そんな疑問に答えます。
最近、パン作りが好きな方の間で、コーンブレッドの材料であるコーングリッツの人気が急上昇しています。しかし、輸入とうもろこしが原材料であることから、安全性に不安を持っている人も多いよう。
コーングリッツに危険性はあるのか、もしあるのなら、安全なコーングリッツを選ぶにはどうすればいいのか…以下でわかりやすく解説していきます!
目次
コーングリッツに秘められた危険性とは…?
アメリカでは一般的な粉製品「コーングリッツ」。とうもろこしの皮や胚芽を取り除いて挽いた粉のことをいいます。
日本では、コーンブレッドの材料として有名で、パン作りが好きな人の間で人気です。フライドチキンの衣としてもよく使われ、独特のガリガリッとした食感が魅力的。
そんなコーングリッツですが、輸入とうもろこしを原材料としていることから、本当に安全なのか、心配に思っている人も多いようです。いったい、コーングリッツの何が危険なのでしょうか?
原料のほとんどが「遺伝子組み換え」作物
コーングリッツの原材料であるとうもろこし。日本で販売されているコーングリッツの多くは、アメリカ産のとうもろこしで作られています。アメリカでは、遺伝子組み換え作物を栽培することが許可されています。
とうもろこしについて言えば、アメリカのとうもろこし畑の9割以上が、遺伝子組み換え作物を生産しています。
当然、日本で買えるコーングリッツの多くが「遺伝子組み換えとうもろこし」を原材料にしている…と予想できますね。
とはいえ「遺伝子組み換え作物」はどんなものなのか…意外に私たちは知らなかったりします。「遺伝子組み換え」という言葉のイメージで、恐ろしいものだと決めつけている人が多いようです。
「遺伝子組み換え作物」って危険なの?それとも安全なの?以下でわかりやすくお話ししていきます。
遺伝子組み換え作物ってどんなもの?
「遺伝子組み換え作物」は、その作物に対し、他の生物の細胞から抽出した遺伝子の組み換えを行い、新たな性質を持たせた作物です。
主に「害虫に強い性質」「除草剤に強い性質」を持たせることが多いです。「栽培の手間がかからない」ことが大きなメリットです。
「害虫に強い性質」を持っているので、殺虫剤(農薬)をまく必要がありません。
そして「除草剤に強い性質」を持っているので、飛行機のような機械で広範囲に除草剤をまいたとき、雑草だけが枯れてその作物は枯れないのです。
ある農家が、少ない人手で効率的に多くの作物を栽培したいと考えたときに、「遺伝子組み換え作物」は、魔法のように便利な存在であると言えます。
日本では輸入が認められているが…
農業における効率的な栽培・収穫に便利な「遺伝子組み換え作物」。しかし日本では、「遺伝子組み換え作物」の生産が禁止されています。
輸入・販売はどうなのかというと、日本では、一部の作物のみ、輸入・販売が認められています。大豆・とうもろこし・じゃがいも・なたね・わた・てんさい(砂糖大根)・アルファルファ・パパイヤの8種類です。
「遺伝子組み換えとうもろこし」の輸入・販売は認められているので、安心して口にして大丈夫でしょう。
しかし「生産は禁止」されている…このことから「遺伝子組み換えとうもろこし」の安全性に不安を持つ人もいるようです。
遺伝子組み換えとうもろこしってどうして体に悪いの?
「遺伝子組み換えとうもろこしは体に悪い」とネットやTVなどで目にすることが多いように思います。しかし「害虫に強い性質」「除草剤に強い性質」があるからといって、体に悪いと決めつけることはできません。
なぜこれほどまでに「遺伝子組み換えとうもろこし」が嫌がられ避けられているのでしょうか?
殺虫効果がある遺伝子組み換えの安全性が不明
「遺伝子組み換えとうもろこし」の多くは、効果的な殺虫剤である「Bt (バチルスチューリンゲンシス)」と呼ばれる土壌細菌を生産されるように設計されています。「Btコーン」と呼ばれています。
「Btコーン」には殺虫効果があり、「Btコーン」を食べた昆虫は死んでしまいます。よって、昆虫を殺すために、殺虫剤(農薬)をまく必要がないのです。
「殺虫剤(農薬)をまかずに栽培されたとうもろこし」は、とても体に良さそうで、安全性が高いように感じられますね。しかしデメリットもあることを忘れてはいけません。
「Btコーン」に殺虫効果があるということは、「Btコーン」の中に殺虫剤が含まれていることを意味しているのです。
「Btコーンは人体にとって危険である」という研究結果は出ていませんが、その安全性が不明であることは間違いないでしょう。
遺伝子組み換え技術そのものが不安定
「遺伝子組み換え技術」そのものが不安定であるということは、広く知られています。例えば、ある作物に「A遺伝子」を組み換えたときに、遺伝子が意図していない配列に変化してしまうことがあるようです。
そこから、意図していない新しいタンパク質が生み出される危険があります。
その新しいタンパク質は、もしかしたらアレルギーの原因になるかもしれません。さらに言うと、人体に致命的なダメージを与える毒性を持っているかもしれません。
「遺伝子組み換え技術」がもっと進化して、安定したものになれば良いのですが、現時点では、「遺伝子組み換え作物は、絶対に安全である」とは言えない状況です。
健康に気を遣う方には遺伝子組み換え作物を避けることをおすすめ
ここまでで説明してきた通り、とうもろこしをはじめとする「遺伝子組み換え作物」には、まだまだ不明な点・検証されていない点が多くあります。
「遺伝子組み換え」のような新しい技術の真の安全性を検証するためには、長い年月を要します。以上のことから、健康に気を遣う方には、「遺伝子組み換え作物」を避けることをおすすめします。
危険性を気にする方へ!コーングリッツの選び方のコツ
「遺伝子組み換えとうもろこし」を使用したコーングリッツは、危険性が高いから買いたくない!そう思っている人が多いのではないでしょうか?
ここでは、安全性の高いコーングリッツの選び方のコツを、詳しく説明していきます。
遺伝子組み換えではないコーングリッツを選ぶ
「遺伝子組み換えではないとうもろこし」を使用したコーングリッツを選べば安心です。実際のところ、日本に流通しているコーングリッツの多くが「遺伝子組み換えではないとうもろこし」を使用しているのです。
それは、コーングリッツには「遺伝子組み換え作物を使用したものに関して表示の義務がある」からです。
「原材料:とうもろこし(遺伝子組み換え作物を使用)」と書いてあったら、誰も買いませんよね。
メーカー側もそれをわかっているので、「遺伝子組み換えとうもろこし」を使用したコーングリッツを生産しない場合が多いのです。
コーングリッツを買うときには「原材料:とうもろこし」または「原材料:とうもろこし(遺伝子組み換えでない)」と記載された製品を選ぶようにしてくださいね。
国産とうもろこしを使ったコーングリッツもおすすめ
輸入とうもろこしを使ったコーングリッツ自体に漠然とした不安を持っている方もいるでしょう。そんな方におすすめしたいのが「国産とうもろこしを使ったコーングリッツ」。
日本国内では、遺伝子組み換えとうもろこしの生産が禁止されていますので、安全性は非常に高いと言えます。
コーングリッツの代用品としてポレンタ粉も優秀
アメリカ産のとうもろこし使用のコーングリッツを買うのは不安だけれど、国産のとうもろこし使用のコーングリッツは値段が高すぎる…。
そんな悩みを持っている方におすすめしたいのが、コーングリッツと同じような性質を持つ粉製品「ポレンタ粉」。イタリアで生産されている粉製品です。
ポレンタ粉がコーングリッツの代用品としておすすめである理由を、以下で詳しく説明していきます!
ポレンタ粉の特徴
ポレンタ粉は、イタリアで生産されている「とうもろこしの皮や胚芽を取り除いて挽いた粉」です。主にアメリカで生産されている「コーングリッツ」と同じような性質を持つ粉製品です。
「ポレンタ粉」はイタリアでは、「ポレンタ」と呼ばれる塩のみで調味するおかゆの材料として使われることが多いです。コーンブレッドの材料やフライドチキンの衣としても使われます。
ポレンタ粉の安全性が高い理由
ポレンタ粉はイタリアで生産されます。EUでは「遺伝子組み換えとうもろこし」の栽培が認められています。しかしイタリアでは、国内法により「遺伝子組み換えとうもろこし」の栽培が禁止されています。
このことから、ポレンタ粉の安全性は非常に高いと言えます。
ポレンタ粉の糖質とカロリー~コーングリッツと比較してみよう!
ポレンタ粉の栄養面をコーングリッツと比較してみましょう。「糖質とカロリー」はどうなのか…ダイエット中の方は特に気になりますよね。
ポレンタ粉100gあたりのカロリーは91kcalです。そしてポレンタ粉100gあたりの糖質量は16.07gです。
それに対して、コーングリッツ100gあたりのカロリーは355kcalです。そしてコーングリッツ100gあたりの糖質量は74gです。
ダイエットに関心がある方には、ポレンタ粉の方がおすすめだと言えるでしょう。
まとめ:コーングリッツの危険性を知って安全な製品を手に入れよう
コーングリッツの原材料であるとうもろこし。もし原材料として「遺伝子組み換えとうもろこし」が使用されていたら、人体に悪い影響がないとは言えないので、安全性に若干の不安が残ります。
この記事を参考にして、コーングリッツを選ぶときには、「遺伝子組み換えではないとうもろこし」が使用されている、安全な製品を選ぶようにしてくださいね!