皆さんはカレーライスを作る時、カレー粉とカレールーのどちらを使っていますか?
筆者は簡単に作ることができるカレールーを使うことが多いのですが、実は、カレー粉とカレールーの違いは使い勝手の良さだけではなく、その中身には大きな違いがあります。
この記事では、カレー粉とカレールーのそれぞれの原材料や用途、カロリーの違いや、代用方法、それぞれを比較した時のメリットなどをご紹介していきます。
目次
カレー粉とカレールーの原材料、用途、カロリーの違いは?
カレー粉とカレールーの原材料の違い
カレー粉とカレールーの一番大きな違いとして、まず使われている原材料と形状があげられます。
カレー粉について
カレー粉は基本的にスパイスのみで作られているパウダー状のもので、商品によって違いはありますが、含まれている原材料は以下のようなものになります。
・ターメリック
・クミン
・コリアンダー
・カイエンペッパー(レッドペッパー、チリペッパー)
それぞれに健康効果(消化促進、新陳代謝促進、食欲増進、鎮静、抗酸化作用などなど…)がありますので、カレー粉は健康食品の一つといっても良いでしょう。
また、これらは調味料ではなく香辛料ですので、味付けは別途必要となります。
カレールーについて
カレールーはそのほとんどが小麦粉と油でできています。
割合としては商品によって多少の違いはありますが、主に小麦粉40%、油40%、残りが香辛料や調味料、野菜のペースト、添加物などとなっており、少し衝撃的な数字ですよね。
また、形状は使いやすいように固形タイプになっている商品がほとんどです。お鍋にポンと入れて溶かすだけで味付けが完成するのは時短料理に大変便利です。
ただし、健康に良いカレー粉と比べた場合、カレールーはその逆で健康のためにはあまり良くない食品と言えそうです。
用途にも大きな違いがある
カレー粉もカレールーも、その名にカレーがついている通りどちらもカレーライスを作る時に使うことが多いと思います。
カレー粉の場合は味付けなどがされておらずパウダー状でもあるので、カレー風味にしたい料理に幅広く使うことができます。
ただし、カレーライスを作る場合には、代表的な日本のカレーのようなとろみをつけるには自分で小麦粉や野菜を使って調整しなくてはいけないため、少し手間がかかります。
一方で、カレールーは元々カレーライスに適した味付けやとろみがつくようにバランスを考えて作られていますので、カレーライスを作る時には最高に便利なものですが、逆にそれ以外の料理には使いずらいといった違いがあります。
1食あたりで比べた場合のカロリーの違い
それではカレー粉とカレールーのカロリーの違いはどうでしょうか。
カレー粉について
カレー粉のカロリーは100gあたり約415kcalになります。主な栄養成分は以下のとおりです。
・糖質:26.4g
・食物繊維:36.9g
・タンパク質:13g
これだけを見ると結構糖質が高いんだなと感じますが、実際にカレー粉を料理に使う場合というのはせいぜい数グラムですので、1食あたりのカロリーは25kcal程度となります。
カレールーについて
一般的なカレールーのカロリーは100gあたり約510kcalになります。主な栄養成分は以下のとおりです。
・糖質:41g
・食物繊維:3.7g
・タンパク質:6.5g
一食あたりで換算するとカレールーだけで約100kcal程度となります。
カレー粉もカレーライスも、合わせる食材や調味料で数字は変わってきますが、やはり小麦粉と油がたくさん入っているカレールーのカロリーはカレー粉と比べるとかなり高くなります。
カレールーよりカレー粉の方が優れている点
実際にカレー作りをすることを考えると、カレールーよりもカレー粉の方が優れている点が3点ほどあります。どちらを使うか悩まれている方は、参考にしてみてくださいね。
「洗い物」という点では、カレー粉に軍配
カレールーの油汚れは強くてなかなか落ちなかったり、頑張って洗っても鍋やお皿に臭いが残ってしまったり、洗ったスポンジがすぐダメになってしまうなんてことも…。
その点、カレー粉でカレーを作る場合はカレー粉自体に油は含まれていませんし、油を入れたい場合も自分で調節して入れることができるため、同じカレーでもその後の洗いやすさが格段に違います。
別途小麦粉を入れなければとろみも強くありませんがから、汚れ落としもスルっと取ることができます。
洗剤や水道代の節約にもなりますし、カレールーで作るカレーと比べると環境に優しいというメリットもあるかも知れません。
何よりカレーの後片付けの憂鬱から解放されるのは、カレー粉で作るカレーの大きなポイントの一つですね。
健康面を気にするならカレールーよりカレー粉
カレールーにはたくさんの油と小麦粉が使われています。特にカレールーに使われている油は低コストのあまり体には良くない食用油脂(パーム油脂や動物性の混合油など)が使われていることが多いようです。
そのため、食べ過ぎたり、油が酸化したカレールーを使ったりすると胃痛や胃もたれ、胸やけ、口の中がべたべたする、翌日も体が重い…といった症状を引き起こすことがあります。
それに比べてカレー粉にはカレールーのような油や小麦粉は含まれておらず、逆に健康効果の高いスパイスが含まれていることが多いことから、食べたあとは胃もたれなどはなくむしろ胃がすっきりと感じることもあります。
そういったことから、健康面への影響を考えるとカレールーよりもカレー粉が優れた食材と言えます。
※オーソドックスなものから変わり種まで、おすすめの市販のカレー粉はこちらの記事でご紹介しています。
味にこだわりたい方も!カレー粉はアレンジ面でも優秀
一般的なカレー粉はスパイスのみでできているので、料理によって味をつけることが必要になります。つまり一緒に使用する他の調味料や油などを自分の好みで選べ、味の調節をすることもできます。
また、余計な調味料などが使われていない分カレーライス以外の料理でも使いやすいというポイントがあります。
カレールーも他の料理で使うことは可能ですが、固形である場合が多いのと、とろみや油が強いので料理によっては使いにくかったり他の食材の邪魔をしてしまうこともあるため用途は限定的になります。
それに対してカレー粉はパウダー状でとろみもないので、スープ類やカレー鍋、炒め物やチャーハン、そしてお肉やお魚の下味にもとても使いやすくなっています。
カレー粉よりカレールーの方が優れている点
カレー粉は優秀な点も多いのですが、カレールーが売れているのには訳があります。ここでは、カレールーのおすすめポイントを2つご紹介していきます。
調理面ではカレールーの方が圧倒的に楽!
カレールーの良さといえば、カレーライスを作る上で何よりも簡単で手軽なこと。
カレー粉を使った時のように自分で材料を用意したり味の調整をしなくても、カレールー一つで美味しいカレーライスを作ることが出来る点が大きなメリットです。
とろみがつくことと油分が多いため用途はカレー粉ほど幅広くはありませんが、逆にそのとろみを生かして他の料理をアレンジすることもできます。
固形のカレールーを削って溶けやすくしたり量を調整することで、たとえばスパゲティのミートソースの味付けに加えてみたりしても面白いですよ。
また、肉じゃがやかぼちゃなどのとろみの出る煮物に加えてカレー風味にリメイクしてみたり、少しとろみをつけたいポタージュスープに混ぜてみるのもおすすめです。
これも最初から味付けがされているカレールーだからこそ、簡単に美味しく料理を変身させることができるのです。
カレールーはスーパーでも手に入りやすく種類が豊富
カレー粉よりカレールーを選ぶメリットの二つ目は、スーパーやコンビニなどで手に入りやすく、さらに商品の種類が豊富なことです。
辛さだけで見ても甘口から辛口まで好みで選べますし、原材料に関しては各メーカーや商品によって本当に幅広く、たくさんのフルーツペーストが入っているものや、魚介エキスが含まれているものなどこだわりがそれぞれ違います。
また、主流の固形タイプだけではなく、使いやすいパウダータイプのカレールーも売られています。カレー粉と間違えないよう注意が必要ですが、用途によっては更に使いやすくなりますよね。
色々なカレールーを選べる楽しさや、自分の好みの味を見つけること、そして何よりそれらを手軽な値段で簡単に試せるというのはカレールーの良さでもあります。
そしてカレールーはどんどん進化しており、お店で見るたびに新商品が発売されていたりしますので、ぜひ皆さんも新しい味のカレーを発見するために試してみてはいかがでしょうか?
カレールーはカレー粉で代用可能?両方使用するのはNG?
カレールーとカレー粉、それぞれのメリットデメリットをご紹介してきましたが、どちらかだけ選ぶなら、筆者は「カレー粉」をおすすめします。
というのも、カレールーはカレー粉で代用することができるからです!具体的な代用のコツをご紹介していきますね。
カレールーをカレー粉で代用する方法
カレー粉にはカレールーのようなとろみ成分や調味料、野菜やお肉のエキスなどは含まれていないため、そのまま使うとコクや旨味は足りずとろみも出ません。
しかし家にある食材や調味料などを使ってカレールーの代用にすることができます!その方法をいくつかご紹介します。
・とろみをつけるために小麦粉や片栗粉、またはとろみの出やすいじゃがいもや玉ねぎなどの野菜のすりおろしを入れる
・甘味がほしい場合は砂糖やはちみつを入れる(1歳以下のお子様にははちみつはNGです。)
・味の旨味やコクを出したい場合はトマト、しょうが、コンソメ、インスタントコーヒー、ケチャップ、ソース、焼き肉のたれなどをお好みで入れる
インスタントコーヒーはカレーのコクを出してくれるのですが、入れ過ぎると苦味が出ますので少しずつ入れて調整してみてください。
また、ケチャップやソース、焼き肉のたれはカレールーと同様に様々な野菜やフルーツのエキスが含まれている商品が多いためカレーに旨味を出すことができます。
こちらも入れ過ぎると辛くなってしまいますので少しずつ入れてみてくださいね。
カレー粉とカレールーの両方を使うのはNG?
カレー粉だけでは物足りず、カレールーだけでは本格的な味にならない…といった場合、両方使ってみるという方法もあります!
その場合はまず野菜やお肉にしっかりカレー粉をまぶして炒め、水を入れて煮込んでから最後にカレールーを溶かして入れてください。
カレールーにもスパイスは入っていますがその量はあまり多くありませんし、カレー粉で様々なスパイスを追加で入れることによって味に複雑さと深みが加わりいつものカレーライスが格段に美味しくなるのでおすすめです。
まとめ:カレー粉とカレールーにはそれぞれの良さがある!
いかがでしたでしょうか?
カレー粉を使って幅広いカレー風味の料理にチャレンジするのも良いですし、カレールーを使ってたくさんカレーライスを作り、みんなでわいわい食べるのも楽しいですよね。
様々な角度からカレー粉とカレールーの違いやそれぞれの良さをご紹介しましたが、一概にどちらが良いとは言い難く、今回ご紹介したそれぞれのメリットを参考にしながら用途や目的によって使い分けていただけたら嬉しいです。