そんな疑問にお答えします。
今、スーパーフードと呼ばれ注目されている”デーツ”というフルーツをご存じでしょうか?他の果物よりは知名度は高くないですが、スーパーなどで見かけたりします。
ほとんどはドライフルーツとして売られていますが、詳しい栄養や効能をご存知の方はまだ少ないのではないでしょうか。
この記事では、デーツの栄養や効能・体に与えてくれる嬉しい効果・オススメの食べ方や保存方法を紹介します。
目次
ドライフルーツ”デーツ”とは?含まれる栄養は?
デーツとは?
デーツはヤシ科の”ナツメヤシ”の実です。日本の食材では干し柿によく似ており、産地や品種によって多少異なりますが、しっとりとした食感で味は黒糖のような癖がない甘味が特徴です。
木に実をつけたまま乾燥させて作られます。色は褐色・形は楕円形でプルーンに似ています。
日本ではあまり一般的ではありませんが、中近東やアメリカでは日常的に食べられている果実です。最近ではデーツの美容効果が注目され、女性を中心に人気が出ています。
ヨーロッパやアジアでも消費が増え、それに伴い日本でも比較的簡単に手に入るようになってきています。
ミネラルの宝庫!デーツの栄養価とは?
デーツにはミネラルが豊富に含まれており、果実の中でもトップクラスと言われています。歴史は古く紀元前6000年前から栽培されています。
乾燥させて日数が経過しても栄養分が損なわれないため、砂漠を移動するキャラバンは保存食として持ち歩いて旅をしていたと言われています。デーツがどれほど栄養価が高いかプルーンと比較してみます。
デーツ プルーン
100g中 1粒(20g)中 100g中 1粒(10g)中
エネルギー 266kcal 53.2kcal 235kcal 23.5kcal
たんぱく質 2.2g 0.44g 2.5g 0.25g
脂質 0.2g 0.04g 0.2g 0.02g
食物繊維 7.0g 1.4g 7.2g 0.72g
鉄 0.8g 0.16g 1.0g 0.01g
カリウム 550mg 110mg 480mg 48mg
マグネシウム 60mg 12mg 40mg 4.0mg
カルシウム 71mg 14.2mg 39mg 3.9mg
亜鉛 0.4mg 0.08mg 0.4mg 0.04mg
パントテン酸 0.94mg 0.19mg 0.32mg 0.03mg
葉酸 19μg 3.8μg 3μg 0.3μg
普段の食事で不足しがちなミネラルは”カリウム・カルシウム・鉄・亜鉛”と言われています。
デーツはミネラルが豊富だといわれるだけあって、海外で”ミラクルフルーツ”と呼ばれているプルーンよりも、カリウム・マグネシウム・カルシウムといったミネラルの含有量が上回っています。
栄養価が高いのにカロリーや脂質が低いので”スーパーフード”と呼ばれることになったようです。
ドライフルーツ"デーツ"の効果や効能
ドライフルーツのデーツに含まれるミネラルは身体を構成するのに必要な成分であり、数多くの効果が期待されています。ここでは、デーツで期待できる5つの効果効能をご紹介いたします。
1.免疫力アップ
免疫力が下がると、細菌やウイルスからの攻撃に対抗する力が弱くなってしまいます。
適度な睡眠や運動はもちろん、食事から免疫細胞を活性化させることも必要になってきます。デーツには、亜鉛やカルシウム・マグネシウムなど免疫力アップが期待される成分が含まれています。
- 亜鉛:風邪や感染症にかかりにくくなり、傷や病気の早期回復にも必要な成分です。
- カルシウム:免疫細胞に適切な情報を伝達する役割があります。
- マグネシウム:抗菌作用があり、感染症予防が期待できます。
亜鉛・カルシウム・マグネシウムが豊富に含まれているデーツを取り入れて免疫力アップを目指しましょう。
2.貧血・便秘の改善
月経がある女性にとって鉄分摂取は非常に重要になります。貧血になると、めまいやふらつきなどの代表的な点だけでなく、頭痛や脱毛・肌荒れなどが挙げられます。
女性に人気がある理由の1つに、この貧血予防に役立つという点があります。
他にも、ドライフルーツのデーツには食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境が改善され、便通がよくなります。腸内環境が良くなると、美肌や代謝の向上にもで適切量を摂取することにより健康維持にも繋がります。
3.ストレス改善
ストレスは身体にいい影響を与えてくれません。”ストレスは無いよ!”という方もいると思いますが、知らず知らずの間に、人間の身体は”暑い・寒い・空腹”などでもストレスを感じています。身体が健康である為には、心の健康も必要です。
人がストレスを感じると亜鉛・カルシウムの消費が増えます。ドライフルーツのデーツに含まれる豊富なビタミンB類や亜鉛・カルシウムがそれを補ってくれます。
さらに、幸せホルモンと呼ばれる”セロトニン”の生成を助けるマグネシウムも多く含まれているので、抗うつ効果があるので精神安定にも効果があると言われています。
4.抗酸化作用
ドライフルーツのデーツにはフラボノイド・カロテノイドなど複数の抗酸化作用が含まれており、ガンや動脈硬化・心疾患・のリスクが低減すると言われています。また、糖尿病やアルツハイマーにも効果があると期待されています。
- アルツハイマー予防:アルツハイマーの原因はアミノロイドβたんぱく質の脳の沈着だと言われており、デーツにはアミノロイドβたんぱく質の活性化を低下させる効果があると言われています。
- 糖尿病予防:デーツの含まれるナイアシン(ビタミンB3)は糖の代謝を助けるインシュリンを作るのに必要な成分であり、適切な量のインシュリンが生成され糖が正常に代謝され、糖尿病を予防できると言われています。
このように、身体面だけでなく、精神面にもいい効果・効能があるため、ドライフルーツのデーツは”スーパーフード”と呼ばれているのですね。
5.生活習慣病の予防
生活習慣病には、高血圧・糖尿病・心筋梗塞など生活習慣が関与して発症する疾患です。
ドライフルーツのデーツに含まれているカリウムには摂りすぎた塩分の排出を促し高血圧を予防してくれます。さらに、血糖値の急上昇は肥満や糖尿病・心筋梗塞の原因になります。
ドライフルーツのデーツは食後血糖値が急に上がらない低GI値(31-50)とされています。砂糖などのGI値の高い調味料をデーツペーストに変えることで生活習慣病の予防に繋がると言われています。
ドライフルーツ"デーツ"が妊娠中の人にオススメの理由
妊娠中の女性が毎日2~3個のデーツを食べると丈夫な子が育つ!と信じられています。
妊娠中は貧血や便秘・浮腫による悩みが多くなりますが、ドライフルーツのデーツには鉄分や葉酸・食物繊維・カリウムが豊富に含まれているので、妊娠中に不足しがちな栄養素を補ってくれると言われています。
なぜデーツが妊娠中の方におすすめなのか理由を紹介します。
1.豊富な葉酸
ドライフルーツのデーツには葉酸が豊富に含まれています。妊娠初期は葉酸の積極的な摂取を薦められます。
葉酸は細胞分裂を行うDNA合成に必要な栄養素であり、妊娠初期は重要な器官が作られる時期なので摂取が必要になります。
今はサプリメントなども販売されていますが、サプリメントでは味気ない!食物から摂りたい!という方にドライフルーツのデーツがおすすめです。
2.貧血予防
日本では妊婦の3分の1が貧血に悩まされていると言われています。妊娠初期から赤ちゃんに血液を送り続け、実質2人分の血液を作らなくてはなりませんし、出産時にも出血が起こります。
なので、妊娠全期間で貧血気味になってしまいます。ドライフルーツのデーツには鉄分が多いとされているほうれん草に匹敵するほど多くの鉄分が含まれています。
3.便秘予防
食物繊維も豊富に含まれているので、便通もよくなります。病院で貧血と診断されると、鉄剤が処方されます。鉄剤は便が固くなるという副作用があり、それを緩和させるためにマグネシウムが処方されます。
ドライフルーツのデーツにはマグネシウムも豊富に含まれていますので、錠剤を飲まずに天然の食材から貧血も便秘も予防できます。
4.浮腫・妊娠高血圧病予防
ドライフルーツのデーツに含まれるカリウムには体内の塩分を排出する作用があるので、浮腫の予防ができます。また、妊娠高血圧病にも効果があると言われています。
妊娠高血圧病と診断されてしまうと、痙攣発作や脳血管疾患などを合併しやすく、妊娠20週以降から分娩の12週までに注意が必要ですので、積極的に取入れてみてください。
ドライフルーツ『デーツ』の食べ方と保存方法
ドライフルーツのデーツは種を除けば皮まで丸ごと食べることが出来ます。しかし、甘味が強いのでそのまま食べるのは辛いという場合はくるみやアーモンドなどのナッツ類と合わせると食べやすくなります。
ドライフルーツ"デーツ"と相性のいい食材やアレンジレシピを2つ紹介します。
レシピ例1:デーツと生ハムのブルスケッタ
ドライフルーツデーツの色味もワンポイントで可愛く、ちょっとしたパーティーをお洒落にしてくれますよ。
【材料】(2人分)
・バケット:1/2本
・ドライフルーツ デーツ:5粒
・生ハム:10枚
・クリームチーズ:50g
・オリーブオイル:適量
・黒胡椒:適量
【作り方】
薄くスライスしたバケットにクリームチーズ生ハム・デーツを乗せ、オリーブオイルと黒胡椒で軽く味付けすれば完成です!
【ポイント】
バランスが取りにくい場合はピックや爪楊枝で固定してみてください。
レシピ例2:デーツのドライカレー
ドライフルーツのデーツはスパイスとの相性がいいのでカレーと合わせてみてもいいでしょう。
【材料】(2人分)
・豚ミンチ:200g
・玉ねぎ:250g
・人参:100g
・ピーマン:100g
・ドライフルーツ デーツ:4粒
・カレー粉:大2
・塩:小1/2
・砂糖:小1
・トマトジュース:200g
【作り方】
1.具材は全てみじん切りにし、玉ねぎはきつね色になるまで弱火でじっくり炒め、きつね色になったら、お肉・人参・ピーマンの順に炒めていきます。
2.トマトジュース・デーツ・砂糖・塩・カレー粉を加え、蓋をして弱火で汁気が少し残るくらいまで煮込みます。
【ポイント】
味が薄ければ塩胡椒で足して味を整えてください。 ドライフルーツのデーツは低カロリーですが、食べ過ぎは糖質過多になってしまうので1日3~4粒程度に抑えてください。
デーツを長持ちさせる保存方法のコツ
デーツはドライフルーツとして売られているのがほとんどなので、長期保存が可能です。基本的に常温で売られていますが、一度開封した場合は”冷蔵保存”が好ましいでしょう。
冷凍保存の方が長持ちしそうですが、デーツは冷凍保存してしますと繊維が壊れてしまい美味しくなくなってしまいます。
食品は空気に触れることにより劣化が始まりますので、開封後はタッパーや密閉式のポリ袋など密封できる状態にして湿度が低い冷蔵庫上部に保存しましょう。また、開封前は直射日光・高温多湿を避け冷暗所で保管してください。
まとめ:ドライフルーツ『デーツ』は女性に嬉しい効果がたくさん
デーツはビタミンやミネラルが豊富に含まれており、妊娠中の女性には欠かせない葉酸も多く含まれています。
他のドライフルーツに比べてカロリーが低く、甘味は強いですが、GI値も低いです。まだまだ日本では馴染みのないデーツですが、これから注目される食品でしょう。