりさせるコツは?
パウンドケーキの「パウンド」は、フランス語で重さのポンドのことです。すべての材料を1ポンドずつ入れて作ることからつけられました。
ドライフルーツを使ったパウンドケーキ、どうせ作るならしっとりしたおいしいケーキを食べたいですね。ちょっとしたコツを押さえれば、長く保存してもしっとりが続きますよ。
ではまずはパウンドケーキを手作りするときに知っておきたいポイントを見ていきましょう。
材料を室温に戻す
ドライフルーツのパウンドケーキをしっとりさせるには、バターと卵をあらかじめ室温に戻しておくことが大事です。
室温に戻さずにバターと卵を混ぜると分離してしまい、生地がふくらまない原因になってしまいます。作業を始める数時間前にはバターと卵を冷蔵庫から取り出しましょう。
バターが固い時にはレンジで20~30秒温めると軟らかくなります。この時温めすぎると溶けてしまうため、10秒位ずつレンジから出して様子を見ながら温めてください。
ドライフルーツの下処理を丁寧に
ドライフルーツの下処理はとても大切です。袋から出してそのままのドライフルーツをパウンドケーキに入れると、食感が悪くなったり生地の水分を吸ってパサパサしてしまいます。
製菓用のラム酒や洋酒に漬けたドライフルーツを購入するか、あらかじめドライフルーツのラム酒漬けを作って準備しましょう。前の晩に下準備するだけでも生地のしっとり感が変わってきますよ。
ドライフルーツのラム酒漬けについては下の記事に詳しく載っていますので、ぜひ併せてごらんください。
バターと砂糖をよく混ぜる
ドライフルーツのパウンドケーキの作り方にはいくつかありますが、一般的なバターと砂糖を混ぜる方法について説明します。バターと砂糖はしっかりと泡立て器でバターが白くなるまでよく空気を含ませましょう。
ここで空気がきちんと生地に入れば、焼くときにしっかりと膨らみます。出来上がりのしっとりした感じも違ってきますので、ここは手を抜かずにがんばってくださいね。電動の泡立て器があれば便利で楽に混ぜることができます。
卵は数回に分けて入れる
卵とバターは水と油なので、そもそも混ざりにくいものです。いっぺんに混ぜると分離してしまい、それまでの苦労が水の泡になってしまうことがあります。
卵とバターが分離したまま小麦粉を入れると、生地が均等に混ざらずに出来上がりがバサバサになってしまうことも。
卵は常温に戻して、少しずつ混ぜていきましょう。慣れないうちは卵をスプーンで1杯ずつ入れて、丁寧に混ぜるとうまくいきますよ。どうしても分離してしまう場合は、分量内の小麦粉を少し入れて混ぜるとなめらかになります。
粉を入れたらさっくりと混ぜる
小麦粉にはグルテンが含まれており、粘りの元になります。小麦粉を混ぜるときに練るように混ぜてしまうと、グルテンの粘りが出てパウンドケーキが硬い仕上がりになることがあるので注意が必要です。
泡立て器をヘラに持ち替えて、切るようにさっくりと混ぜていきましょう。ドライフルーツは粉を混ぜている途中で入れてあげると、混ぜ過ぎの防止になります。粉っぽさがなくなって生地につやが出てきたら、混ざった合図です。
オーブンは予熱をしっかり
オーブンの予熱が足りないと生地が膨らまなかったり、中が生焼けになったりします。予熱時間はオーブンの機種や気温によっても変わってきますが、お菓子作りに一般的な170~180度の予熱なら10~15分程度と言われています。
それぞれのオーブンにくせがあります。15分予熱したけれど生焼けだったら、次は予熱時間を5分延長するなど工夫してくださいね。最近は予熱が完了したらブザーで知らせてくれるタイプのオーブンが多くなりましたので、上手に使ってください。
保存方法にも気を付けよう
ドライフルーツのパウンドケーキが焼きたてはしっとりしていたのに、冷蔵庫で保存したらぱさぱさになることがあります。冷蔵庫の中は意外に乾燥していますので、保存方法には工夫が必要です。
すぐ食べる分を切り分けたらラム酒などの洋酒かシロップを、はけでしっかりとパウンドケーキの表面に塗ってラップしてから保存しましょう。表面から水分が逃げるのを防いで、時間がたってもしっとりしたパウンドケーキを楽しめますよ。
しっとり!ドライフルーツのパウンドケーキの作り方
ドライフルーツたっぷりのパウンドケーキは、お茶のお供やお土産にもぴったりですね。自分で作れば材料も選べて、安心して食べられます。
きちんとコツを押さえながら作ればしっとりとした大満足のケーキにできますよ。ここからは基本の作り方から、アレンジレシピをご紹介します。
基本の作り方
ドライフルーツのパウンドケーキはポイントを押さえればしっとりとおいしく作れますよ。
【材料】(1本分)
・薄力粉:120g
・卵:2個
・砂糖:70g
・バター:100g
・ベーキングパウダー:小さじ1杯
・ドライフルーツのラム酒漬け:150g
・洋酒またはシロップ:大さじ2杯
【作り方】
1.バターと卵を常温に戻し、ドライフルーツの水分を切っておきます。
2.薄力粉とベーキングパウダーを混ぜてふるっておきます。
3.型にバターを塗るか、クッキングシートを敷き、170度にオーブンを温めておきます。
4.ボールにバターと砂糖を入れ、泡立て器でクリーム状になるまで混ぜます。
5.4.に溶き卵を数回に分けて混ぜ、ヘラに持ち替えて半分の小麦粉とベーキングパウダーを入れ、さっくりと混ぜます。
6.ドライフルーツを入れて混ぜます。
7.残り半分の小麦粉を入れて、つやが出るまで切るように混ぜます。
8.ケーキ型に生地を端を高めに中央が低めになるように入れます。
9.型を数センチの高さからトンとテーブルの上に落として空気を抜きます。
10.170度のオーブンで50分焼いて完成です。
11.すぐ食べる分を切り分け、保存する分には洋酒やシロップをはけで塗りラップで丁寧に包むとしっとりします。
【ポイント】
焼き始めて10分位で一度オーブンから取り出し、中央にナイフで切れ目をすっと入れてあげるとふくらみやすくなります。
ラム酒なしの作り方
お子さんやお酒が苦手な方に、ラム酒を使わないドライフルーツのパウンドケーキです。ドライフルーツを砂糖で煮るので、甘いのが気になる方は砂糖の量を調整してください。
【材料】(1本分)
・ドライフルーツ:70g
・砂糖(シロップ漬け用):大さじ3杯(約30g)
・薄力粉:120g
・卵:2個
・砂糖(ケーキ用):70g
・バター:100g
・ベーキングパウダー:小さじ1杯
・シロップ:大さじ2杯
【作り方】
(前の晩の準備)
1.鍋にお湯を沸かし、ドライフルーツを30秒煮ます。
2.ざるにドライフルーツをあけ、お湯は捨てます。
3.鍋にドライフルーツを入れ、ひたひたになるくらいの水と砂糖を入れます。
4.弱火で10分位ことこと煮たら火を止め、そのまま一晩置いておきます。
※パウンドケーキの作り方は上記の「基本の作り方」をご参照ください。
【ポイント】
ドライフルーツを最初お湯で30秒煮るのは、コーティングされているオイルを取り除いてシロップをしみ込ませやすくするためです。前の晩のドライフルーツのひと手間でパウンドケーキのしっとり感が違いますよ。
ホットケーキミックスを使った作り方
ホットケーキミックスを使えば、簡単でおいしいドライフルーツのパウンドケーキが作れます。
【材料】1本分
・ホットケーキミックス:100g
・バター:80g
・砂糖:50g
・卵:2個
・ドライフルーツのラム酒漬け:150g
・ラム酒またはシロップ:大さじ2杯
【作り方】
1.バターと卵を常温に戻し、ドライフルーツの水分を切っておきます。
2.型にバターを塗るか、クッキングシートを敷き、170度にオーブンを温めておきます。
3.ボールにバターと砂糖を入れ、泡立て器でクリーム状になるまで混ぜます。
4.3.に溶き卵を数回に分けて混ぜ、ヘラに持ち替えて半分のホットケーキミックスを入れ、さっくりと混ぜます。
5.ドライフルーツを入れて混ぜます。
6.残り半分のホットケーキミックスを入れて、つやが出るまで切るように混ぜます。
7.ケーキ型に生地を端を高めに中央が低めになるように入れます。
8.型を数センチの高さからトンとテーブルの上に落として空気を抜きます。
9.170度のオーブンで50分焼いて完成です。
10.すぐ食べる分を切り分け、保存する分には洋酒やシロップをはけで塗りラップで丁寧に包むとしっとりします。
【ポイント】
ホットケーキミックスは溶けやすいのでふるわなくてもいいですが、余裕があれば一度ふるってください。
サラダ油を使った作り方
バターの代わりにサラダ油を使ってドライフルーツのパウンドケーキを作ることができます。さっぱりと軽い仕上がりになりますよ。
【材料】1本分
・薄力粉:120g
・卵:2個
・砂糖:70g
・サラダ油:80g
・ベーキングパウダー:小さじ1杯
・ドライフルーツのラム酒漬け:150g
・洋酒またはシロップ:大さじ2杯
【作り方】
1.卵を常温に戻し、ドライフルーツの水分を切っておきます。
2.薄力粉とベーキングパウダーを混ぜてふるっておきます。
3.型にバターを塗るか、クッキングシートを敷き、170度にオーブンを温めておきます。
4.ボールに卵と砂糖を入れ、泡立て器で白くなるまで混ぜます。
5.4.にサラダ油を少しずつ混ぜ、ヘラに持ち替えて半分の小麦粉とベーキングパウダーを入れ、さっくりと混ぜます。
6.ドライフルーツを入れて混ぜます。
7.残り半分の小麦粉を入れて、つやが出るまで切るように混ぜます。
8.ケーキ型に生地を端を高めに中央が低めになるように入れます。
9.型を数センチの高さからトンとテーブルの上に落として空気を抜きます。
10.170度のオーブンで50分焼いて完成です。
11.すぐ食べる分を切り分け、保存する分には洋酒やシロップをはけで塗りラップで丁寧に包むとしっとりします。
【ポイント】
サラダ油だと分離が起きにくいですが、いっぺんに入れるとやはり分離が起きることがありますので、少量ずつ加えてください。
しっとりが好評のドライフルーツのパウンドケーキお取り寄せおすすめ3選
ドライフルーツのパウンドケーキは自宅でも比較的簡単に作れますが、やはりプロの作ったパウンドケーキはひと味違います。
自宅用はもちろん、おつかいものやプレゼントにもおすすめですよ。ここからはネットで人気のしっとりしたドライフルーツのパウンドケーキを3種類ご紹介します。
シカ【フルフトクーヘン】
株式会社シカは香川県高松市にある、昭和44年(1969年)年創業の洋菓子店です。店名「シカ」にちなんで、高松市にある店舗では鹿を飼っているそうです。地元では「鹿のいるお店」として知られています。
フルフトクーヘンはドイツ語で「果物のケーキ」の意味です。ラム酒の代わりに「洋酒グランマルニエ(オレンジリキュール)」が使われています。ドライフルーツはオレンジ、レーズン、いちじく、杏、プルーンが使われています。
足立音衛門【王妃様のフルーツケーキ】
足立音衛門は京都府にある、平成3年創業の和洋菓子店です。自称栗オタクの店主「おとえもん」が世界中から厳選した素材で、お菓子を製造販売しています。
栗のお菓子で有名な足立音衛門ですが、春夏限定でドライフルーツを使ったパウンドケーキを販売しています。王妃様のフルーツケーキはパイン、クランベリー、マンゴー、バナナのブランデーに漬けを使ったフルーツたっぷりのしっとりした商品です。
銀座ル・ブラン【パウンド・フリュイ】
銀座ル・ブランは明治40年(1907年)から銀座に店舗を構え、昭和54年(1979年)から本格的に洋菓子の製造を始めました。始めは2坪の小さい店舗で営業していましたが、現在は新宿と銀座の2店舗になっています。
パウンド・フルュイの「フルュイ」はフランス語で「果物」で、「フルーツを使ったパウンドケーキ」の意味があります。生地をしっとりさせるためにアーモンドパウダーを加えているのが特徴です。
ドライフルーツはオレンジ、レーズン、リンゴ、プラムをラム酒漬けにしたものを使っています。
まとめ~ドライフルーツのパウンドケーキはしっとり幸せなお菓子
ドライフルーツのパウンドケーキは簡単に作れる半面しっとりせず、ぱさぱさになりやすい傾向がありました。ポイントさえ押さえれば、長い期間保存出来てしっとりしたおいしい状態を保つことができます。
最近ではバターを使わないヘルシーなサラダ油のパウンドケーキの作り方も開発されて、健康を気にする人にはうれしいですね。ぜひ自分に合った作り方でオリジナルのパウンドケーキを作ってみてくださいね。