長期保存が効く食材の代表格でもあるツナ缶。長く保存できるので便利な反面、うっかり使うのを忘れていて賞味期限を過ぎてしまった!ということもよくありがちですよね。
また、使い切れずに残ったツナ缶の賞味期限や保存方法がよくわからない、という人も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、ツナ缶の賞味期限や保存方法について詳しく解説します。
目次
未開封のツナ缶の日持ちは?賞味期限と保存方法を解説
ツナ缶が長期間日持ちする保存食品であることは、周知の事実ですよね。実際に非常食としても重宝されますが、実際に未開封のツナ缶の賞味期限はいったいどのくらいなのでしょうか?
ツナ缶の賞味期限は?どうやって決められているの?
一般的に缶詰類の賞味期限は、「公益社団法人 日本缶詰びん詰レトルト食品協会」のガイドラインを基本に決められています。
同協会のガイドラインによると、『マグロ・カツオ』の缶詰の賞味期間は36ヶ月。ただし、賞味期限を年月で表示する場合に限り1ヶ月延長しても問題がないとしています。
これはあくまで目安となる基準であって、必ずしもこの賞味期間に従う必要はないとされていますが、市販されているほとんどのツナ缶は賞味期限を3年と設定しているようです。
主要メーカーのツナ缶の未開封の賞味期限は?
では、実際に主要メーカーのツナ缶の賞味期限がどのくらいであるのかを調べてみました。
ブランド | 商品名 | 賞味期限 |
---|---|---|
はごろも | シーチキンL | 37ヶ月 |
オイル不使用 シーチキンL | 37ヶ月 | |
シーチキンマイルド(かつお油漬) | 37ヶ月 | |
いなば | ライトツナフレーク | 3年 |
ライトツナ スーパーノンオイル | 3年 | |
ライトフレーク(かつお油漬) | 3年 |
「はごろもフーズ」のツナ缶の賞味期限は37ヶ月、「いなば食品」のツナ缶は3年なので、どちらも「日本缶詰びん詰レトルト食品協会」のガイドラインに従っていることがわかりますよね。
また、オイル漬けか水煮(オイル不使用)でも賞味期限の差はなく、原料がマグロでもカツオでも賞味期限は同じ3年であることがわかります。
ツナ缶の賞味期限表示の見方を解説
「日本缶詰びん詰レトルト食品協会」の賞味期限表示に関するガイドラインによると、缶詰の賞味期限表示は、「年月」の表示か、「年月日」の表示のいずれかを使用するように決められています。
具体的な表示方法に特にルールはなく、表示形式はメーカーに委ねられているようです。
「年月」の賞味期限表示例
「2024年2月」・「2024.2」・「2024.02」 ・「21年2月」・「21.2」・ 「21.02」 など
「年月日」の賞味期限表示例
「2024年2月1日」・「21年2月1日」・「2024.2.1」・「2024.02.01」・「24.2.1」・「24.02.01」・「240201」 など
以前は、「210201」や「2102」など、「西暦の下2桁+月+日」で表示されていたツナ缶も多くありましたが、最近では、「2024.2.1」とわかりやすく表示するケースが増えてきているようです。
未開封のツナ缶の適切な保存方法とは?
ツナ缶は基本的に劣化しにくい食品ですが、保存状態が悪ければ劣化しやすくなります。最も影響を受けやすい要素が温度です。
温度が高い状態で長く保存すると、ツナ缶は劣化しやすくなるため、直射日光の当たる場所、コンロやオーブンなど熱くなりやすい場所、熱のこもりやすい場所などでの保存は避けるようにしましょう。
また、ツナ缶の外側の錆や胴の部分の凹みがある場合、少しであれば保存性に大きく影響することはありません。
しかし、広範囲に錆が広がっていたり、角の部分が大きく凹んだりしている場合は、外部から空気や雑菌が入る可能性があります。
缶が錆びないように湿度の高い場所での保管は避け、落とすなどして缶が大きく凹んだ場合はできるだけ早く使い切るようにしましょう。
未開封のツナ缶は熟成させた方がおいしいって本当?
ツナ缶は、マグロやカツオを蒸煮してフレーク状にしたものと、野菜スープやオイルなどを合わせた調味液を缶に入れ、殺菌加熱をして製造します。
調味液は、密閉された缶の中でゆっくりとマグロやカツオのフレークに染み込んでいきます。
製造直後は、まだ魚の身に味が染み込み始めた状態。つまり、まだ表面にしか味が染み込んでいないおでんの大根と同じような状態というわけですね。
そして、おでんの大根と同じように、時間が経てば経つほどツナ缶の魚の身にも味が染み込んでよりおいしくなります。
実際に、こだわりのツナ缶を作るメーカーには、製造後半年以上熟成させてから出荷するところもあるようです。
熟成ツナ缶は何年保存すればいい?
日本缶詰びん詰レトルト食品協会公認の「缶詰博士」である黒川勇人さんによると、魚の油漬け缶や水煮缶が最もおいしくなるのは、製造から2~3年ほど経った頃とのこと。
つまり、賞味期限間近ということになりますよね。
賞味期限間近まで待たないにしても、製造直後よりもある程度時間が経っているツナ缶の方がおいしいと言えます。
ツナ缶の賞味期限は3年なので、賞味期限から逆算して、少なくとも製造後半年、できれば1~2年以上経っているツナ缶を選んで買うとよいかもしれませんね。
ただし、味が染み込むと魚の身も締まるので、柔らかい食感が好きな人は製造後時間が経っていないツナ缶の方がおすすめです。
長期保存して賞味期限を過ぎた未開封のツナ缶は食べられる?
賞味期限とは、商品に表示されている方法で保存した場合に、安全に品質が変わらずにおいしく食べられる期限のことです。
一般的に、未開封のツナ缶の賞味期限は3年に設定されていますが、賞味期限を過ぎたツナ缶は食べても大丈夫なのでしょうか?
ツナ缶は賞味期限をどのくらい過ぎると傷むの?
ツナ缶などの缶詰類は、缶に原料を詰めた後にできる限り空気を抜いた状態で密閉し、高圧釜にて120℃以上で4分間以上の高温高圧殺菌を行っています。
この殺菌方法により微生物はすべて死滅し、容器は完全に密閉されているので、空気・水・微生物は缶の内部に入り込むことができません。
ですから、理論上は適切な方法で保存している限りツナ缶が腐ることはなく、賞味期限がどれだけ過ぎたツナ缶を食べても体調が悪くなることはありません。
賞味期限を過ぎると品質は劣化する?
ツナ缶は適切に保存していれば、賞味期限を過ぎても腐ることはありませんが、ツナ自体は徐々に劣化が進み、味や香りが落ちていきます。
とは言え、賞味期限が過ぎたからといって急激に品質が劣化するわけではありません。
SNSなどでは、賞味期限が過ぎて1~2年程度なら、新しいツナ缶と比べないと分からない程度という体験談や、逆に味がしっかり染みていておいしい!という意見も見られます。
品質劣化の速度は、保存環境によっても変わります。もし、賞味期限切れのツナ缶を食べておいしくないと感じた場合は、トマトソースで煮込むなど調理方法を工夫した方がよいかもしれませんね。
こうなっていたら食べるとNG!見極め方をご紹介
適切に保存されているツナ缶は、理論上では何年経っても腐ることはありません。しかし、高温下での保存など保存状態が悪かったり、缶が破損していたりしたばあいは腐敗することがあります。
ツナ缶の状態を見て、以下のような現象が見られたら腐敗している可能性が非常に高いと言えます。
1.缶が膨張している
2.開けた時に、ツンとくる臭いや酸っぱい臭いなどの異臭がする
1の膨張には、缶全体が明らかに膨らんでいる他に、片方のフタを押すと凹みもう片面が膨らむ程度の軽い膨張もあります。
正常ならば、缶の上下の部分は軽く凹んでいる状態です。少しでも缶の上下が膨らんでいると感じたら使用を中止しましょう。
開封したツナ缶の日持ちはどのくらい?残ったツナ缶の保存方法は?
ツナ缶を料理に使う場合、全部を使い切れずに余らせてしまうことも多いですよね。
その場合、冷蔵庫での保存が一般的ですが、開封したツナ缶は何日くらい日持ちがするのでしょうか?また、どのように保存をするとよいのでしょうか?
開けた後の日持ちは冷蔵庫で何日くらい?ツナマヨにした場合は?
日本缶詰びん詰レトルト食品協会によると、開封後のツナ缶は冷蔵庫に入れた場合でも2~3日以内に使い切った方がよいようです。
もう少し長めに保存しておきたい場合は、残ったツナを電子レンジなどにかけるなどしてしっかりと火を通し、その後完全に冷ましてから冷蔵庫で保存するか、フリーザーバックなどに入れて冷凍庫で保存しましょう。
いずれの場合も1週間を目途に使い切るようにしてください。
また、サンドイッチやサラダに利用するためにマヨネーズで和えてツナマヨにした場合の日持ちは、さらに短くなります。できるだけ翌日には使い切るようにしましょう。
使いかけのツナ缶は缶のままラップをしたらダメなの?
フルーツの缶詰は、ブリキ缶(スチールにスズメッキを施した金属)なので、開封して空気に触れるとスズが溶け出しやすくなります。そのため、開封後は別の容器に移し替える必要があります。
しかし、ツナ缶の缶は、アルミやスチールの缶と食品とが直接接触しないように内側に塗装やコーティングを施してあるため、開封しても直ちに缶が変質することはありません。
日本缶詰びん詰レトルト食品協会によると、コーティングが施してある缶であれば2~3日は冷蔵庫でそのまま保存しても問題ないけれども、できるだけ別容器に移し替えて保存することを推奨しています。
また、ツナ缶の製造会社も別容器で保存するように促しているため、残ったツナ缶は別容器に移し替えて冷蔵庫で保存するようにしましょう。
その際、ラップをツナに密着させるように被せると空気に触れにくくなるため、より良い状態で保存できるようになります。
保存期限切れのツナ缶やツナの油の正しい捨て方をご紹介!
賞味期限が大幅に過ぎていた場合、風味が落ちていても腐っていなければ、使い方を工夫して食べることはできます。
しかし、何らかの原因でツナ缶が腐敗している場合は処分しなければなりませんよね。また、油漬けのツナ缶の油を捨てて使用したい人も多いのではないでしょうか。
では、食べられなくなったツナ缶や、油漬けのツナ缶の油はどのように捨てればよいのでしょうか?適切な処分方法について解説します。
賞味期限切れのツナ缶を処分したい!ゴミの分別方法は?
中身が入っているツナ缶は中身を取り出してから、中身は燃焼ゴミに、缶は資源ゴミなど自治体の分別に従って出しましょう。
中身を捨てる場合は、ビニール袋の内側に吸水しやすいキッチンペーパーや新聞紙を入れ、ツナを包むようにして捨てるとよいでしょう。
特に注意したいのは、膨張している缶を開ける場合です。
何らかのガスが発生している可能性が高いため、中身が手に付かないようにビニール手袋をして、フタを開けた際にガスを吸い込まないように注意しましょう。
腐敗したツナは臭いが強いため、ビニール袋などで密閉することをおすすめします。また、缶に臭いが残っている場合は重曹にしばらく浸けておくと、ある程度臭いを取ることができます。
ツナ缶の油は使わない!どうやって捨てるのが正解なの?
油漬けのツナ缶の油を捨てる場合にそのまま流しに流してしまうと、流しが詰まる原因になるだけでなく環境にもよくないので、キッチンペーパーなどで油を吸い取ってから処分するようにしましょう。
もしくは、揚げ物用などの古い油といっしょに処分する方法もあります。ただし、固めるタイプの廃油剤は使用しないようにしてください。
水分が入っているため、温める際に飛び跳ねるため危険です。廃油として処分する場合は、吸わせるタイプやパックに流し入れるタイプの廃油処理用品を使いましょう。
ツナ缶の油はできるだけ使い切ろう!
油漬けのツナ缶の油はただの植物油ではなく、野菜などのエキスやうま味成分が入った調味液。ですから、ツナ缶の油には、うま味だけでなく魚からうつった風味も凝縮されています。
ツナ缶は調味液ごと使った方が、料理がおいしく仕上がるので、できるだけ捨てないで使い切りたいですね。
どうしてもカロリーが気になる場合は、ノンオイルタイプの水煮缶を使うとよいでしょう。また、身体に良いオメガ3系の油を使用したツナ缶もおすすめです。
まとめ:ツナ缶は長期保存が可能!ただし開封後は早めに食べよう!
市販されているツナ缶の賞味期限は、製造会社にかかわらずほとんどの商品が未開封で3年です。常温で長期保存が可能なので、非常食としても便利ですよね。
ツナ缶は、できるだけ空気を抜いた状態で密閉して高温殺菌しているので、缶に損傷がない状態で高温多湿を避けて保存していれば、理論上は腐ることはありません。
賞味期限を過ぎると徐々に劣化して風味や食感が悪くなることはありますが、基本的に食べても体調を崩すことはないでしょう。
ただし、開封してしまうとあまり日持ちがしません。ツナが残った場合は別容器に移し替えて冷蔵庫に保存し、早めに食べるようにしましょう。